【プチ不調】「冷え性」ママエディターが薬膳教室に潜入! 身近に取り入れられる「冷えとり」食材とは?

季節問わず「手や足先が冷たい」とか、冬は「腰がスース―してなんか巻いてないと冷える」「寒いと肩が凝る」などの症状はありませんか。コレ実は、筆者の悩みそのもの。そこでこのような‟未病”と言われる 冷え性をなんとか改善したいと、薬膳料理研究家・谷口ももよ先生に「冷えの原因と対処法」について伺いました。

薬膳料理のレッスンに潜入

筆者は、ももよ先生の“冷え”をテーマにした「家庭薬膳クラス」に生徒として参加。そこで、冷えの原因や対処法などについてレッスンを受けました。

身体を冷やさない食材選びが大事

ももよ先生は、薬膳料理=中華料理ではなく、世界の料理をアレンジして日本の気候に応じたオリジナル薬膳料理を考案しているそう。

11月のレッスンは、「冷え性対策の韓国薬膳」。

薬膳とは、自身の体調や体質にあわせ、足りないところを補い、余ったものは取り除いてバランスをよくすること。そしてめぐり(=代謝)が大切と語ります。

いざレッスン!と思いきや

ももよ先生は説明をし終えたら「では、みなさんで調理を開始してください」とのこと。

えっ!生徒のみで!?

筆者は、先生が料理を作る様子をメモを取り取り、学ぶかと思っていたので衝撃。

家庭科の調理実習のようにガッツリ体験してきました。

幸い、この日の生徒さんは、3人のお子さんがいるママや料理家(プロ!)などみなさん優秀で手際が良く、あっという間に料理が出来上がりました。

待ちに待った実食タイム♪

「冷え性対策の韓国薬膳」は、‟冷え対策”だけではなく、免疫力アップ、血の巡り、皮膚の乾燥防止、潤い、咳止め、粘膜保護など、冬のお悩みを一掃してくれそうな食材で構成されているそう。

上段左から/かぼちゃと山芋のポタージュ、羊肉の薬念ソテー、手羽先と白木耳の美肌サムゲタン、5色野菜クジョルパン、黒米のハーブキンパ

“冷え”に効果的な食材は?

さて上記の献立で、‟冷え”に効果のある食材は、「羊肉」や「かぼちゃ」、“足腰の冷え”には、「山芋」や「クルミ」が良いとのこと。

「羊肉」が‟冷え”に効果があるなんて初耳。

ももよ先生は、「だから、北海道など寒い地域の人が羊肉(ジンギスカンなど)を食べるのでしょう」と補足します。

なるほど!

筆者は、スーパーで「羊肉」を見ても、‟臭み”があるのでは?と手を出せずにいましたが、ショウガやニンニクなどを入れた下ごしらえや仕上げにレモン汁やシソを加える「羊肉の薬念ソテー」のレシピは、コクのある羊肉をさっぱりと頂けて、クセになるお味。

あれ?身体に驚きの変化が!!

レッスン後、気付いたら身体の中にポッとロウソクが灯されたような温かい感覚になっていました。それは、辛い物を食べて汗がいっきに噴き出るような暑さとは違い、すごく穏やかな温かさ。その日1日心地よい温かさが持続していました。

大げさに聞こえるかもしれませんが、「どんな食べ物もそれぞれ効能をもっている」という薬膳の考え方を体感した気がしました。

‟冷え”解消食材入りレシピ2選

ももよ先生考案の、‟冷え”、‟足腰の冷え”に効果のあるレシピを2選を紹介します。

‟冷え”解消食材3つ入り「薬膳スープ」

冷えや粘膜保護に効果のある食材「かぼちゃ」と、足腰の冷えに効果的がある「山芋」この2つが入っているポタージュのレシピを紹介します。

このポタージュ、調味料は塩少々しか入っていないのに、奥深い味!

かぼちゃの甘さと山芋のサクサクした食感が絶妙で、本当にやさしいお味なんです。粘膜保護にも効果的なので、食事の最初に頂きたい一品です。

★『かぼちゃと山芋のポタージュ』

〈材料〉

かぼちゃ……300g

水……200cc

(水溶き片栗粉……大さじ1程度 ※トロミが足りないとき)

山芋……50g

塩……少々

松の実・クコの実……10粒ほど(無くても可)

〈作り方〉

①かぼちゃの種を取り除き、電子レンジで柔らかくなるまで加熱。皮をむき、一口大にカットしたものを鍋に入れて、水と一緒に15分ほど煮込みやわらかくなったら、マッシャーなどでつぶす。

滑らかに早くしたいときは、ハンドミキサーで攪拌してもOK!

②10分ほど煮込みかぼちゃが溶けて滑らかになったら1㎝角に切った山芋を①に入れて、さらに5分ほど煮込む。仕上げにとろみが足りない場合は、水溶き片栗粉を入れてとろみをつけ、塩少々で味を調える。

③仕上げに松の実やクコの実をトッピング。

‟冷え”解消食材3つ入り「温スイーツ」

生徒たちが料理を堪能している間に、ももよ先生はキッチンで、即席スイーツ「水正果風甘酒」を作ってくれていました。

水正果(スジョンガ)とは、韓国の伝統的なデザートのようで、みんな一口食べた瞬間に「おいし~い!」と連呼するほど、上品な甘さのデザートです。

レシピを伺ったところ、嬉しいことに材料さえ揃えば、手軽にできるカンタンさ!

