【カリスマ小児科医に聞く!アトピーの症状】子供のアトピー性皮膚炎、 成長によって症状は違う?見分け方は?悪化する要因など

慢性的なかゆみに悩まされるアトピー性皮膚炎。子供のアトピーには、どんな症状がみられるのでしょうか。また年齢によって症状に違いはあるのでしょうか。

日経CNBC「時代のニューウェーブ」にて、時代のニューリーダーに選ばれたカリスマ小児科医・北浜こどもクリニックの北浜直院長に、子供のアトピーの症状についてお話を伺ってきました。

北浜こどもクリニック 北浜直院長
北浜こどもクリニック 北浜直院長

 

赤ちゃん(新生児)のアトピーの症状と見分け方

アトピーの定義は、「適切なスキンケアや治療をしても、湿疹が半年以上続く場合」です。生後28日までの赤ちゃん(新生児)の湿疹や肌荒れなどの原因は、まだアトピーと診断できません。

乳児湿疹

乳児湿疹とは、肌荒れのことですので、アトピーではありません。肌が荒れてしまうと、肌を守るバリアがない状態になってしまいます。すると、荒れたところから異物が入ってきてしまい、悪化してしまうこともあります。

肌荒れの症状が出やすい場所

口の周りや首の周り、その他折れ曲がるところに出やすくなります。

肌が赤くなる症状

街で見かける赤ちゃんの中には、湿疹で口の周りが赤い子がいますよね。よだれや汗、汚れが原因で湿疹ができてしまうので、それを取るだけでよくなる場合もあります。体から出る汚れもしっかりキレイにしてあげることが大切です。

子供(幼児・学童)のアトピーの症状と見分け方

子供(幼児・学童)のアトピーの症状にはさまざまな特徴があります。症状と見分け方についていくつかの例を紹介します。

見分け方

先にお伝えした通り、きちんとしたスキンケアや治療をしても、湿疹が半年以上続く場合は、アトピーの可能性があります。信頼のおける小児科医に診断を仰ぎましょう。

痒みが出たり、肌がごわつく症状

アトピーの炎症は、痒み成分を出しているので、痒くて皮膚を掻いてしまいます。肌を掻くことによって肌バリアが壊れ、さらに悪化するという悪循環を起こしてしまうこともあります。また、肌のごわつきもアトピーの特徴のひとつとされています。

症状が出やすい場所

赤ちゃん(新生児)は、口の周りなどの柔らかい部分に出やすいですが、大きくなってくると、皮膚の外側に出やすくなります。

子供のアトピー、症状の段階

アトピーの症状は、臨床診断によって大きく4段階にわけることができます。

軽微

肌が赤くなる

軽症

小さいブツブツが出る、掻いた痕がわかる

中等症

皮膚が厚くなる、皮がカサカサむける

重症

じゅくじゅくして、分泌液が出ていて、電解質のバランスも崩れている状態です。電解質のバランスが崩れると命に関わる可能性もあるので、場合によっては入院してもらうこともあります。
その他、アレルギーマーチと言って、「喘息」「食物アレルギー」「アトピー性皮膚炎」の3大アレルギーがリンクして起きてしまう場合もあります。

子供のアトピー、症状が悪化する要因

子供のアトピーの症状が悪化してしまう要因には、さまざまなものが考えられます。

もともとの体質

軽症だったのに放置したから重症化してしまう、という場合だけではなく、もともと持っているアトピー素因や本人のポテンシャルによって、発症当初から重症化してしまう人もいます。

スキンケア不足

日々のスキンケアが不足してしまったことにより、肌にバリアがない状態を作ってしまい、症状を悪化させてしまうこともあります。

原因物質が過剰

大気汚染やハウスダストが過剰など、環境が悪すぎる場合も症状が悪化します。

治療についての理解不足

薬物療法への間違った知識によって、適切な治療を受けていない場合も症状の悪化につながります。

治療についての説明不足

医師による治療の説明不足によって、必要な通院を行わないなど、円滑に治療が進まずに症状を悪化させてしまう場合もあります。

アトピーの症状はさまざま

ひと口にアトピーの症状と言っても、一人ひとりによって症状はさまざまです。症状の変化を観察し、適切な治療を受けることが重要です。

 

記事監修

北浜 直|小児科医

神奈川県川崎市・北浜こどもクリニック院長。
1976年生まれ、埼玉県出身。2002年聖マリアンナ医科大学卒業。2006年からは山王病院の新生児科医長務める。2010年に北浜こどもクリニックを開院。2012年医療法人社団ペルセウス設立。The Japan Times誌の「アジアのリーダー100人」に、2015年から3年連続選出されている

文・構成/HugKum編集部

編集部おすすめ

関連記事