前編ではハワイでの子育てや暮らしについて伺いました!
夫は一晩考えて働き方を変えることを決断。現在の夫婦の役割分担は?
――大木さんのハワイ出向が決まったとき、ご夫婦ではどんな話し合いをされましたか?
大木さん:そのとき、夫は東京で仕事がありましたし、子どもたちは私立小学校に通っていました。ハワイ移住するとなると息子は休学が可能だけれど、娘は6年生なので学校を辞めなくてはならず、様々な選択肢を考えました。でも、子どもの年齢や性格を考えると、最終的には「4人が一緒にいたほうがいい」という結論になりました。
――ご主人が働き方を変えることになったのですね。
大木さん:夫は私のキャリアを尊重したいという気持ちより、どちらかと言えば「家族として」「親として」ハワイについていくべきだという思いが強かったように思いますね。一晩考えて覚悟を決めたようでした。
今は、東京での仕事を半分ほどに縮小し、リモートでできる仕事だけを続けています。こちらに移住してからは、食事づくりや子どもの送迎など、家事や育児全般を担ってくれています。

――東京にいる頃とはご夫婦の役割が変わり、大木さんの働き方や心境にも変化はありますか?
大木さん: すごく変わりました。東京にいた頃は夕方子どもが帰ってきて、習い事の段取りや食事の準備、連絡確認など、気持ちが落ち着かない時間が始まるんですよね。その時間はリモートであっても仕事に集中することはできませんでした。
でも今は、夫が家にいて家庭が回っている状態なので、夕飯の時間くらいまでは、じっくりと仕事に向き合うことができます。また、夜リモートで日本との仕事に戻るなど、かなりフレキシブルに働けています。
――ご主人は働き方の変化をどのように捉えていらっしゃいますか?
大木さん: 実は私は、こちらに来る前は子どものことよりも、夫のことを心配していました。私は海外旅行が好きで今の会社に転職したほどですが、夫は英語も得意ではないし、海外での滞在に不自由さを感じるタイプだったので、ふさぎ込んでしまわないかと…。
でも、今は新しい暮らしを楽しみ始めているように感じます。料理も最初はシンプルで、子どもたちが容赦なく「これだけ!?」なんて言うこともありましたが、最近は得意料理ができてきたり、「今日は鶏肉を使い切らなきゃ」と言い始めたりして(笑)。
日本では学校などの連絡も習い事も、料理も、私が抱え込みがちでした。でも夫が主体的に回す側になると、見える世界が変わるんだなと感じます。もしまた将来、東京で共働きに戻ったとしても、お互いに「回す側」を経験したことで、家事の分担や助け合い方が変わる気がしています。
夫が「これまでは仕事に没頭し、家族に支えられてばかりの人生だった。今回ハワイで初めて自分が“家族をサポートする側”に回る経験をして、妻がこれまで担ってくれていたことの大きさを痛感するとともに、自分にも誰かを支える喜びがあるのだと気づいた」と言ってくれたのが印象に残っています。
これまでと役割分担が変わり、家族がチームになった!
――ご主人も環境の変化に柔軟に対応されているのですね。
大木さん: 苦手な英語もAIのアプリを使って対応しているようです。こちらでは電話での手続きも多いのですが、意外とそれもアプリでなんとかなるようで(笑)。日本人のコミュニティもあり、「パパ友」もできて、孤独になりすぎずに過ごせていると思います。

――大木さん自身はご主人が働き方を変えるということに不安はありませんでしたか?
大木さん: 私は日本の固定概念に縛られていて、「夫のキャリアは優先しなければいけない」という思い込みがあったと思います。産休・育休でキャリアを中断するのはいつも私でしたし、アナウンサーの仕事では、そのたびにレギュラー番組を手放さなければいけないことも多かったです。今回、これまでとは違う選択肢を取ってみて、お互いの気づきは大きかったですね。
――役割が変わると、夫婦でぶつかることも増えそうですが……。
大木さん: ハワイに来てから大きなケンカはしていません。感情的にぶつかるよりも「どう解決するか」を2人で話す感じになっています。協力して、解決策を考えるほうに意識が向いているかもしれませんね。
新たな環境の中で、家族で過ごす時間も長いので、いいチームになっているという実感があります。
今後は新しい環境を生かして、家族それぞれが一歩を踏み出してほしい
――ハワイでの働き方で日本と違うと感じるところはありますか?
大木さん: いわゆる「ハワイアンタイム」といわれるような、日本と違う時間の緩やかさにカルチャーショックを受けることもありますが、楽しく働いています。夕方16時〜17時には退勤する人が多いですし、みんな車通勤なので、日本にいるときの通勤スタイルとは全然違いますね。
――ハワイでの暮らしで大変なことはありますか?
大木さん: 日本でもよく報じられているように、物価は高いです。とはいえ、今住んでいるエリアは近くにレストランがたくさんあるわけではないので、家で食事をすることが多く、東京で外食をしていた頃に比べても実は食費は変わっていないかもしれません。ただ、日本の食材の価格は3倍くらいするので、日本から来る友人に頼んで持ってきてもらうことも多いです。

――今後、やってみたいことはありますか?
大木さん: 移住してから4か月ほどたち、やっと生活も落ち着いてきたので、それぞれの世界が広がる挑戦をしていけたらいいなと思っています。
息子はフラッグフットボールのチームへの加入、娘は興味のあるプログラミング講座に通うことを検討中です。これまでのように家族4人で週末をのんびり過ごすのも楽しいですが、この環境を生かして1歩を踏み出していきたいです。
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日本とは異なる新しい環境の中で、ご家族がそれぞれ楽しんで生活を送られている様子が印象的だった大木さん。夫婦の役割分担や働き方などは、「これが当たり前」という固定観念に縛られず考えていくことで、お互いがより自分らしく生きられるのではないかと感じたインタビューでした。
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取材・文/平丸真梨子

