“NISA貧乏”は子育て世帯ほど陥りやすい! 「新NISAしてるのに毎月カツカツ…」を防ぐ方法をパパFPが指南

家計を見直す夫婦

「子どもの将来のために」と始めた新NISA。でも続けてみると、なぜか毎月の家計がギリギリ。新NISAが始まって3年目。SNSでは「NISA貧乏」が話題になっています。投資しているのに生活が苦しい。とくに子育て世帯は教育費や生活費を支払って、さらに積立投資となるとNISA貧乏になりがちです。この記事では、その原因と無理なく続けるコツを解説します。

NISA貧乏とは? SNSで広がる新しいお金の悩み

ショックを受ける夫婦

「NISA貧乏」とは、ざっくり言うと”新NISAの積立投資にお金を回しすぎて、今の生活が苦しくなってしまう状態“のことです。

将来のために頑張っているけど、日々の生活はカツカツという現実に直面しています。まじめに資産形成へ取り組む人ほど陥りやすいのが、NISA貧乏の特徴です。

「投資しているのに苦しい」NISA貧乏が生まれる構造

新NISAは2024年にスタートし、非課税で投資できる枠が大きく広がりました。

「使わないともったいない」「枠はできるだけ埋めたほうが将来安心」そんな情報につい気合いが入る人も多いはず。でも、ここに落とし穴が。

投資に回したお金は手元からなくなり、今すぐ使える生活費が減ります。長期でコツコツ増やすのがNISAの基本なので、一度積み立てたお金はすぐには引き出しにくいものです。

将来の安心のために頑張った結果、家計が逼迫(ひっぱく)。これがNISA貧乏の正体なんですね。

子育て家庭がNISA貧乏に陥る原因

NISA貧乏は誰にでも起こりうるものですが、とりわけ子育て家庭は要注意。子育て世帯は「決まった出費」がとにかく多いからです。

保育料や習い事の月謝、食費など、子どもの成長とともにお金のかかるポイントは次々と増えていきます。しかも、急な病気や予定外の出費もつきものです。そんな状況で毎月の積立額を高めに設定すると、家計のバランスはあっという間に崩れます。

「将来のために、ちゃんと積み立てしなきゃ」という気持ちが強い人ほどNISA貧乏になりがちです。

子育て世帯のリアル。積立はしたいけど、お金が足りない

NISAで積立投資しているイメージ

2027年からは「こどもNISA」が開始される予定です。子育て世帯の場合、新NISAにプラスした投資により「NISA貧乏」になるリスクが高まります。

以前、HugKumが実施した「こどもNISA」のアンケート調査からは、「投資への前向きな気持ち」と「現実のお財布事情」のあいだで揺れるリアルな声が見えてきました。

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約7割がこどもNISAに前向きでありつつも、積立額の設定に迷い

HugKumが子育て世帯を対象にしたアンケート調査では、約7割もの家庭が、こどもNISAを「利用したい」「検討したい」と前向きに回答。早めに資産形成を始めたい家庭が多いことがうかがえます。

「毎月いくら積み立てる?」という質問では「5,000円〜9,999円」が21%で最多。一方で、「わからない」と回答した人が19%いることから、積立額の設定に悩んでいる家庭も多いことがわかりました。

「もっと積み立てたい」気持ちが暮らしを圧迫する、両立の難しさ

じつは、前向きな気持ちが強い家庭ほどNISA貧乏になるリスクがあります。「子どものために少しでも多く」と思うあまり、生活費を削ってまで積立額を増やしてしまいがちです。

HugKumの調査では、こどもNISAで毎月「1万円以上」の積立を希望する家庭が27%いました。意欲はすばらしいですが、今の収入や暮らしとのバランスを欠くと、毎月の家計はじわじわ圧迫されていきます。

あれもこれもと備えを増やすほど、手元のお金は減ります。投資への意欲と日々の暮らしをどう両立させるか。これが、多くの子育て家庭にとって最大の壁です。

NISA貧乏に陥りやすい、子育て家庭の3つのパターン

家族で家計の見直し

「自分は大丈夫」と思っていても、気づかないうちにNISA貧乏に近づいているかも。子育て家庭が陥りやすい代表的な3つのパターンを紹介します。

当てはまるものがないか、チェックしてみてくださいね。

パターン①「とにかく多く積み立てれば安心」思考

「少ないより、多く積み立てたほうが将来安心」その気持ちはよくわかります。でも、収入に見合わない金額を無理に積み立てると、待っているのは毎月カツカツの生活。

とくに子どもが小さいうちは予想外の出費が次々と発生する可能性があります。生活費に余裕がないと、せっかくのNISAを取り崩したくなることも。「頑張っているのに、なぜか苦しい」状態は、この積み立てすぎから生じます。

