「代金」「代価」「料金」の意味の違いって?
「代金」「代価」「料金」
これらの3語は、物を買ったり、利用したり、あるいは手数をかけたりしたときなどに支払うお金のことをいいます。でも、それぞれの語を実際に使うとき、なんとなく使い分けはしているけれど、明確な意味の違いはよくわからないというかたも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、この3語の意味の違いについてお話しします。
結論から先に言いますと、「代金」「代価」は、品物、物件を得る代わりに支払うお金をいいます。「料金」は、品物、設備などを使用、利用する代わりに支払うお金をいいます。
では、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
品物を買うときは「代金」「代価」。利用するものへの支払いは「料金」

たとえば「本の○○を払う」という場合、「本」は品物ですから「代金」「代価」は使えますが、「料金」には使えません。
これに対して、「電気の○○を支払う」という場合は、「料金」は使えますが「代金」「代価」は使えません。それは、「料金」はそれを使用、利用することに対して支払うものだからです。
また、「代金」「代価」は同じような意味で使われますが、まったく同じ意味というわけではありません。
「代」「料」は、何かを代償とするための金品という意味

「入場券は○○と引き換えでお渡しします」という場合は、「代金」は使えても「代価」は使えません。「代価」は金銭の値という意味で、金銭そのものではないため、「引き換え」とは結びつきにくいのです。この場合、「料金」はどうかというと、「入場券」は品物ですのでやはり使えません。
「代価」は、犠牲や損害の意味で使うことも
また、「土地の○○」のような品物などの値段を表す場合は「代価」が適当なのです。これは、「価」に「値段」という意味があるからです。さらに「代価」には、「勝利の代価は高くついた」のように、ある事柄をおこなうために生じる犠牲や損害の意味でも使われます。「代金」「料金」にはその意味はありません。
「代」「料」は、何かの代償とするための金品という意味で、平安時代から単独でも使われていました。ただ「代金」の形では、使用例が確認できるのは江戸時代以降です。
「代価」「料金」は、明治時代になってから使われるようになった語のようです。特に明治時代になって「料金」が使われるようになったのは、品物、設備などを使用、利用するときに支払うお金は、それまでは言い値や交渉で決めていましたが、明治になって郵便料金、鉄道の切符のように、あらかじめその値段が決められるようになったためだと思われます。
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