今年中に家じゅうスッキリを叶えたいあなたに!
「家事育児に追われて家の中がゴチャゴチャ!」「本当はスッキリ暮らしたいのに…」という悩みを抱えていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。子どもとの暮らしに“整理収納のコツ”を取り入れると、親の負担やストレスが減り、子どもの生活力を育むことができます。
6歳、4歳、2歳の3児の母である整理収納アドバイザー・水谷妙子が隔週でお届けする「整理収納のコツ」シリーズ。
今回のテーマは、年末の大掃除に取りかかる前に知っておきたい「整理収納の基本」です。
12月に入り、一気に年末ムードが加速してきました。整理収納業界でも、お客様からのご依頼が殺到するのはこの時期です。クリスマスやお正月に向けて来客の機会も増えますし、何よりも「スッキリした状態で新年を迎えたい!」という需要が高まります。
普段は慌ただしい日々を送っている子育て世代も、「家の中の気になっている部分をなんとかしたい!」とソワソワされる方も多いのではないでしょうか。
まずは「整理収納の基本」を押さえて、年末までに暮らしを整えていきましょう!
「整理・収納・片付け・掃除」の違いを理解しよう
「整理・収納・片付け・掃除」この4つの違いを知っていますか?まずは、ここからスタートします。
①整理:使うモノ、使わないモノを区別すること。使うモノだけ残し、更に区別すること。
②収納:区別したモノを使いやすく収めること。モノの住所(定位置)を決めること。
③片付け:使ったモノを、次また使いやすいようにモノの住所(定位置)に戻すこと。
④掃除:ゴミ、ホコリを取り除き、キレイにすること。
この順番をひとつでも飛ばすと、本来の効果を発揮しません。
逆さピラミッドの図をご覧いただくとわかる通り、整理が一番大きく、掃除が一番小さくなっていますね。これは作業のウエイトをそのまま表現しています。
家の中のゴチャゴチャのほとんどは「整理ができていないこと」が原因です。「収納をなんとかしないと…」「片付けられない!」と悩まれている方。何はともあれ、まずは整理です。
整理ができれば、おのずと収納も決まります。収納が決まれば、片付けはとてもスムーズです。部屋が片付いていないと掃除はできません。
「年末の大掃除」についてもしかり。整理、収納、片付けが行われていない状態で、表面をなぞるように大掃除だけ行なっても、本当の意味ではキレイにならないのです。
それでは、順を追ってご説明しますね!
①整理
4つのステップのうちで一番ウエイトが大きい整理です。苦手な方が多い項目です。つまづいてしまう理由は、モノを「いる」か「いらない」か判断しているから。
そのため、整理をするときは「いるorいらない」ではなく「使っているor使っていない」で判断していきましょう。「1年間で1度でも使ったかどうか」をひとまずの基準にします。
わかりやすい例でいうと、クリスマスツリー。12月のこの時期に飾りますよね。クリスマスツリーよりも使っていないモノ=1年間で1度も使っていないモノは、手放したとしても生活に大きな支障は出ないはずです。
それを基準に整理を繰り返し、「使っている」モノだけが残ったら、次はそれらを更に分けていきます。
週に1回以上出番があるものは一軍に。それほど使わないけれどたまに使うモノは二軍とします。
ちなみに、使っていないけど取っておきたいモノは思い出です。日用品とは分けておきますが、これも闇雲に取っておくのではなく、整理してから保管するようにします。
②収納
そして、整理で区別したモノを使いやすく収める=収納をしていきます。
整理の段階で、週に1回以上出番があるものを一軍、それほど使わないけれどたまに使うモノは二軍と分けましたね。一軍はすぐ手が届きやすい場所に収納します。二軍は、取り出しにくい場所に置いてもOKです。
ポイントは、一軍と二軍が混ざらないようにすること。混ざってしまうと、オモテに出る量がその分多くなってしまうので、次のステップの片付けが大変になってしまうからです。
収納を考えるときに大事なことは、自分の暮らしのなかで「使いやすい」かどうか。「出す→使う→戻す」の一連の流れをワンアクションでスムーズにできるようにしましょう。
また、なるべく「見える」ようにすることもポイントです。あえて低い収納ボックスを使ったり、フタをつけないということもひとつの方法です。
多くの方が、整理のステップを飛ばして「収納用品を決めればなんとかなる!」と考えがち。まずお店で棚やボックスを買ってしまうのですが、それは失敗のもとになります。収納用品を買う時は、なんとなく想像で買うのではなく「〇〇が△個」というように、整理の結果をメモしておき、それを見ながら買うようにしてくださいね!
③片付け
整理ができていて、収納が決まっていれば、片付けはとってもラクです。片付けとは「使ったモノを、元の場所に戻す」という、とてもシンプルな行動です。
もしも「いつまでたっても片付けができない」というモノがある場合、元の場所=収納が決まっていないこと、そして、その前の整理ができていないことがほとんどです。
「片付けに時間がかかるなあ…」という場合は、「出す→使う→戻す」がワンアクションにできるように収納方法を見直したり、そもそも本当にその量が必要なのかという整理までさかのぼる必要があります。
④掃除
整理・収納・片付け。ここまできて、最後にようやく掃除です。すべてが紐づいています。
前段の3つのステップを無視すると、いわゆる「四角い部屋を丸く掃除する」という状態になり、ゴミや汚れを完全に取り去ることはできません。
「年末の大掃除」というと、窓、換気扇、排水口など、じっくり掃除できない場所に取りかかるイメージがありますが、普段から使っている道具を拭くことも、立派な大掃除です。
少し丁寧に取り組んでみて「なんだか、掃除しにくいな…」と感じることがあったら、整理・収納・片付けを見直してみてくださいね!
いかがでしたか?大掃除前の「整理収納の基本」をお伝えしました。
作業に取りかかる際は、ご自身が今「整理・収納・片付け・掃除」の4つのうち、どの段階にいるのかを把握しておくと、ゴールを見据えることができます。
年末までまだ時間があるので、スッキリした気分で2020年を迎えられるように今から少しずつ取り組んでみてはいかがでしょうか?
記事執筆
無印良品で商品企画&デザインを13年間務める。手がけた商品は500点超。調べた他社商品は5,000点超。2018年「ものとかぞく」を起業し、個人宅や店舗などの整理収納サービスやお片づけ講座を行うかたわら、雑誌やWebでも活動中。フォロワー5.1万人を超えるInstagramでは、マネしやすい整理収納アイデアやモノ選び情報を発信中。7歳4歳2歳の3児の母。