【3〜5歳児】幼児期の子育て支援制度は何がある? もらえるお金一覧をパパFPがわかりやすく解説

幼稚園児イメージ

3〜5歳になると保育園や幼稚園への入園・通園が本格化し「働き方を見直したいけど、どんな支援があるの?」といった疑問が生まれるのではないでしょうか。
幼児教育・保育の無償化や児童手当の拡充など、幼児期の子育て世帯向けの支援制度が整いつつあります。支援制度を活用するには申請が必要なので、漏れなくチェックしたい方は、ぜひ参考にしてください。

3〜5歳児の保育料を軽減する制度

3〜5歳になると保育園や幼稚園への通園が本格化します。保育料の負担が気になりますよね。ここでは、3〜5歳児が対象となる保育料の無償化制度について詳しく解説します。

幼児教育・保育の無償化|保育料は基本的に無料へ

2019年10月から開始された制度で、3〜5歳児クラスの保育料が無償化になりました。保育所、認定こども園、新制度に移行済みの幼稚園など多くの施設が対象です。

対象者3〜5歳児クラスの子ども
対象施設幼稚園保育所認定こども園地域型保育 など
無償化の範囲・保育所、認定こども園:無償化
・幼稚園(新制度移行園):無償化
・幼稚園(新制度未移行園):月額25,700円まで
・認可外保育施設:※月額37,000円まで  
(※保育の必要性の認定が必要)
申請方法利用する施設を通じて市区町村に申請
幼児教育・保育の無償化の概要

保育所や認定こども園の場合、保育料が無償になります。幼稚園の場合、新制度に移行しているかいないかで条件が異なるので注意が必要です。新制度に移行していない幼稚園の場合、無償化の上限が月額25,700円になります。

認可外保育施設は月額37,000円までが無償化の対象です。ただし、認可保育所の申請を行っているなど保育の必要性(就労等)があることが条件になります。

また、保育園は無料であっても、通園送迎費(送迎バスなど)、食材料費(給食費、副食費など)、行事費などは保護者負担となるため、年間5〜10万円程度の実費がかかる点は押さえておきましょう。

参考:こども家庭庁「幼児教育・保育の無償化について

3〜5歳児が対象の継続的支援制度

保育園送迎イメージ

保育料の無償化に加えて、3〜5歳児の子育て世帯が継続的に活用できる支援制度があります。2024年には児童手当が大幅に拡充され、所得制限が撤廃されました。ここでは、長期間にわたって家計を支える重要な制度をご紹介します。

児童手当の拡充|2024年10月から所得制限撤廃で18歳まで延長

児童手当は子育て世帯の最も身近な支援制度ですが、2024年10月から内容が大きく変わりました。

最新の児童手当の概要は以下の通りです。

対象者0歳〜18歳に到達する日以後の最初の
3月31日までの児童を養育している方
支給額・3歳未満:月額15,000円
・3歳以上〜高校生年代:月額10,000円
・第3子以降:0歳〜高校生年代まで月額30,000円
所得制限2024年10月に撤廃
支給時期年6回(偶数月)
申請方法市区町村の窓口に申請
児童手当の概要

今回の改正で最も大きいのは支給期間の延長です。これまで中学卒業まで(15歳まで)だった支給が、高校生年代卒業(18歳)までに拡充されました。つまり3年間分の支給期間が追加されたことになります。

さらに第3子以降は月額3万円に増額。また、2024年には所得制限も撤廃され、収入に関係なくすべての子育て世帯が児童手当の対象となりました。

参考:こども家庭庁「もっと子育て応援!児童手当

就学援助制度|小学校入学準備をサポート

就学援助制度は、経済的な理由で小学校への就学に支障がある家庭を対象に、学用品や給食費などを補助する制度です。小学校入学前に知っておくことで、申請漏れを防げます。

対象者生活保護を受給している世帯、
またはそれに準ずる所得水準の世帯
補助内容学用品費・新入学用品費、給食費、修学旅行費、校外活動費 など
申請方法市区町村の教育委員会へ申請
申請タイミング新年度開始後(4〜5月頃)が一般的。
新1年生の学用品費は、入学前に申請できる自治体もあり
就学援助制度の概要