筆者は、冬の来客時にとっておきの切り札として、出したいと思いました♪

★『水正果風甘酒』

隠し味のショウガが、引き立て役。また、クコの実は潤い・目の疲れに良いとのこと。

体を温める効果のある「干し柿」「クルミ」「シナモン」がポイント!

干し柿の甘酸っぱさが、甘酒とよく合います

〈材料〉作りやすい量

ショウガの千切り(チューブのショウガでもOK)…大さじ1程度

シナモンパウダー…少々

干し柿……1個

甘酒(濃縮タイプ)……200g

豆乳……150㏄

クルミ……大さじ1

クコの実……適量

〈作り方〉

①鍋に豆乳を入れ、生姜の千切りとシナモンパウダー、干し柿を小さく食べやすく切ったものを入れ、5分少々弱火~中火で煮込む。

②①の鍋に甘酒を入れ、さらに5分ほど煮込む。

③②を器に盛り付け、刻んだクルミとクコの実を数粒トッピングして完成。

‟冷え”は、原因によって対処法が違う!

冷えには、さまざまな原因があり、それによって対処法も変わるそう。冷えの原因を大きく分類すると「陽虚」「気滞」「血虚血瘀」「腎虚」の4つと解説。そして、それぞれの原因によって、効果のある食材があるとのことです。

冷えの主な原因

●陽虚…身体をあたためる作用が低下している状態のことを指します。腎・心・脾の機能が低下。

●気滞…ストレスなどにより、気の巡りが悪くなって、血の巡り・水の巡りが悪くなることによる冷え。

●血虚血瘀…脾腎虚弱体質や病気により貧血状態で血が足りない、または血の内容が悪く巡りが良くない状態。

●腎虚…腎機能の低下により体を温める機能が低下。特に下半身の冷え、足腰の弱り、頻尿など(「陽虚」に近い)。

“冷え”に効果的な食材は?

冷えの原因に合わせて、対処できる食材も教わりました。

料理の献立を考えるときに参考にしてみてください。

冷えの対処にむく食材

●「陽虚」が原因なら…陽虚性には、身体をあたためる食材、シナモン、八角、ウイキョウ、コショウなどのスパイス、羊肉、ニラ、玉ねぎ、にんにくなどを用いましょう。

●「気滞」が原因なら気滞には気の巡り、血の巡りを良くする食材、陳皮(温州みかんの皮を乾燥させたもの)、シソ・みょうがなどの香草類、かんきつ類などを用いましょう。

●「血虚血瘀」が原因なら…「血虚血瘀」には血を浄化し血を補い、同時に気を補い代謝を上げる、黒きくらげ、紅花、玉ねぎ、らっきょう、酢、金針菜(ユリ科のホンカンゾウのつぼみ)などを用いましょう。

●「腎虚」が原因なら…黒豆、くるみ、山芋、エビ、羊肉などを用いましょう。

プチ不調に対して、意識すべきことは

「薬膳」と聞くと苦い漢方薬が入っていたり、普通のお料理とは違って難しいのでは?と思われる方も少なくないですよね。

筆者もその一人でした。

でも、今回、家庭薬膳クラスに参加してみたら、プチ不調は食事で改善できるのでは?と思うようになりました。

何を食べるのか、が大事!

余談ですが、筆者が驚いたことは、普通の食器洗い洗剤をガンガン使っているももよ先生の手が、ツヤツヤであることw。

なんと、手荒れしたことが無いので、ハンドクリームを使ったことがないそう!

手荒れ知らず、の潤った手

うらやましい!!

筆者は、食欲が暴発しやすい性分……、冬のハンドクリームの消費量ハンパないです(泣)子どもにも、冬は全身ハンドクリームを塗るよう言ってました(苦笑)

これからは、ハンドクリームに頼らず、内から潤うよう日々の食事の食材を意識していこうと思いました。

ももよ先生のレシピは、さまざまなプチ不調を解消してくれるレシピも考案されています。例えば「むくみ解消」を助ける食材や「ホルモンバランス」を整える食材などを使ったレシピなど。どのレシピも食材を存分に生かし、調味料に頼らないやさしい味わいなので、お子さんも食べやすいはず。

今回紹介している2つのレシピは、寒い時期にピッタリ。体を芯から温めてくれるので、みなさんも作ってみてくださいね。

谷口ももよ先生の薬膳料理教室の詳細はコチラ

記事監修

薬膳料理研究家/薬膳料理教室「Salon de Maman」主宰、一般社団法人東洋美食薬膳協会代表理事、NPO法人全日本薬膳食医情報協会理事長、一般社団法人日本豆腐マイスター協会理事、東京薬膳学院講師
谷口 ももよ先生

(薬膳は学ぶものではなく実践するものであり、続けなければ意味がないと常々感じ、「健康は日々の食卓から」「美食同源」をテーマに、身近な食材で簡単で美味しい薬膳レシピを心がけ全国で薬膳を広める。主な著書「身近な10の食材でつくる薬膳ビューティレシピ」(講談社刊)、「お豆腐×お野菜でつくる薬膳美人ごはん」(キラジェンヌ刊)ほか)

 

文・構成/HugKum編集部

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