いろんな料理に使えて便利な小松菜!美味しく保存するには?
小松菜は、江戸生まれの緑黄色野菜です。クセがなく爽やかな味わいなので、和洋中なんでもござれ♪ さまざまな料理に使える人気の葉野菜として親しまれています。保存に適した環境や下処理のポイントなどをまとめました。
小松菜の旬
いまは、通年楽しめる小松菜ですが、冬から春先にかけてが最もおいしい時期。冬のものは、葉が肉厚なので鍋料理に。春先は、やわらかいので炒め物や胡麻和えなどにもぴったりです。
アクが少ないので下茹でせずに、そのまま調理に使えるのが嬉しい特徴です。
小松菜 保存のポイント
冷蔵庫がいっぱいで何日か常温保存したい!という場合には、花束のように花瓶(カットしたぺットボトルで代用可)に挿しておけば大丈夫です。葉野菜は基本的に流通の段階で水分不足になっているので、たっぷりと水揚げをしてあげましょう。風通しのよい場所に置き、毎日水を取り替えてあげれば、2~3日オッケーです。
下処理のやり方
小松菜は根元の部分に土や残留農薬が付着していることも。たまに捨ててしまう人がいますが、ちょっと待った! 根元は栄養素の宝庫。食感もあって、とても美味しいのです。
これには洗い方にコツがあります。ボウルに流水を注ぎながら根元を広げて洗うのです。それでも気になる場合には、先に根元(ほんの先端のほうだけ)を十字の切り込みを入れてカットしてしまいましょう。水を流しながらボウルでふり洗いすれば、きれいに落ちますので試してみてください。
小松菜を冷蔵保存する方法
次に、小松菜を冷蔵庫で保存するやり方を2パターンご紹介します。
1つは、水を張ったボウルに小松菜の根元を5分ほど浸して“水揚げ”をする→水気をよく拭き、ペーパータオルに包む→さらにポリ袋に入れる→冷蔵庫の野菜室に立てて保存する。
もう1つは、水揚げをせずに、濡れたペーパータオルで包んでからポリ袋に入れ、野菜室で立てて保存する方法です。水揚げの時間が面倒な方は、こちらの簡易バージョンがおすすめ!
小松菜の冷蔵保存期間
上の方法であれば、どちらでも冷蔵庫の野菜室に立てて1週間ほど大丈夫です。
小松菜を冷凍保存する方法
小松菜は、アクがないのが特徴です。これが、冷凍保存できる優秀なポイント! 生でも茹でてからでも、どっちでも冷凍保存ができてしまうスグレモノなんです。
冷凍の保存期間
冷凍保存なら約1か月保存できます。詳しい冷凍保存法は、こちらからチェックしてみましょう。
保存食にするなら、カルシウム倍増おかずに!
小松菜の栄養素で特筆すべきは、カルシウムの含有量です。なんと、ほうれん草の4~5倍も多いといわれているほど。
この優れた特徴を最大限に生かすために、同じくカルシウム量の多い、切り干し大根と桜海老を使ったお浸しなどいかが? カルシウム最強の常備菜としておすすめです。
他にも、小松菜をさっと茹でて塩昆布とクリームチーズを合わせれば簡単おつまみに。
まろやかなクリームチーズと塩昆布の塩気が、白ワインにもぴったりです。食いしん坊の妄想レシピは、まだまだ続きます(笑)。
撮影・文/川越光笑(たべごとライター・発酵食スペシャリスト)
小松菜を使ったおすすめレシピ
【1】紅白なますで 豚薄切り肉と小松菜の酢豚風
おせちでおなじみの紅白なますを使って簡単アレンジ! 炒めた豚肉&小松菜に加えるだけで甘酸っぱい酢豚風になり、野菜もたっぷり食べられます。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
紅白なます 100g
豚薄切り肉 150g
小松菜 300g
しょうが(みじん切り) 小さじ1弱
ごま油 小さじ2
【A】
鶏ガラスープの素 小さじ1
水 1/3カップ
塩 適量
【B】
片栗粉 小さじ1
水 小さじ2
◆作り方
【1】豚肉は1cm幅の細切りにし、小松菜は4m長さに切る。
