ウチの給食は日本一!「給食甲子園」優勝メニューは、地産地消、食べて学べる、最強の給食だった!

ダンス甲子園、かるた甲子園…などなど、よく耳にする「〇〇甲子園」という言葉。毎日、大勢の子どもたちが楽しみにしている給食にも、あるんです! その名も「全国学校給食甲子園」。決勝大会へ進んだ各チームの「ウチの学校の給食」と、それに込められた熱い思いに迫ります! 

学校給食甲子園とは?

「給食甲子園」開催の様子(全国学校給食甲子園®️)

2006年の第一回大会以来、19年の歴史を持つ「学校給食甲子園」。第18回大会、19回大会ともに、全国各地1000校を超える学校や給食センターからさまざまなメニューがエントリーされました。

第一次審査~第四次審査を経て選ばれた12チーム24人(学校栄養士(栄養教諭・学校栄養職員)と調理員のペア)が決勝大会に出場。決勝大会では、「調理開始!」の合図で、60分間の調理テストが行われ、実際に給食を作るのです。

優勝は、地場産物を使った石川県の給食

先月行われた19回大会で見事優勝(藤江賞)に輝いたのは、石川県立明和特別支援学校の学校栄養職員・岡春菜さんと調理員・岩岸美加恵さんのペア。

優勝メニューはこちらです。

スープ煮は、和の煮物を食べなれない子のために、ウインナーを入れるひと工夫を施している
スープ煮は、和の煮物を食べなれない子のために、ウインナーを入れるひと工夫を施している

・米粒麦入りごはん

・牛乳

・たらのアクアパッツァ

・いしるドレッシングの堅豆腐入りサラダ

・もっちり加賀れんこんと源助大根のスープ煮

・ミルクゼリー~めいわジャムのりんごソースがけ~

給食にイタリア料理の「アクアパッツア」、まるで料亭メニューのような本格的和風スープ煮。子どもに食べさせるのはもったいない…、いや、親もぜひ食べたい魅惑のメニューではありませんか!

給食の献立を考えている岡さんに聞きました

「子どもたちは広い範囲から通学しているので、お米や牛乳などはもちろん、魚や野菜など県内の幅広い地場産物を給食に取り入れています。今回の主菜『アクアパッツァ』は、生徒が家庭科の授業で考案した献立で、定番人気のメニューです。今回は石川県で漁獲された「たら」を使いました」(岡さん)

他にも、令和5年に登録無形民俗 文化財に登録された能登の魚醤「いしる」、加賀野菜に認定されている「加賀れんこん」「源助だいこん」など、地元の食材をふんだんに使った、まさに「地産地消」の王道ともいえる給食です。

「作業学習で連携している農家さんの食材を給食に取り入れるのはもちろん、高等部フードデザイン班が作るりんごジャムを用いてデザートを作るなど、これからも、児童・生徒の日頃の活動と給食を積極的に関連付けて、学びのある魅力ある給食を作っていきたいです」(岡さん)

昨年の入賞メニューも地元食材を活かした

一昨年の18回大会でも、地元の食材を活かした最強の給食が数多く受賞しました。

優勝に輝いた新潟県・妙高市の給食

優勝した新潟県妙高市新井中央小学校(岡田小野江栄養教諭・坂詰香調理員)も、地元の食材や調味料を活かしています。

それがこちら。

・アスパラ菜めし

・牛乳

・めぎすの米粉あげ~かんずりジュレソース~

・アスパラ菜のごまこうじあえ

・妙高ごっつお汁

こちらの学校の給食の献立を作っている岡田さんが目指しているのは「食べて学ぶ給食」。3年生が地元の伝統調味料「かんずり」について学ぶことから、給食にも導入。トマトジュースと白みそを加えて「かんずり」の酸味をやわらげ、ジュレソースにアレンジしたそうです。これまた、オシャレな一品です!

ジュレ仕立てにしたのは、液体のソースと違い、食べるまでカラッと揚げた米粉の風味や食感が損なわれにくいからだとか。たかが給食とは決して侮れない、食感や風味、彩りなど、さまざまな工夫が盛り込まれた最高の給食です。

「優勝して良かったなと感じるのは、子どもたちが『ウチの学校の給食が日本一』と誇りをもってくれることです。地域の人も喜んでくれ、給食や食育への理解が深まっているのも、うれしいです」(岡田さん)

準優勝の岐阜県・美濃市の給食

同じ第18大会で準優勝に輝いたのは、美濃加茂市立学校給食センターの給食(中嶋祐佳栄養教諭・中井智子調理員)です。
白米・牛乳・鶏肉の梅ジャムソース・切干大根とツナのミルク煮・夏けんちん・冷凍南濃みかんというメニューでした。
毎日、13の小中学校の給食6400食を作っている美濃加茂市給食センター。白米は、美濃加茂市の富加町で生産しているコシヒカリを使用しているそう。

大村智特別賞の佐賀県・佐賀市の給食

18回大村智特別賞を受賞したのは、佐賀県佐賀市富士学校給食センターの給食(北川美千代栄養教諭・髙島まゆみ調理員)。
「緑と清流の温泉町」で作られた新鮮な野菜がたっぷり使わている。
麦入り御飯(富士町産ひのひかり)・牛乳・佐賀の恵み和風ミートローフ(女将のゆずみそごまだれ)・富士のほうれん草と菊芋の梅海苔サラダ・富士の野菜ときのこ入り馬塩豆乳味噌汁・だし昆布とかつお節のふりかけ・手作りみかんゼリーという献立です。
佐賀の特産品であるみかんを使ったゼリーもおいしそうですね!

給食を参考に子どもの健康について考えてみよう

生きることは、食べること。食べるものが、子どもの血となり、肉となります。学校給食の大切さに注目が集まっている今、家庭でも、すぐれた学校給食を参考にして、子どもの健康について考えてみませんか。

給食甲子園のサイトでは、過去の入賞メニューが紹介されています。全国各地の学校の給食メニューをチェックしてみると面白い発見があるかも!

参考にしたい給食メニューはこちら>>

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取材・文/ひだいますみ

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