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赤ちゃんが泣くのは、空腹や不快などを伝えるサイン
(以下談話、渡部信子先生):
近年「赤ちゃんは泣くのが仕事」と言われますが、本来は「赤ちゃんは寝るのが仕事」です。泣くのは「おなかがすいた」「不快」「痛い」などを伝えるサインで、脳も体もよく育つのは、泣いていないときです。
また、いくらあやしても赤ちゃんが泣き続けると、育児不安が高まったり、イライラしたり、疲れきってしまうママ・パパもいます。
赤ちゃんが泣くのは姿勢が原因のことも
赤ちゃんが不快を感じ、リラックスできなくて泣く理由の1つには姿勢があります。妊娠中、おなかの中で赤ちゃんは、背骨をC字型に丸めて手足を曲げて丸まった姿勢をとっています。
赤ちゃんは、おなかにいたときのような丸まった姿勢だと安心する
生まれてからも赤ちゃんは、胎児のときと同様に背骨をC字型にして、丸まったような姿勢が自然な姿勢です。
赤ちゃんは、この姿勢がとれないと不快で泣いたり、寝ないことがあります。そのため新生児から生後4カ月ぐらいまでは、おなかの中にいたときと同じような丸まった姿勢がとれるようにしてあげましょう。


丸まった姿勢で赤ちゃんが安心する「まるまる育児」がおすすめ
背骨をC字型にして丸まった姿勢をとりやすくするには、首枕を当てて、首を支えることが大切です。首枕を着けてから、ガーゼなどの薄い布を使ってピッタリと赤ちゃんを包む「まるまる育児」がおすすめです。
首枕の巻き方
- 1 フェイスタオルを巻き、両端を輪ゴムで留めます。それを腹巻の中に入れて、くるくる巻きます。
- 2 ゴムを通した、大きめのボタンを用意します。
- 3 1を赤ちゃんの上半身に通して、タオルの部分を首の後ろに当てます。
- 4 2のボタンを通してゴムで留め、首のタオルがずれないようにします。
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おひなまきの巻き方
1 大判のガーゼなどの薄い布の中央に十字の線を引きます。
- 2 授乳クッションを置き、クッションの足元に畳んだバスタオルを置きます。その上に1の布をかぶせます。十字の中央に、赤ちゃんのお尻がくるように仰向けにして寝かせます。
- 3 布の端ABをあごの下でしっかり結びます。
- 4 赤ちゃんの股関節をあぐらをかくときのように広げて、Cを結び目の下から通します。
- 5 DとCと片結びします。赤ちゃんを何度か優しく上に持ち上げながら布を引っ張って、しっかり体にフィットさせ蝶々結びをします。
- 6 赤ちゃんの両手を口元に持っていきます。両サイドの布も引っ張り、しっかり結びます。寝かせるときは、授乳クッションなどを使ってもよいでしょう。
注意点は、布の中で膝がピーンと伸びないように気を付けることです。「足首がクロス」または「足の裏が合っている」ことが、股関節の成長には大切です。泣いて嫌がる原因の多くは「包み方が半端に緩い」ことですので、緩んだら、布の端を引いて、緩みを取って布がピッタリになると、たいていは泣き止みます。
《先生直伝》巻き方の動画は>>こちらから
※上手くできない場合は、マイピーロ ネオ+®や専用のメッシュ布(おひなまき®)を使うと楽に上手くできる人が多いです。
「まるまる育児」をしてから、子育てがラクになったなどの声も
「まるまる育児」を実践したママたちからは、
「赤ちゃんがぐっすり寝てくれるようになって子育てがラクになった」
「泣かれても“まるまる育児をすれば大丈夫”と思えて、余裕をもって子育てができるようになった」
「体の反り返りが和らぎ、授乳や抱っこがしやすくなった」
「向き癖が軽減した」
などの声もあります。また「まるまる育児」を取り入れているお産施設もあります。
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取材・構成/麻生珠恵