【2】フライパンにごま油としょうがを入れて炒め、香りが出てきたら豚肉を加える。1分ほど炒めた後、小松菜を加え、しんなりするまで炒める。
【3】【2】になますと【A】を加え、1~2分ほど煮る。塩で味を調え、混ぜ合わせた【B】を加えてとろみをつける。
教えてくれたのは
上田淳子さん
ヨーロッパや日本のレストランなどで修業後、料理研究家として雑誌、書籍、テレビなどで活躍。双子の男の子の母。近著に『共働きごはん』(生活の友社)など。
『めばえ』2014年1月号
【2】小松菜とひき肉のポテトグラタン風
やわらかいマッシュポテトがソース代わり! お肉や野菜が一緒に取れる、満腹感のあるグラタン風です。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
小松菜 1/2袋(100g)
玉ねぎ 1/2個
合いびき肉 200g
じゃがいも 2個(300g)
牛乳 70cc
小麦粉 小さじ2
粉チーズ 大さじ1/2
サラダ油 小さじ1
塩・こしょう 各適量
◆作り方
【1】じゃがいもは皮をむき、一口大に切ってやわらかくゆでる。湯をきって鍋に戻し、軽く水分をとばして、なめらかにつぶす。牛乳を加えて混ぜ、塩、こしょうで調味する。
【2】玉ねぎはみじん切りに、小松菜は小口切りにする。
【3】フライパンを強めの中火にかけてサラダ油を熱し、ひき肉を加えて火が通るまで炒め、【2】を加えて2分ほど炒め、塩、こしょうをふる。小麦粉をまんべんなくふり入れ、混ぜながら加熱する。
【4】耐熱容器に【3】を入れ、【1】をのせて平らにし、粉チーズをふる。200℃のオーブンで20分を目安に焼く。
※オーブンの代わりにオーブントースターでも焼けます。
教えてくれたのは
上田淳子さん
ヨーロッパや日本のレストランなどで修業後、料理研究家として雑誌、書籍、テレビなどで活躍。双子の男の子の母。近著に『共働きごはん』(生活の友社)など。
『めばえ』2015年1月号
【3】小松菜チーズビスケット
チーズ風味で青臭さを消し、ふんわりと焼く。さっくりとしたビスケットは朝食にもぴったり。
◆材料
(約20個分)
ホットケーキミックス 200g
バター 大さじ3
砂糖 大さじ3
卵 1個
粉チーズ 大さじ4
小松菜 3束
◆作り方
【1】バターは室温に戻す。小松菜はラップで包んで電子レンジで2分加熱し、みじん切りにし、さらに包丁で叩く。
【2】ボウルにバターと砂糖を合わせてよく混ぜ、卵も加えてよく混ぜる。小松菜と粉チーズを加え、ホットケーキミックスを加えて混ぜる。
【3】天板にクッキングシートを敷き、【2】をスプーンで一口大にすくって並べ、180℃に温めておいたオーブンで15分ほど焼く。
※電子レンジの加熱時間は、600Wの場合の目安です。
教えてくれたのは
鈴木 薫さん
身近な食材で簡単に作れて、おいしくて、センスのいいレシピが人気。双子の女の子と男の子のママ。
『めばえ』2015年10月号
【4】あおむしくんおにぎり|今にも動き出しそう!モチーフおにぎり
小松菜を混ぜ込んで青い顔・体に!
◆材料
(1個分)
ご飯 120~160g
小松菜 20g
焼きのり、水、塩 各適量
◆作り方
【1】小松菜は、熱湯でさっと塩ゆでし、冷水にとって水気を絞る。軸を2cm×2本残して、残りを細かく刻み、ご飯に混ぜる。
【2】【1】を4等分して丸く握る。そのうちの1個にのりをパンチで抜くか切って作った目と口、【1】で残した小松菜の触角をつける。残りのおにぎりを並べてあおむしが完成。
教えてくれたのは
関岡弘美さん
料理研究家。出版社で料理雑誌の編集に携わった後、渡仏。ル・コルドン・ブルーパリ本校にてグラン・ディプロムを取得。2008年に帰国後は、雑誌やテレビ、広告、イベントなどで活躍。おもてなし料理とワインの教室も主宰。
『めばえ』2017年11月号
【5】小松菜の納豆和え
納豆が好きな子なら、小松菜なんて気にせずに、パクパク食べちゃう!