パターン②目的と目標額が曖昧なまま積み立てている

「将来のために、できるだけ多く積み立てたい!」このように、具体的な目的や目標金額がないまま積立を始めていませんか? じつはこれ、NISA貧乏の隠れた原因のひとつです。

「何にいくら必要で、いつ使うのか」がはっきりしないまま積み立てると、毎月の金額に根拠がなく、多すぎても少なすぎても不安が残ってしまいます。

調査でも「積み立てたお金を、いつ使えるのかわからない」という声が挙がっていました。教育費は子どもの進路によって必要な額もタイミングも変わるもの。まずは「いつ、いくらくらい必要か」というゴールをざっくり描いておくことが、ムダのない積立への第一歩です。

パターン③成長とともに生活費が増えているのに積立額を見直していない

NISAを始めた当初は、ちょうどよい金額だったかもしれません。しかし、子どもはぐんぐん成長し、それにともない生活費も増えていきます。たとえば、習い事が増えたり、食べる量が増えたり、学校関連の費用がかかったりしますよね。

スタート時の家計を基準にしたまま積立額を見直さずにいると、いつのまにか家計がじわじわ締め付けられます。「気づいたら余裕がなくなっていた」を防ぐには積立額の定期的な見直しが欠かせません。

NISA貧乏を防ぐ! 子育て家庭が押さえたい無理なく続ける積立の考え方

ポイントを解説する女性

NISA貧乏は、ちょっとした考え方の工夫で防げます。生活を犠牲にせず、長く続けるための3つのポイントを見ていきましょう。

まず「生活防衛資金」を確保してから積立額を決める

投資を始める前に用意しておきたいのが「生活防衛資金」です。万が一のときのために手元に残しておくお金のことで、生活費の6ヶ月〜1年分ほどが目安です。

この備えが薄いと、いざというときにNISAを取り崩すことになり、長期で増やす本来のメリットを活かせません。すぐ使えるお金を先に確保してから、残った余裕の中で積立額を考える。この順番がとても大切です。

「いくら必要か」から逆算する、家庭に合った積立額の決め方

積立額は「出せるだけ出す」ではなく「目標から逆算して決める」のが基本です。

たとえば「大学入学までに200万円貯めたい」と決めたら、今の子どもの年齢から残りの年数を割り出し、毎月いくら必要かが自然と見えてきます。

金融庁の「つみたてシミュレーター」を使って、いつまでにいくら必要か、そのためには毎月いくらの積立が必要かシミュレーションしてみましょう。

ゴールから逆算した数字なら、迷いも不安もぐっと減ります。まずは家計簿アプリなどで、今の収支をざっくり把握するところから始めてみてくださいね。

積立額は変えていい。年に一度の家計見直し習慣

「積立額を設定したら、それを続けなければいけない」と義務感を抱いている人もいるでしょう。

しかし、無理な積立により、今の生活を犠牲にするのはおすすめしません。「一度決めたら変えちゃいけない」という思い込みが、NISA貧乏の原因になります。

  • 収入が増えたら上げる
  • 教育費がかさむ時期は一時的に下げる

このように積立額を調整しながら、最終的に目標金額を達成できれば問題ありません。積立額を家庭の状況に合わせて柔軟に変えられるのが新NISAやこどもNISAの良いところです。

年に一度、評価額(元本+損益)の確認や積立額の見直しを行うことで、無理のない資産形成ができます。

まとめ

「将来のために、ちゃんと備えなきゃ」という意識が高い人ほど、NISA貧乏に陥りやすくなります。大切なのは、今の暮らしと将来の備えのバランスを取ることです。

まずは生活防衛資金を確保し、教育費のゴールから積立額を逆算して、無理なく続けられる仕組みをつくっていきましょう。

NISAは家族や自分自身の未来を豊かにする手段であって、目的ではありません。今の生活を楽しみながら、家庭に合ったペースで賢く付き合えるといいですね。

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記事執筆

もにゅら ファイナンシャルプランナー

独立系ファイナンシャルプランナー(FP)として執筆業を中心に活動中。2児の父親でもあり、家計や資産形成に関する執筆が得意。また、マンションの売買も経験しており、実体験に基づいたライティングを強みとしている。各種金融メディアでの執筆・監修業のほか、自身のメディアとして「もにゅら親子の節約ブログ」「もにゅらのクリプト部屋」を運営中。

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