4月から小学生になる娘。放課後の学童保育、どうする?
春にいよいよ、娘も小学生になります。最近は学校に何度か足を運んで、入学についての話を聞きに行っています。
そのなかで話題に出てきたのが、放課後の学童保育のこと。娘の小学校では2種類の学童があって、ひとつは大人数でお友達のほとんどがそちらに通うそうです。もうひとつは全学年で30人ほどの少人数クラス。先生とのつながりも強そうで安心だなと思いながらも、親も積極的に関わる方針だと聞いてちょっと悩んでいます。
「お友達がたくさんいるほうがやっぱりいいかな?」
「でも、娘は大人数があまり得意ではないしなぁ」
「親の負担が大きいのもちょっと悩ましくもある…..」
ぐるぐると考えがめぐり、なかなか決まりそうもありません。そこでふと、スウェーデンの子どもたちは放課後どうやって過ごしているんだろう?と思ったのでした。
スウェーデンの小学生たちが通う「自由時間に過ごす家」
スウェーデンでは、子どもたちが放課後に過ごす場所を「fritidshem(フリーティーズヘム)」といいます。日本語に訳すと「自由時間に過ごす家」「余暇を過ごす家」という意味。ちなみに、保育園のことは「daghem(ダーグヘム)」「昼間の家」といいます。
北欧では共働きがあたりまえで、夏休みも長いこともあり、小学校に通うほとんどすべての子どもがこのフリーティーズヘムを利用するようです。
朝ごはんを学校で食べることもある
朝早くから仕事をスタートする親も多いことから、放課後だけではなく、朝6時や6時半くらいから過ごす子どもたちもいます。
朝から学童へ行く子どもたちは、そこで学童が用意してくれた簡単な朝ごはんをみんなといっしょに食べるのだとか。パンにチーズをのせたものや、フルーツなど。朝ごはんも学校で食べてくると思うと、朝のバタバタからちょっと解放されそうで、いいですよね。
放課後は、多くの時間を自然の中で過ごす

フリーティーズヘムでは、スポーツをして体を動かしたり、室内で工作や手芸、ゲームをしたりすることもありますが、学校の近くにある森や自然の中でも多くの時間を過ごします。
森の中をただただ歩きまわったり、自分たちで収穫したブルーベリーでパイを作ったりすることもあるのだとか。自然や森の中で多くの時間を過ごすというのも、北欧のひとたちらしい過ごし方だなと思います。
自由時間の過ごし方が「そのひとを作る」
「あなたは自由時間に何をするのが好きなの?」
ノルウェーに住んでいたとき、知り合ったばかりの友人に聞かれてドキッとしたことを思い出しました。北欧では自由時間をどう過ごすのかで、「そのひとを作る」「そのひとを表す」と考えているようなのです。

まわりを見てみると、趣味に没頭しているひともいれば、編み物や読書など自分の興味のあるコミュニティに参加するひとも多く、子どもから大人まで、家庭や学校、仕事以外にも自分の居場所を持つことを大事にしているように感じました。
家や学校だけではない、もうひとつの居場所
娘の学童の話に戻りますと、まだどちらにしようか正直迷っているところなのですが……。でも大事なのは家や学校だけではなく、自分の居場所だと感じる場所ができることなのかなと思ってきました。
習いごともそのひとつでしょうし、本を読むのが好きだったら図書館でもいいし、公園で出会ったお友達と過ごす時間でもあるのかもしれない。

スウェーデンの言葉を借りるなら、「自由時間に過ごす家」を子どもたちにも見つけてほしいですし、その手助けをしていこうと思います。
プロフィール

イケア勤務を経て、ウェブメディア&ショップ「北欧、暮らしの道具店」の初期スタッフとして約6年間働く。その後、スウェーデン人の夫である、オリバー・ルンドクイスト氏と一緒にノルウェーのトロムソに移住。1年半滞在したのち帰国し、現在は長野県松本市に在住。著書に『北欧で見つけた気持ちが軽くなる暮らし』(ワニブックス)、『北欧の日常、自分の暮らし』(ワニブックス)、夫との共著書に『家族が笑顔になる北欧流の暮らし方』(オレンジページ)がある。
Instagram @kuwabarasayaka
note 桒原さやか(くわばらさやか)/スウェーデン人夫と子育て奮闘中。
こちらの記事もおすすめ

文・構成・写真/桒原さやか