就学援助は全国で実施されていますが、補助額や基準は自治体ごとに異なります。

入学前に支給される「新入学用品費」は特に重要なので、入学前年の秋〜冬頃から自治体の案内を確認しておくと安心です。

参考:文部科学省「就学援助制度について

子ども医療費助成制度|自治体ごとの手厚いサポート

子ども医療費助成制度は、子どもが病気やケガをしたときの医療費を自治体が助成してくれる制度です。

自治体によって助成内容は異なりますが、多くの市区町村では中学生または高校生までの医療費が無料または数百円〜1,000円程度の自己負担で済みます。

対象者各自治体に住民登録のある子ども
対象年齢0歳〜自治体により異なる
(中学生まで、高校生までなど)
助成内容通院・入院の医療費の自己負担分を助成
(自治体により一部自己負担あり)
申請方法市区町村の窓口で受給資格証の交付を受ける
子ども医療費助成制度の概要

受給資格証は市区町村の窓口で申請すれば、受給資格証を受け取れます。医療機関で受診する際に健康保険証と一緒に提示すれば、窓口での支払いが不要または軽減されるシステムです。

引っ越しや里帰り出産の際は、一時的に自己負担が発生する場合があるため、事前に両方の自治体に確認しておきましょう。

参考:こども家庭庁「令和6年度「こどもに係る医療費の助成についての調査」

ひとり親家庭が活用できる追加支援

シングルマザーイメージ

シングルマザーやシングルファザーなど、ひとり親家庭で3〜5歳児を育てている方は、児童手当や保育料無償化に加えて、ひとり親家庭向けの追加支援制度を利用することが可能です。経済的な負担を軽減し、子どもの健やかな成長をサポートする手厚い制度が用意されています。

ここでは、ひとり親家庭が活用できる主な支援制度をご紹介します。

児童扶養手当|月額最大46,690円を支給

児童扶養手当は、ひとり親家庭の生活安定と子どもの健やかな成長を支援するための制度です。児童手当とは別に支給されるため、両方を同時に受け取ることができます。

対象者18歳に達する年度末までの子どもを養育する
ひとり親家庭の父または母
(障害児の場合は20歳未満まで)
支給額・全額支給:46,690円
・一部支給:46,680円~11,010円

加算額(児童2人目以降1人につき)
・全額支給:11,030円
・一部支給:11,020円~5,520円
所得制限あり(扶養親族の数により異なる)
支給時期年6回(奇数月)に2か月分を支給
申請方法市区町村の窓口に申請
児童扶養手当の概要

たとえば3〜5歳児1人を育てるひとり親家庭の場合、児童手当(月額10,000円)と児童扶養手当(月額最大46,690円)を合わせると、月額56,690円の支援を受けられます。

全額支給か一部支給かは、前年の所得額と扶養親族等の数によって決まります。たとえば扶養親族が1人(子ども1人)の場合、年収目安として約160万円未満なら全額支給、約365万円未満なら一部支給です。ただし、所得には各種控除が適用されるため、実際の年収とは異なります。

詳しい所得制限額は扶養親族の数によって異なるため、お住まいの市区町村の窓口で確認しましょう。

参考:こども家庭庁「児童扶養手当について

まとめ

3〜5歳の幼児期には、幼児教育・保育の無償化、児童手当の拡充など、手厚い支援制度が用意されています。

ただし、これらの制度は申請しないと受けられません。特に保育料の無償化は大きなメリットですが、給食費や教材費などの実費は発生するため、事前に園に確認しておくことをおすすめします。

子育て支援制度で損しないように、利用できるものは早めに申請しましょう。

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記事執筆

もにゅら ファイナンシャルプランナー

独立系ファイナンシャルプランナー(FP)として執筆業を中心に活動中。2児の父親でもあり、家計や資産形成に関する執筆が得意。また、マンションの売買も経験しており、実体験に基づいたライティングを強みとしている。各種金融メディアでの執筆・監修業のほか、自身のメディアとして「もにゅら親子の節約ブログ」「もにゅらのクリプト部屋」を運営中。

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