歯を磨くように、散歩をする夫
私は「時間があったら散歩しよう」と思うタイプです。でも、スウェーデン人の夫はちょっと違います。仕事の日でも、毎日30分ほど散歩に出かけるのです。近所の住宅街をさくさく歩いて、畑の道を通り過ぎて、家に帰ってきます。
まるで歯を磨くみたいに、当たり前のように出かけていくのです。
ある日夫に聞いてみました。
「なんで毎日続けられるの?仕事の区切りがついてない日もあるでしょ?」 すると、「仕事がおわっていない日ももちろんあるけど、ただ必要だから歩いているだけ」とあっさりした答えが返ってきたのでした。

「あとで」ではなく「先に」
ノルウェーで冬を過ごしたときのことです。寒くて暗い日が続き、私自身ズーンと気持ちが沈んでいました。
そんな中、ご近所さんは毎日のようにジャケットを羽織って外へ出かけていました。晴れの日も、雨の日も、雪の日も……。どんな天気でも、どんな寒さでも、とにかく歩くのです。
寒くて暗い冬に心もカラダも健康に過ごすための、小さな、でも大切な習慣のように感じました。私がおどろいたのは、体を動かすアクティブさではありません。
時間があったらではなく、自分に必要な時間を先に暮らしの中へ入れていることでした。


時間ができたら……は、やってこないかも?
私はずっと、「時間ができたら、散歩しよう」「時間ができたら、本を読もう」と思ってきました。 でも、その”時間ができたら”は、なかなかやってこないことも、ようやくわかってきたところなのです。
だから今日も、やること山積みのデスクから離れて、まずは散歩にでも出かけようと思います。

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プロフィール
イケア勤務を経て、ウェブメディア&ショップ「北欧、暮らしの道具店」の初期スタッフとして約6年間働く。その後、スウェーデン人の夫である、オリバー・ルンドクイスト氏と一緒にノルウェーのトロムソに移住。1年半滞在したのち帰国し、現在は長野県松本市に在住。著書に『北欧で見つけた気持ちが軽くなる暮らし』(ワニブックス)、『北欧の日常、自分の暮らし』(ワニブックス)、夫との共著書に『家族が笑顔になる北欧流の暮らし方』(オレンジページ)がある。
自家焙煎のコーヒー豆と小冊子のお店「Hej Hej COFFEE(ヘイヘイコーヒー)」はじめました。
文・構成・写真/桒原さやか
