夏に注意したい子どもの「鉄板やけど」。公園の遊具、意外なマンションの設備で…。知っておきたい注意点と対応【専門医監修】 

2026年の夏は、全国的に暑くなると予測されています。夏の外遊びやお出かけで注意したいのが「鉄板やけど」です。なかには直射日光で熱せられた鉄板に足をつけてしまい、皮膚に鉄板の模様がくっきりついてしまった子どもも。「鉄板やけど」を診察したことがある、小児科医 山中龍宏先生に、やけどをした状況や鉄板や屋外遊具のやけどから子どもを守るポイントをうかがいました。

1歳2か月の子どもが、大型船のオープンデッキで遊んでいて鉄板やけど

――山中先生は、以前、鉄板やけどをした子どもを診察されたことがあるそうですが、そのときのことを教えてください。

山中先生 鉄板やけどで診察したのは、1歳2か月の女の子です。家族で大型船のオープンデッキで遊んでいて、やけどをしたそうです。帰宅後、子どもの足を見たら鉄板の模様がくっきりついているので、急いで当院に来ました。

お母さんから話を聞くと、「泣いたりしなかったので、やけどに気づかなかった」と言っていました。子どもはオープンデッキの鉄板のところで遊んでいたそうです。 診察すると、やけどはⅠ度。鉄板の模様がくっきりついていましたが、処方した薬を塗って傷跡は残りませんでした。

乳幼児は皮膚が薄く、「熱い!」と思ってもすぐに体を離せない

山中先生 日焼けによるやけどと同じように、時間が経ってから赤くなって鉄板の模様が現れたのでしょう。

乳幼児は大人よりも皮膚が薄く、鉄板などに触って「熱い!」と思っても、とっさに体を離すことができないため、深いやけどになりやすいです。また転ぶと手をついて起き上がろうとするため、手のひらに深いやけどを負ってしまうこともあります。

とっさに体を離せるようになるのは、3歳頃からと考えてください。

ほかには屋外の立体駐車場の鉄製の床の上で転んでやけどをした子どももいるので、特に歩行が安定していない、転びやすい時期は、より注意が必要です。鉄板だけでなく、ベランダやコンクリートの上でやけどをすることもあります。

避難はしごが収納されている金属でやけどをした子どもも

【鉄板やコンクリートによるやけどの事例】

●自宅のベランダから1歳の子どもの泣き声が聞こえ、母親が駆けつけると子どもが左足を痛がっていた。避難はしごが入っている金属の板の上に、裸足で立ってやけどをした。

●1歳の子どもが母親とベランダに出た。 母親は靴を履いていたが子どもは裸足であった。急に子どもが泣きだし、右足の裏に水ぶくれがあったので受診するとやけどをしていた。ベランダはコンクリートで日当たりが良く、かなり熱くなっていた。

(共に独立行政法人国民生活センター 第221号 子ども・若者サポート情報より)

公園の遊具も45度以上だと、やけどの危険が

――夏は、滑り台なども直射日光を浴びて熱くなっています。ある調査では、8月の14時の公園(最高気温37.8度・最低気温28.4度の晴れの日)で遊具の温度を測ったところ、タイヤは61度、ブランコは46度、滑り台は49度、鉄棒は47度でした。

山中先生 45度以上あれば、やけどの危険があると思ってください。40度でも、座り込んだまま遊び続けると低温やけどをする可能性があります。

――遊具や鉄板などによるやけどを防ぐには、どうしたらよいのでしょうか。

山中先生 “熱い”というのは、目で見ただけではわかりづらいです。そのためママ・パパがやけどのリスクがある危険な場所を把握して、子どもが近づかないようにすることが大切です。自宅では、日よけを付けたり、ベランダや外に出るときは靴やサンダルを履かせるなどして対策をしましょう。

屋外でやけどをしたら、冷たいペットボトル飲料などで患部を冷やすことが第一

――屋外でやけどをしたときのケアについて教えてください。

山中先生 水で冷やすことが第一です。水道水(流水)で10分ぐらい患部を冷やしてください。(熱湯などによる高温やけどで、衣類と皮膚がくっついている場合は、洋服の上から水で冷やします。皮膚がめくれてしまうので、衣類は脱がさないでください)。

屋外で水道水がないときは、自動販売機などで冷たいペットボトル飲料を購入して、患部に当てて冷やしましょう。冷やしたら受診してください。

足の裏をやけどしたときは、傷口が悪化しないように歩かせないようにして、抱っこやおんぶ、ベビーカーなどで医療機関に行ってください。

診察時間外でも受診するやけどの目安は次の通りです。いつもと呼吸が違う・呼吸が苦しそうなときは、急いで救急車を呼びましょう。

□やけどの範囲が、子どもの手のひらより広い

□水ぶくれができた

□皮膚がジュクジュクしている

□口の周り、顔、関節、性器をやけどした

□やけどした部分が黒い・白い

□いつもと呼吸が違う・呼吸が苦しそう

記事監修
山中龍宏先生
小児科医。1985年プールの排水口に吸い込まれた中学生を看取ったことから、子どもの事故予防に取り組み始める。現在、こども家庭庁 教育・保育施設等における重大事故防止策を考える有識者会議委員、NPO法人Safe Kids Japan顧問を務める。

この記事を書いたのは

麻生珠恵 ライター

子育てや子どもの病気、事故を中心に取材・執筆を行う。情報発信によって、病気の予防・早期発見、事故予防につながる記事作りを心がけています。2 人の子どもがいます。

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