京都といえば、有名な古刹や観光名所を巡る旅が定番。ですが、実は地元の人々が日常的に通う食品スーパーを訪れてみるのも、京都の魅力を深く知る方法の一つです。10年前に東京から京都へ移住した筆者が気づいたのは、京都の食品スーパーには、ただ食材を買うだけではない、食文化や地元のライフスタイルを感じられる特別な魅力があるということ。
今回ご紹介するのは、そんな京都らしさがぎゅっと詰まった、地元民にも観光客にも愛される食品スーパー「フレンドフーズ」と「HELP」です。親子で訪れれば、食材を通じた学びや発見も楽しめること間違いなし。ぜひ、次の京都旅行のプランに加えてみてください!
まるで食のアミューズメントパーク! 「フレンドフーズ」
京都を訪れたらぜひ足を運んでいただきたいのは、京都下鴨にある食品スーパーマーケット「フレンドフーズ」です。
「フレンドフーズ」は、1977年の創業以来、地元の人々から愛され続ける食品スーパーマーケット。
上賀茂の農家から直送される新鮮な野菜や、お豆腐や漬物から名店が作るお弁当など京都ならではの「食」を取り揃えています。さらに、全国各地から厳選された高品質な食品も豊富に揃い、訪れる人たちをいつも楽しませていますよ。
店内の商品には、スタッフの方が自らの言葉で書いたポップが添えられており、各商品の背景や魅力が伝わってきます。親子でポップを読みながら、「この果物はどこで育ったのかな?」といった会話を楽しむことで、子どもたちの食材への興味を育むこともできるでしょう。
「フレンドフーズ」はコンパクトな店内に、厳選された商品が棚いっぱいにぎっしりと並べられています。そして、いずれの商品も由来のはっきりしたものなので、安心して買い物ができますよ。
京都の食文化を体感しながら、全国の良品に出会える場所として、親子での訪問先としておすすめです。あなたの地元の名品だったり、有名商品も選ばれて陳列されているかもしれません…!
普通の一般的な買い物が「学び」や「体験」、そして「エンターテインメント」に変わるこの場所で、親子で食材を選ぶ楽しさや、京都ならではの味わいを発見してみてください。
フレンドフーズに行くなら、コレがおすすめ!
フレンドフーズを訪れたら、ぜひ見てほしいのがお弁当やお惣菜コーナー。「風蓮堂」と書かれたお弁当やお寿司は、すべて店内手作り! その味とボリューム、値段、いずれの点から見ても有名デパートの食品売り場に並ぶ品よりもずっと魅力的です。
さらに魅力的なのが、週末の土曜日! 「中村楼」や「鷹峯 むろい」などの星付きレストランのお弁当も並びます。
どちらのお弁当も、デパ地下で売っているお弁当の内容とは違います。なぜなら、フレンドフーズのためだけに作られたものだから。「中村楼」や「鷹峯 むろい」の料理人とグルメなフレンドフーズの社長・藤田俊さんが何度も試行錯誤して仕上げた、京都人も満足する特別なお弁当になっています。
たいてい午前中には売り切れてしまうので、ご希望の方は数日前までにフレンドフーズに問い合わせておくことをおすすめします。
さらに、「フレンドフーズ」には、かつて錦市場で営業していた老舗「井上佃煮店」の味を復活させた、お惣菜も並んでいます。
フレンドフーズの近くには、京都府立植物園や鴨川があります。過ごしやすい季節は、お弁当を購入し、地元民にまじってピクニックをするのもいいですね。
【フレンドフーズ】
住所:京都市左京区下鴨北園町10-6
営業時間:AM10:00~PM9:00(※1月1日〜1月3日は定休日)
アクセス:【電車】京都市営地下鉄「北山駅」より徒歩10分
【バス】京都市バス「北園町」下車すぐ
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安心して口に入れられる食を! 「HELP」
続いてご紹介する、京都のこだわり食材専門店・「HELP」は、親子で楽しみながら食の大切さを学べる場所として、HugKum読者にぜひおすすめしたいお店です。
「HELP」は、化学肥料や農薬、合成添加物を控えたオーガニック食品や自然食品を専門に扱うスーパー。店内には、契約農家さんから届いた新鮮な野菜やお米、毎朝市場で仕入れられる魚、伝統的製法にのっとった調味料などが並びます。
親子で訪れれば、「この野菜はどうやって育てられたの?」とか「このお醤油、どうやって作られているんだろう?」といった疑問が生まれ、食材を通じた学びが広がるはずです。
さらに、「HELP」では子どもたちがSDGsや環境について自然と興味を持てるきっかけ作りもできますよ。例えば、リサイクル可能なパッケージや地産地消を意識した商品が多く並ぶことで、買い物そのものが「未来の地球」について親子で考える時間に変わります。
HELPに行くなら、コレがおすすめ!
