「明日、金曜日?」スウェーデンだけどタコスを食べて、ソファでのんびり。小さな楽しみを待つ週末時間【北欧パパと日本で子育てvol.23】

こんにちは。ライター・エッセイストの桒原さやかです。この連載ではスウェーデン人夫と日本で子育てしている日々のこと、子育てしながら気がついたことや考えたこと、またそれをわたしがどう捉えているのかというところまで書いていけたらと思っています。どうぞよろしくお願いします。

連載23話目は、金曜日の夜の過ごし方について。スウェーデン流の楽しみ方をご紹介します。

小さな楽しみを貯める

木曜日になると、子どもたちが聞いてきます。

「明日、金曜日?」

我が家の子どもたちにとって、金曜日はちょっと特別な日。面白そうな映画を見つけても、すぐには見ません。

「これ、金曜日に見るからとっておこう」

そんなふうに、我が家では小さな楽しみを一週間かけて貯めていくのです。

小さな楽しみには、名前があった

実は、この「金曜日を楽しみに待つ」感覚には、ちゃんと名前があります。スウェーデンでは、金曜日の家時間を「Fredagsmys(フレーダグスミース)」と呼びます。直訳すると、「金曜日のくつろぎ時間」。

少し早めに仕事を終え、簡単な夕飯を囲みながら、家族でのんびり過ごす。そんな週末のはじまりなのです。

スウェーデンなのに、タコス?

この日の夕飯は、とことん「食べたいもの」を楽しみます。

定番は、なんとタコス。

スウェーデンなのにタコス? と驚かれるのですが、日本のカレーライスのように、大人も子どもも大好きなメニューです。しかも、具材を並べるだけで気軽に楽しめるのも魅力。スーパーでは木曜日になるとタコスセットが特売になるほど、金曜日の食卓には欠かせない存在なのです。

我が家でも金曜日の夜は、家族みんなの好きなメニューが定番です。タコスの日もあれば、たこ焼きや春巻き、カレーライスの日もあります。

タコスに果物を入れるのがスウェーデン流。我が家の子どもたちもバナナとオレンジ入りのタコスが大好きです。

ソファではじまる週末

簡単な食事を済ませたら、ポテトチップスやポップコーン、そして飲み物を用意してソファに座り、家族で映画やテレビを見ます。

「今日は何を見る?」
「ブランケット持ってきて!」

そんな何気ないやり取りをしながら、みんなでソファにぎゅうぎゅうに座る時間も、Fredagsmysの楽しみのひとつです。

「明日、金曜日?」

金曜日は週末のはじまり。明日のことを考えなくてもいい日。

普段は8時くらいに寝る子どもたちも、この日はちょっと夜更かしをしてもいいことにしています。

「あと一本だけ見てもいい?」

そんな声に、「今日はいいよ」と答えるのも、金曜日ならではです。


豪華なごちそうはないし、これといったことをするわけでもありません。ただ家族でテレビを見て、お菓子を食べて、のんびりするだけ。

でも、そんな小さな楽しみがあるから、何でもない一週間も少し特別になる気がするのです。

だから今週もきっと、木曜日になると子どもたちはこう聞いてくるでしょう。

「明日、金曜日?」

金曜日の夜は、自然とみんなソファに集まるので、ぎゅうぎゅうになります。

前回の話はこちら

座ったままのスウェーデン人夫と立ち上がる私——「今は大人の時間だよ」。子どもが退屈でも、すぐには動かない【北欧パパと日本で子育てvol.22】
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北欧パパと日本で子育て

プロフィール

桒原さやか ライター・エッセイスト

イケア勤務を経て、ウェブメディア&ショップ「北欧、暮らしの道具店」の初期スタッフとして約6年間働く。その後、スウェーデン人の夫である、オリバー・ルンドクイスト氏と一緒にノルウェーのトロムソに移住。1年半滞在したのち帰国し、現在は長野県松本市に在住。著書に『北欧で見つけた気持ちが軽くなる暮らし』(ワニブックス)、『北欧の日常、自分の暮らし』(ワニブックス)、夫との共著書に『家族が笑顔になる北欧流の暮らし方』(オレンジページ)がある。
自家焙煎のコーヒー豆と小冊子のお店「Hej Hej COFFEE(ヘイヘイコーヒー)」はじめました。

文・構成・写真/桒原さやか

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