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Q:登校時、私が付き添わないと行きたがりません。
長女は幼い弟妹の面倒見もよく、優しくしっかりしている子なのですが、入学式の翌日から「ママと一緒じゃないと行きたくない」と、わがままを言うようになりました。
入学前は通学路を一緒に何度も歩きましたし、本人も「大丈夫」と言っていたのですが…。私は下の子たちも保育園に送らなければならず、負担が大きくて困っています。
夫は朝早くに出勤するので頼ることができません。1日でも早く娘が一人で登校できるようにしたいのですが、なにかよい方法はないでしょうか。 (K・H さん)
A:まずは娘さんの気持ちに寄り添いましょう。満足すれば、自立していきます。
3人きょうだいの一番上のお子さんがようやく小学生になったのですね。弟妹の面倒をよくみてくれるし、お母さんにとってはとても頼もしい存在なのだと思います。しかも通学路の練習もバッチリだったのに、「ママと一緒じゃないと…」と言われて、さぞかし戸惑われたことでしょう。
子どもは親の気持ちにとても敏感です。娘さんは、お母さんが自分に対して「この子はもう大丈夫ね」と安心した気持ちを感じ取り、心細くなってしまったのかもしれません。また、弟妹たちはこれまでと変わらず、お母さんと一緒に保育園へ行けるのに、「私だけ一人で学校に行かなければならない」ことに寂しさを感じているのだと思います。
どんなにしっかりした子でも、やっと小学生になったばかり。お母さんにはまだ甘えたい年ごろなのです。ですから、急に初めての環境に一人で置かれてしまうことに、戸惑いや心細さを感じたとしても不思議ではありません。お母さんは「上の子が早く自立してくれたら、とても助かる」という思いがあると思いますが、まずは娘さんの「ママと一緒がいい」という気持ちに寄り添い、どうしたらよいかを考えましょう。
例えば、一人で学校に行くのが嫌なのであれば、下の子たちと一緒に保育園へ行き、それからお母さんと二人で学校に行くのはどうでしょう。そのぶん、朝は早く出ることになるかもしれません。でも、娘さんにとっては、3月まで通っていた保育園に寄ってから学校へ向かうことになりますし、保育園から学校までは、お母さんと二人だけの時間を過ごすことができますね。
あるいは、近所に友だちがいるのであれば、待ち合わせて登校してもいいですね。その際は、その待ち合わせ場所までお母さんがついていってあげるといいと思います。

お母さんは大変かもしれませんが、こうしたことはそれほど長くは続かないでしょう。新しい環境に慣れて、娘さんの気持ちが満たされたら、娘さんのほうから「一人で行く」と言い出すはずです。その後は、きっとしっかりものの優しい子として自立していくと思います。
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私がお答えしました

診療の傍ら、地域の小学校、幼稚園、保育園の校医、園医も務める。日本小児科学会認定専門医。日本小児科医会「子どもの心相談医」。
1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子どもたち各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。
『小学一年生』2025年5-6月号別冊『HugKum』
イラスト/メイボランチ 構成/天辰陽子