HELPを訪れたら、特に注目すべきは、HELPのプライベートブランド商品。
例えば、国内産の大豆と小麦、天日塩を原料に蔵付き酵母をはじめとした天然菌の力で2年かけて作られた「濃しょう油」や、圧搾一番搾りの「なたねサラダ油」、貴重な種子島産のさとうきびだけで作られた「種子島の砂糖」などは、HugKum読者のようにお子さんの健康を第一に考える方々にとって、安心して選べるアイテムです。
「嘘をつかない」「無理な品揃えをしない」という理念のもと、無添加でありながら美味しさを追求した調味料は、忙しい毎日の食卓を豊かにしてくれます。と同時に、お土産としても活用できそうですね。
京都発のスキンケア商品も揃っていますよ。「ANZENA(アンジーナ)」のハニープロクリームは、筆者自身使っているのですが、特におすすめです。乾燥肌のケアやリップクリームとしても活用できるので、これからの季節の助けとなるでしょう。お土産にするのもいいですね。
京都の老舗コーヒー店、「玉屋珈琲」のコーヒー豆や粉も手に入ります。
お客さんからの要望が多く、今年から始まったお惣菜も必見です。こだわりの食材と調味料を使ったお惣菜は、もちろん安心・安全。そして、鮮度がいいので、とっても美味しいです。
HELPの近くには、独自の選書に定評があり、本好きな人が全国から集まる「恵文社 一乗寺店」があります。絵本はもちろん、おしゃれな雑貨もありますので、あわせて訪れてみると面白い出会いがあるかもしれませんよ。
【HELP一乗寺店】
住所:京都市左京区一乗寺高槻町6
営業時間:AM10:00~PM7:00(毎週水曜定休日)
アクセス:叡山電鉄「一乗寺駅」より徒歩4分
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「善良」な食品スーパーマーケット
フレンドフーズとHELPには、いくつかの共通点があります。その一つが、生産者から直接購入している商品が多いということ。一般的に、「産直」というと安価で仕入れるイメージがありますが、両店舗では生産者が継続的にいい商品を供給できるよう、適切に利益を還元しています。
例えば、フレンドフーズでは仕入れ交渉を行わず、生産者が提示した希望価格で買う方針を採用。
一方、HELPでは一部の生産者に対して年間を通じて購入量をあらかじめ決め、安心して農作業に取り組める工夫をしています。さらに、スタッフ自らが畑でお米や卵の生産を手がけるなど、現場との強い連携が特徴です。
また、世間でお米の価格が高騰した際も、HELPのお米は変わらない価格で販売されていました(※会員限定)。オーガニックや特別栽培農産物は高価なイメージがありますが、企業努力により、購入者が長く買い続けやすい価格設定を実現しているのも魅力です。
こうした姿勢から、両店舗には「商い」の本質的な「善良さ」を感じました。それは、妥当性のある価格で安全な食品を提供し、すべての関係者に利益をもたらす近江商人の「三方よし」の精神そのもの。フレンドフーズとHELPは、その精神を体現しているお店だと感じました。
最後に
京都の旅で、「フレンドフーズ」と「HELP」という地元密着型の食品スーパーを訪れることは、ただの観光以上の特別な体験になると思います。そこには、地元の人々の日常や、京都の豊かな食文化が息づいているからです。親子での学びの場としても、家族みんなで楽しめるエンターテインメントの場としても、きっと忘れられないひとときになるはず。
次に京都を訪れる際は、有名な観光地だけでなく、こうした食品スーパーにも足を伸ばし、旅の新たな楽しみ方を発見してみてはいかがでしょうか? 地元ならではの食材や商品が、旅の思い出をさらに豊かに彩ってくれると思いますよ。
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写真/貝阿彌俊彦(京都メディアライン)
構成・文/末原美裕(京都メディアライン)