気管支ぜんそく、 受診の目安や治療、ホームケアについて解説【小児科医監修】

「気管支ぜんそく」はこんな病気!

ふだんは元気にしていても、発作が起こると呼吸が苦しくなったり、せき込んだりします。子どものぜんそくの場合には、症状の発見が遅れて重症化することもあるので、油断せずに様子を見守り、早めの受診とケアが必要です。

おもな症状と原因

子どもの気管支ぜんそくは、具体的にどんな症状が現れるのでしょうか。またここでは原因についても見ていきます。

呼吸が苦しくなる発作をくり返す

気管支に慢性的な炎症が起こり、呼吸が苦しくなる発作をくり返します。発作が起こると、息を吐くときにゼイゼイ、ヒューヒューと音(ぜん鳴)がしたり、激しくせき込んだりします。アレルギー反応によって起こる「アトピー型」が多く見られますが、そのほかにもいくつかのタイプがあります。3歳ぐらいまでの子どもの場合はRSウイルスなどの感染が関係するものが多く、それ以降はアトピー型が増えていきます。

発作を防ぐためにできること

重症化すると呼吸困難といった症状をひきおこすぜんそく。発作を防ぐためにどんなことに注意したらよいでしょうか。

発作のきっかけとなる刺激を防ぐ

ぜんそくの発作は、炎症を起こして敏感になっている気管支が刺激されることで起こります。発作を防ぐためには、発作の原因を遠ざけることが大切です。
アトピー型の場合、ダニやハウスダスト、ペットの毛などがアレルゲン(アレルギーの原因物質)であることが多いようです。アトピー型以外にも共通するものとしては、かぜなどの感染症や運動、急な気温の変化、空気の汚れなどがあります。気管支の炎症を改善していくためには、薬を正しく使うことに加え、生活の中の原因を見極め、事前に発作を防ぐ工夫を続けることも大切です。

ホームケアで注意すること

発作を起こした際のホームケアでは、どんなことに注意したらよいでしょうか。

激しい発作を起こした場合は病院へ

病院で処方される薬を正しく使い、症状をコントロールすることが大切です。発作を起こしたときは、寝かせるとかえって呼吸がしにくくなります。すわらせて体を支え、上体を起こした姿勢を保ちましょう。ゆっくりと腹式呼吸をさせ、飲めるようなら少しずつ水分補給を。処方された薬がある場合は、薬を飲んだり吸入したりしたうえで、そばを離れずに様子を見守ります。激しい発作を起こした場合は、すぐに受診しましょう。(受診の目安参照)

受診の目安

こんな症状が出たら受診が必要です。手遅れにならないために、子どもの様子をしっかり見極めることが大切です。

ぜん鳴、せき込み

 →「ホームケア」の対処をして改善しなければ病院へ

ぜん鳴、せき込みに加え、息を吸うときに胸がへこむ など

→すぐに病院へ

唇が紫色、呼吸が苦しく話ができない、呼びかけても反応がない など

→救急車で病院へ

小児科医の先生からのメッセージ

アスリートにも、ぜんそくの人は多くいます。時間はかかりますが、きちんと治療すれば、十分に症状をコントロールしていくことができる病気です。

過度に怖がらず、しかしきちんと対処と取り組みをいながら、成長に応じて少しずつ体力づくりをしていきましょう。

監修/澁谷紀子先生
総合母子保健センター 愛育クリニック 小児科・母子保健科部長
小児科専門医、アレルギー専門医。東京大学医学部卒業。東大病院、山王病院、NTT東日本関東病院小児科などを経て現職。4人の女の子の母でもある。

出典/『新 幼児と保育』 文/野口久美子 再構成/HugKum編集部

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