◆材料
(大人2人+子ども1人分)
小松菜 1/5束
納豆 2パック
しょう油 小さじ1
かつお節 少々
◆作り方
【1】小松菜は塩少々(分量外)を入れた熱湯でゆでる。冷水にさらして水気をしっかりと絞り、1cm長さに切る。
【2】ボウルに【1】、納豆、しょう油を入れ、和える。器に盛り、かつお節をふる。
教えてくれたのは
松尾みゆきさん
管理栄養士・料理研究家・フードコーディネーターとして、テレビや雑誌、書籍等、幅広く活躍の傍ら、幼児がすすんで食べるおいしさと栄養にこだわったメニューを日々考案している。二児の母。
『めばえ』2018年7月号
【6】小松菜とわかめのしらす和え
小松菜はやわらかめにゆでて刻みます。しらすを加えればカルシウムもプラス。
◆材料
(大人2人+子ども2人分)
小松菜 1/2束
乾燥わかめ 大さじ1
しらす干し 大さじ3
しょうゆ 小さじ1
ごま油 小さじ1
塩 少々
◆作り方
【1】小松菜は塩を加えた熱湯でゆで、水にとって絞り、3~4cm長さに切る。
【2】わかめは水につけてもどし、サッとゆでて水にとり、絞る。
【3】ボウルに【1】と【2】を入れてしょうゆ、しらす干し、ごま油の順にからめる。
教えてくれたのは
コウケンテツさん
料理研究家である母・李映林さんのアシスタント後、独立。韓国料理を中心とした、素材の味を生かしたヘルシーなメニューが人気。一男一女の父。
『ベビーブック』2012年10月号
【7】小松菜のポンデケージョ
チーズをみそに替えて、ほんのり塩味をプラス。おからも入っておなかにもうれしいおやつです。
◆材料
(10個前後)
小松菜 80g
塩 少々
白玉粉 60g
【A】
おから 50g
片栗粉 40g
みそ 小さじ2
なたね油 大さじ1
*油はアレルギー反応が起こりにくい、なたね油を主に使っています。普通のサラダ油を使っても同じように作れます。
◆作り方
【1】小松菜は4~5等分に切り、塩を加えた熱湯で3分ゆでて、水にとり、水けを絞る。
【2】フードプロセッサーで白玉粉をかきまぜてサラサラにし、【1】と【A】を入れて、なめらかになるまでかきまぜる。取り出して直径4cmぐらいの大きさに丸める。
【3】オーブンシートを敷いた天板に並べ、180℃のオーブンで25~30分焼く。
*フードプロセッサーがない場合は、白玉粉はめん棒で叩いてサラサラにし、小松菜はみじん切りにし、泡立て器で混ぜる。
教えてくれたのは
青木恭子さん
小田真規子主宰のスタジオナッツ所属。2つの保育園に7年間、栄養士として勤務。0歳児の離乳食~5歳児の給食とおやつ作りを担当。現在は雑誌やWEBなどで活躍。
『ベビーブック』2013年2月号
【8】にんじん・小松菜入りつくね鍋
体を温める鍋料理で肉や野菜をたっぷりと。つくねにも野菜が入っているので栄養満点です!
