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いきなり英語100%の現地校に! 新しい環境へのお子さんたちの反応は?
――お子さんは現地の学校に通われているのですか?
大木さん:娘は日本でいうと6年生、下が息子で4年生です。昨年10月にハワイに引っ越してきて、2人とも現地の公立校に通っています。娘は生まれ年の関係で小学校ではなく、「グレード7(ミドルスクール=日本の中学校にあたるもの)」に転入しました。
――環境が大きく変わったかと思いますが、お子さんたちの反応はいかがでしたか?
大木さん:息子は性格的に自分からグイグイいけるタイプということもあって、初日から「めちゃくちゃ楽しかった!」と言っていましたね。入学して1週間でお友達とケンカをして先生に注意されましたし、本当に課題も多いのですが、適応は早かったように思います。クリスマスの音楽会ではずうずうしくも立候補して合唱の指揮者を務めていました(笑)。
一方、娘は中学生なので勉強自体は難しいですが、もともと読書好きで、英語で本を読んでいた経験もあるので授業にはついていけているようです。ただ、ハワイの歴史などは基礎知識ゼロの状態で始まるので、そこはやっぱり大変だと言っていました。
ちなみに小学校の算数は日本で学んだ内容が先取りになっていることも多く、これは海外に行った日本人あるあるらしいのですが、初日から二人とも「算数の天才」みたいな扱いになったらしくて(笑)。
そういうとき、先生が気づいて別のプリントを渡してくださったり、進度の速いクラスに変えたりしてくれたりと、細かく対応していただきありがたいです。

――授業も含めて学校生活は全部英語ですよね。最初は大変だったのではないでしょうか?
大木さん:思ったより2人とも学校生活にはすんなり適応してくれていますね。こちらに来る前は心配しましたが、まず「第一関門」は何とか越えられたかな、という感覚です。
息子はどんどん話しかけるタイプなので、ブロークンイングリッシュではありますが、レストランなどでも店員さんに注文を伝えたり、質問したりするのを率先してやってくれていますね。
――全く違う環境に柔軟に適応しているお子さんたちは頼もしいですね! 文化の違いに戸惑ったことなどはありますか?
大木さん:日本との違いに戸惑ったことといえば昼食かもしれません。こちらは給食制度がなく、朝食や昼食はカフェテリアで、各自がチャージ式のカードで支払って食べます。
息子は初日に食べたブリトーが日本で食べるものとは違いカルチャーショックを感じたようで、それからはお弁当が中心になりましたね。日本と比べると昼食を食べる時間が短かったり、おやつを自由に食べてよかったりと、戸惑うことも多かったようです。
「学校へは親が送迎」「下校時間が早い」日本の学校との違いを感じることも
――学校はどのように選ばれたのですか?
大木さん: 日本と同じで、住む場所によって学区が決まり、その学区の公立校に通うという形です。こちらでは家探しの段階で、まず学区から考えるという流れが主流なんです。
公立学校のスコア(生徒の平均成績のような指標)や、人種比率などがかなり明確に数値で公開されていて、ネット上でも閲覧できるので、そのようなデータや、現地の方の話をキャッチアップしながら、まずは住むエリアを絞っていきました。

――すごく合理的ですね。保護者が学校と関わる場面も多いですか?
大木さん:子どもたちは日本で私立小に通っていたので、親としても気が張るような場面もありました。でも、こちらでは親が学校に行く際も、みんなTシャツ・短パン・サンダルみたいにカジュアルな服装が基本です。ハロウィンや音楽会などのイベントもありますが、PTA活動というより「一緒に楽しみましょう」という雰囲気で、ほどよい気楽さがあって、移住してきたばかりでもすんなり受け入れてもらえています。
――通学はスクールバスを利用するのですか?
大木さん:アメリカだとスクールバスのイメージが強いかもしれませんが、ハワイでは基本的に親が学校まで車で送迎するのが主流です。学校のルールとしては子どもだけでの登下校もOKですし、敷地内に自転車置き場もあるのですが、「心配だから送迎する」という意識の保護者が多いようですね。
子どもたちは日本では片道1時間ほどかけて電車通学をしていたので、初めは「学校の目の前で降ろしてもらえるの?」とびっくりしていましたね。
こちらの学校は下校時間がだいたい14時30分くらいで、もっと早い日もあります。日本の学童のように、「A+(エープラス)」というアフタースクールがあり、共働きの家庭は、それらを利用して迎え時間を遅くすることも多いようです。息子の場合は今満員でウェイティングになっているので利用はできていません。
放課後、子どもたちが遊ぶ際も安全面や責任の問題から、親が付き添うというのが当たり前。日本であれば、ある程度子どもの年齢があがってくると小学生でも子どもだけで遊んだり登校・帰宅したりしますが、こちらは感覚が全然違うようです。
それに車社会なので、子どもだけで移動することはほぼありません。ルール上は13歳になればOKとされる面もあるようですが、それでも親が心配して送迎する家庭が多い印象です。

――休日はどんな過ごし方が多いですか?
大木さん:私自身の仕事でもあるので、週末はハワイの観光地に行ってみることが多いですね。海に行ったり、トレッキングをしたりと、家族4人で自然の中で過ごす時間も長くなりました。先日はホエールウォッチングに行きました。目の前でウミガメが泳いでいるところも見られて…みんなですごく感動しました。
多様性が当たり前に実現している環境の中で、子どもたちも柔軟に対応できるように
――移住してから、お子さんの変化や成長は感じますか?
大木さん:海やプールが身近なので、泳ぎや水との遊び方がどんどんうまくなりました。ボディボードをしたり、自然の中で遊んだりする時間も増えています。
それから、2人とも柔軟になった気がします。自分でできることが増え、その場に合わせて対応したりする姿に頼もしさを感じます。まだまだな部分もありますが、少し大人になってきたなと感じますね。
――ハワイで子育てをする中で、魅力的だと感じる点はどんなところにありますか?
大木さん:一番強く感じているのは、「多様性」が当たり前にある環境が実現されていることです。
私はアナウンサーを経て、令和トラベルという会社に転職し、「ダイバーシティ&インクルージョン(様々な違いを尊重し、それを組織や社会の中で生かし合う考え方)」を推進する仕事をしてきました。多様性を組織の中に入れていくことは企業にとって大切なんだということを勉強して、自分なりに理解していたんです。
でもハワイに移住して、子どもたちの学校を見たときに、これまで学んだ知識を、実際の環境が軽々と超え、体験として見ることのインパクトは大きかったですね。
子どもたちが通う学校はスパニッシュやアジア系の子がいたり、日本人がいたりすることも自然。引っ越してくる子が多い土地なので、第一言語が英語ではない子へのキャッチアップも学校側がすぐに手を打ってくれます。人種というバイアスを、子どもも大人もあまり持たずに過ごせる空気を感じますね。
これはハワイという地理的にも特殊な環境によるものなのかなと思います。教室で隣に座っている子と肌や髪、目の色が違うということに何の違和感もなく、お互いの存在を認め合うことができる環境に感銘を受けています。
日本でずっと生活してきた子どもたちもその環境になじんで、自分のやりたいことはやりたいと主張できているのが素晴らしいですし、よく頑張っているなと思いますね。
後編ではハワイ移住をきっかけに「主夫」となった、ご主人との関係についても伺いました!
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取材・文/平丸真梨子

