「転売」は違法? 違法となる条件を知らないと、あなたも犯罪者に! 転売にまつわるあれこれを解説

転売は批判されることもありますが、購入した商品をほかの人に売ると違法になるのでしょうか? 違法となる主な条件や、なぜ世間からの印象が悪いのか、その原因について解説します。あわせて、転売に関する疑問と回答も確認しましょう。

転売は違法になる?

転売自体は違法ではない

「転売」は購入した商品を、さらに別の場所や人に売る行為です。基本的には、購入した商品を誰か別の人に売ったとしても、それだけで違法になるわけではありません。

しかし、転売には、本来なら買いたい人が定価で購入できたはずの商品を買い占め、高値で転売するといった行為も含まれます。

一般消費者に迷惑がかかる転売行為は迷惑行為として印象が悪くなるだけでなく、一部は法律で禁止されているため注意が必要です。

転売が違法となる主な条件

転売は、基本的に違法ではありません。しかし、何らかの条件を満たすと違法になる可能性があります。主な条件を確認しましょう。

転売禁止の商品を販売する

法律によって転売が禁止されている商品には、以下のようなものがあります。

・チケット類の高額転売(2019年6月14日より)
・米穀類の不正転売(2025年6月13日より)
・タバコ類(許可や小売価格の問題)

チケット類の高額転売は、チケット不正転売禁止法によって禁止されています。米穀類の転売は、米の高騰対策や備蓄米の転売防止を目的としたものです。

タバコ類は、販売に許可が必要であるうえ、定価販売が義務付けられているため、転売で利益を得ることは法律上できません。

出典:チケットの高額転売は禁止です!チケット不正転売禁止法 | 政府広報オンライン
米穀の転売規制について:農林水産省
たばこをネットオークションで販売してもよいのでしょうか : 財務省

法律で禁じられている商品を販売する

転売かどうかは問わず、法律で販売禁止の商品を扱うと違法となります。例えば、以下のような例が挙げられるでしょう。

【販売が禁止されているもの】
・規制薬物やドラッグ
・国内取引が禁止されている密輸品
・その他国内で取引が禁止されている商品

【許可が必要なもの】
・酒類
・医薬品
・成人向け商品

販売自体が禁止されているものは、転売かどうかにかかわらず法律違反です。販売に許可が必要なものは、転売で取り扱うと法律違反となるリスクが高いでしょう。

出典:日本国内での象牙取引で違法事例 古物商ら27人が書類送検 |WWFジャパン

著作権を侵害する可能性があるものを販売する

転売によって、著作権を侵害する可能性があるものも法律違反となるリスクがあります。

【著作権違反となる主な商品】
・コピーコンテンツや海賊版
・偽ブランド品

例えば、書籍をコピー・複製して販売する行為は禁止されています。ブランドロゴなどをまねて、偽ブランドとして販売する行為もNGです。

販売してしまった場合、著作権違反以外にも購入した側から詐欺として訴えられる可能性もあります。

出典:ショッピングサイトを通じた海賊版販売、有罪判決が確定 | 著作権侵害事件 | ACCS

古物商許可を取得していない

事業として中古品を取り扱う場合、古物商許可が必要です。個人の不要品処分程度であれば問題ないとされることも多いですが、事業規模と判断されると法律違反になる可能性もあります。

中古品の販売を本格的に始めるのであれば、事前に古物商許可の取得をしておきましょう。

また、取り扱う商品によっては、古物商許可以外の許認可が必要な可能性もあるため、調べておくことが大切です。

出典:古物商許可申請 警視庁

なぜ転売は印象が良くないのか

購入した商品に手数料を上乗せして販売するスタイルは、卸し売りなどにも見られる一般的な販売手法です。しかし、転売には良くない印象もあります。なぜ転売の印象が悪いのか、主な原因を探ってみましょう。

消費者にメリットがない

通常、転売される商品はメーカーや販売元から一般消費者が定価で購入できるものです。

転売をすることで、本来なら定価で購入できるはずの商品が消費者の手元に届かなくなる可能性があります。品薄で購入までに時間がかかる場合や、欲しいものが手に入らない場合は不満が溜まるでしょう。

転売品を高額で購入する人がいたとしても、「高額で買わされた」という印象を持つかもしれません。購入できた人・できない人どちらにとっても、転売はメリットが少ないのです。

