花粉症の小1息子、注目の【舌下免疫治療】にトライ!ママライターの花粉症治療レポート

小一と3歳の男児二人のママ、ライターOです。昨年の春くらいから、長男に「もしかしてうちの子花粉症かも…」と思うような症状が現れ出し、今年の春、なんと花粉症からの副鼻腔炎に。夜も寝苦しそうだし、目も顔も腫れてしまうし、もうこれはなんとかしないといけない!と思い、舌下免疫治療を検討。祐天寺ファミリークリニックの西凛先生に相談に行きました!

花粉症の治療法として注目!【舌下免疫療法】は子供もできる?薬はにがい?

まずはきちんと血液検査でアレルギーを調べることが必要

ライターO:「西先生、舌下免疫治療について教えてください」

西先生:「舌下免疫治療は、舌の下にアレルゲンのお薬を入れてアレルギー物質に対する免疫をつけていくことを言います。このクリニックで行なっている舌下免疫治療は、スギ花粉とハウスダスト(ダニ)の2種類です」

ライターO:「どんな流れで治療をするんですか?お薬は苦いですか?」

西先生:「はじめに血液検査をしてもらいます。それで、どんなアレルゲンに反応しているか、そのアレルゲンに対してどれくらいアレルギー反応があるのかをチェックして、スギ花粉アレルギーだということがわかった上で、スギ花粉専用の舌下免疫治療を行います。お薬は苦くないですよ。舌の下に入れるので、ほとんど味は感じないと思います」

ライターO:「なるほど、最初に血液検査が必要なのですね。薬が苦くないっていうのも、子どもが続けられそうな予感がします」

西先生:「血液検査をしないと、自分はスギ花粉のアレルギーだと思っていたけど、実はハウスダストアレルギーだったということもありますから、きちんと調べる必要があるんです」

ライターO:「確かに…私もアレルギー体質で血液検査をしてみたら、ハウスダストの他に犬がダメだったという結果が出ていたので、調べてよかったと思いました」

西先生:「思い込んでるところもあるので、きちんと調べてくださいね。検査結果は1週間くらいで出ますよ」

舌下免疫療法はアレルギー症状が重度の方向け。治療は5歳からOK!

西先生:「ちなみに抗アレルギー薬を飲んでも花粉症の症状は出てしまいましたか?」

ライターO:「はい。去年から花粉症かも…と思っていたので、耳鼻科でアレルギーのお薬はもらっていました。きちんと飲ませていたにも関わらず、今年の春は夜は寝苦しそうだし、目も腫れてしまうし、副鼻腔炎にもなってしまって…抗生物質を飲みながら通院したりと大変だったんです」

西先生:「抗アレルギー薬を飲んで症状が出なくなる程度でしたら、舌下免疫治療はやらなくてもいいと思います。3〜5年と長期に渡る治療になるので、お薬で症状が抑えられるのであればそれで様子を見るようにしてください。ただし、抗アレルギー薬を飲ませていても、副鼻腔炎になってしまったり、夜眠れないような症状になってしまっているお子さんは、舌下免疫治療をしても良いと思います。5歳から治療は」

ライターO:「なるほど。じゃ、うちの子はとりあえず患者として適しているかもしれないということですね」

西先生:「はい。血液検査でスギ花粉に反応しているという結果が出れば、十分舌下免疫治療を行うメリットはあると思います」

一週間後の検査の結果・・・やはりスギ花粉が高い数値で反応

ライターO:「西先生、うちの子どうでしたか?」

西先生:「検査結果を見ると、やっぱりスギ花粉に反応しているようですね」

ライターO:「やっぱり…すごい数値が出てますね」

西先生:「では、舌下免疫治療を始めてみますか?」

ライターO:「はい!お願いします」

アレルゲンが入った薬を舌の下に入れる

西先生:「はじめは『シダキュア2,000JAU錠』というアレルゲンが入ったお薬を1週間試します。2週目からは、『シダキュア5,000JAU錠』というアレルゲンの含有率の高いお薬を続けていきます。早速ですが、『シダキュア2,000JAU錠』を舌の下に入れてみましょうか。はじめの一ヶ月は、抗アレルギー薬と併用してみてくださいね」

ライターO:「アレルギーのお薬と一緒に飲んでいいんですか?」

西先生:「もちろんです。はじめは口の中がチクチクしたり、耳が痒くなったり、喉がイガイガする症状が出やすいので、我慢せずにアレルギーのお薬を合わせて使っていきましょう」

ライターO:「安心しました」

治療後の流れ

初めて「シダキュア2,000JAU錠」を服用する時は、病院で服用して30分以上様子をみました。服用してもアナフィラキシー反応(湿疹、全身の痒み、息苦しいなどの症状)が出ないことを確認したら、翌日から自宅で服用していきます。

最初は1週間飲んだら経過を先生に診ていただき、2週目からは「シダキュア5,000JAU錠」とアレルゲンの量を増やし、その後問題がなければ月に1回の通院で、3〜5年間治療を続けます。

お薬を舌の下に入れる時の注意点

・1日1回1錠

・薬は濡れた手で触らない

・舌の下に入れたら、1分間は飲み込まない

・1分経過したら、その後5分間は飲食やうがいを避ける

・間違って服用してしまった場合は、続けて飲まずに翌日に正しい方法で服用する

・服用後は、2時間以上激しい運動・入浴は避ける

お薬を飲む時間は、アナフィラキシー症状が出てしまった時でも、すぐに病院へ行ける朝や昼間の時間がベストだそうです。

しかし、うちはなんといってもじっとしていられない一年生(涙)。すぐに暴れるし、日中は学校があります。先生のお話によると、稀に2時間経過してもアナフィラキシー反応が出る人もいると聞いたので、夜の歯磨き後に決めました。今のところ問題なく治療を続けられています。

こんな時は飲んじゃダメ!

・喘息などの発作や症状があるとき

・口の中に傷があるとき

・風邪を引いてしまったり体調が優れないとき

・歯の治療をしたとき

長期的な治療なので、治療中に怪我をしたり病気になったりもすると思います。病気や怪我以外でも、こういうときは飲んでもいいのかな?と疑問に思ったら、通院している病院の先生に聞いてみましょう。

治療のスタートにベストな時期は?

治療をスタートするのに適している時期は、5月下旬〜12月のスギ花粉が落ち着いている時期。スギ花粉シーズンは受験のシーズンとも重なってしまいます。うちの子はまだ一年生ですが、受験を控えているお子さんの場合は、花粉症などで悩んでいる場合ではありませんよね。早めの治療で万全の体制を整えておくというのも、一つの受験対策なのではないでしょうか。

 

引き続き、息子の舌下免疫治療の経過もご報告していきたいと思います。来年の花粉の時期の症状の変化など詳しくレポートしていきますね。

文・構成/鬼石由紀

お話を伺ったのは

祐天寺ファミリークリニック
小児科医

西 凛先生

日本小児科学会専門医
日本アレルギー学会専門医

東京女子医科大学医学部卒業
同大学東医療センター小児科入局
戸田中央総合病院、山王病院 小児科、
国立成育医療センターアレルギー科、
祐天寺ファミリークリニック副院長

 

編集部おすすめ

関連記事