ただし、見つけることが難しい掘り出し物や貴重な商品については一般消費者に受け入れられるパターンもあり、品薄状態をつくって価格をつり上げる行為の印象が悪いといえそうです。

メーカーや販売元のイメージ低下につながる

転売するような人が商品を購入できてしまい、その商品が本当に欲しい人は買えないとなると、メーカーや販売元が品薄になるような運営をしているという印象を世間に持たれます。

そのほか、転売品であると気付かず購入した人から、商品の品質が悪いなどの印象を持たれてしまう可能性もあるでしょう。

つまり、転売が多く、対策が取れていないとメーカーや販売元のイメージが低下してしまうのです。転売が原因でイメージが低下しているとなれば、転売目的での購入者は企業から見ても印象が悪くなります。

需要と供給のバランスが崩れる

転売目的の買い占めが起きると、本来よりも過剰な需要が生まれます。転売をしようとしている人だけでなく、その商品を必要としている人や、品薄の不安からまとめ買いをしようとする人など、さまざまな要因で需要が増えてしまうのです。

過剰な需要にメーカーが応えようとすると、生産が増えていきます。生産増加ができない場合には、転売品が売れることになるかもしれません。

どちらにしても、一時的な需要増加がなくなれば、需要と供給のバランスが崩れます。結果、価格の大幅な下落や過剰在庫といった問題が発生し、市場全体にとっても悪い影響があるのです。

転売が違法になる場合の気になる疑問と回答

転売の中には違法になるケースがあると分かっていても、不要品の処分や気になる商品の購入をしたいと考えることもあるでしょう。知らずに売買したときに逮捕などの大きなトラブルに発展するのかなど、気になる疑問と回答を紹介します。

違法だと知らずに売買した場合はどうなる?

違法だと知らずに法律に違反したとしても、罪に問われる可能性はあります。違法であることを知らなかったとしても、犯罪に該当すれば罪に問われるというのが法律の原則です。

たとえ罪に問われない場合でも、多くの人に被害が及ぶ可能性があります。例えば、盗品だと知らずに販売・購入してしまったようなケースでは、被害者に商品を返さなければならず、金銭的な負担や話し合いが生じる可能性があります。違法であるかどうかが判断できない場合には、転売をせず転売商品を購入することも避けたほうが無難です。

メーカーや販売元が許可を得て扱う商品には、違法性はありません。基本的にはメーカーや販売元から購入し、転売商品を購入しないほうが安全です。

出典:Q18盗品の購入|交通事故に強い神戸(兵庫県)の弁護士事務所 トアロード法律事務所

転売によって逮捕されてしまうケースはある?

転売によって逮捕される可能性は、ゼロではありません。

法律で禁止されているチケットの高額転売や、日本で取引が禁止されている商品を販売してしまうなど、違法な取引をしてしまうケースもあるでしょう。

犯罪であるとみなされれば、ただ中古品を誰かに売っただけでも大きな問題になるのです。違法でなければ問題はありませんが、さまざまなルールができているため、リスクは高いと考えておきましょう。

出典:アイドルのチケット転売事件 被告2人に執行猶予付き有罪判決|NHK 北海道のニュース

フリマサイトでの不要品処分はしてもいいの?

最近は、自宅の不要品をフリマサイトで処分することが一般的に行われています。フリマサイトでの不要品処分自体に問題はありません。 

しかし、販売元が転売をしないよう通達している商品や、衛生面・安全面に問題があるような商品は避けたほうがよいでしょう。

また、法律で許可が必要なものやフリマサイトで取引が禁止されているものも、トラブルの原因になります。フリマサイトを利用して不要品処分をする場合は、注意書きをよく読んで検討しましょう。

出典:禁止されている出品物 – メルカリ スマホでかんたん フリマアプリ

転売は違法となるケースがあるため注意が必要

転売は、それ自体が違法になるものではありません。しかし、一部の転売は規制されており、取り扱う商品や状況によっては違法となる可能性があります。

不要品の処分や、正規のルートで手に入らない商品を購入したいときには活用できる転売ですが、フリマサイトの利用や転売品の販売・購入の際は問題がないかどうかよく確認することも大切です。

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構成・文/HugKum編集部

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