◆材料
(大人2人+子ども2人分)
【A】
鶏ひき肉(胸・もも半量ずつ) 200g
片栗粉 大さじ1/2
溶き卵 1/3個分
しょうゆ 小さじ2/3
酒 小さじ2/3
しょうがのすりおろし 小さじ1/2
長ねぎ 5cm
にんじん 1/4本
小松菜 1株
塩 少々
【B】
昆布だし汁 3カップ
しょうゆ 大さじ1
酒 大さじ1
みりん 大さじ1
塩 小さじ1/3
【C】
白菜・もやし・小松菜・にんじん 各適量
◆作り方
【1】長ねぎはみじん切りに、にんじんはせん切りにし、塩でもんでよく絞る。小松菜はサッとゆでて絞って刻む。
【2】【A】と【1】を混ぜ合わせてよく練り、一口サイズの団子状に丸める。
【3】【C】の白菜と小松菜はざく切りにし、にんじんはピーラーで薄く切る。
【4】鍋に【B】を熱し、【2】を加えて火を通し、【3】ともやしを加えて煮る。
教えてくれたのは
阪下千恵さん
栄養士。ふたりの女の子のママ。家族のために作り続けてきたおいしくて、栄養バランスのいいレシピが人気。子どもの食物アレルギーをきっかけに、アレルギー料理にも力を入れている。
『ベビーブック』2013年11月号
【9】小松菜とにんじんのドライカレー丼
緑黄色野菜とお肉はすべてみじん切りにして大きさを統一すると、子どもでも食べやすくなります。カレー風味が食欲をそそる一品!
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
【A】
豚こま切れ肉 350g
玉ねぎ 1/2個
にんじん 1/2本
小松菜 1/2束
にんにく(みじん切り) 小さじ1
しょうが(みじん切り) 小さじ1
大豆(ドライパック) 1缶(110g)
バター 大さじ1(20g)
【B】
カレー粉 大さじ1と1/2~2
トマトケチャップ 大さじ1と1/2
中濃ソース 大さじ1と1/2
顆粒スープの素 小さじ1
塩・こしょう 各少々
ご飯 茶碗3杯
◆作り方
【1】【A】は細かく刻む。
【2】フライパンにバター、にんにく、しょうがを入れて中火で熱し、香りが立ったら玉ねぎ、にんじんを入れて炒める。
【3】【2】に豚肉を加えて炒め、色が変わったら大豆、【B】を加えて炒め、水1/2カップを加えて汁けがなくなるまで煮詰める。最後に小松菜を加えてしんなりするまで煮、ご飯にかける。
教えてくれたのは
みないきぬこさん
女子栄養大学を卒業後、料理研究家のアシスタントを経て2007年独立。料理家、フードコーディネーターとして料理雑誌や広告、メニュー開発など、幅広い分野で活躍中。女の子のママでもある。
『ベビーブック』2014年2月号
【10】小松菜と里いものチキン丼
たれにとろみをつけて「あんかけ」に。里芋にあんがよく絡み、ねっとりとおいしい。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
鶏ささみ肉 4本
里いも 6個
小松菜 1/4束
【A】
だし 160ml
しょうゆ 大さじ1
砂糖 大さじ1
【B】
片栗粉 大さじ1
水 大さじ1
ご飯 茶碗3杯
サラダ油 小さじ2
◆作り方
【1】里いもは乱切りにして、ゆでる。ささみは2cm角に、小松菜は2cm幅に切 る。
【2】鍋にサラダ油を熱してささみを炒め、色が変わったら、里いもと小松菜を加 えて炒める。【A】を加えて沸騰したら、 混ぜ合わせた【B】を加えてとろみをつける。
【3】器にご飯を盛り、【2】をのせ、汁を適宜かける。
教えてくれたのは
尾田衣子さん
「ル・コルドン・ブルー」 やイタリアにて料理を学び、料理研究家に。「料理教室Assiette de KINU」を主宰。親子で楽しむクッキングも人気。男の子のママ。
『ベビーブック』2016年1月号
【11】小松菜とハムのチーズオムレツ
おやつみたいなキッシュ風!
◆材料
(2~3人分)
小松菜 2株(100g)
玉ねぎ 1/8個
ハム 2枚
バター 5g
ケチャップ 摘宜
【A】
卵 2個
生クリーム 大さじ2
ピザ用チーズ 30g
塩、黒こしょう 各少々
◆作り方
【1】小松菜は3cm長さ、玉ねぎは薄切りにする。ハムは食べやすく切る。
【2】コンテナ型の耐熱保存容器に【1】とバターを入れ、ふんわりとラップをかけ電子レンジで1分30秒加熱する。
【3】【2】によく混ぜ合わせた【A】を加えて軽く混ぜ、ふんわりラップをかけてさらに3分加熱。粗熱が取れるまで冷ます。
【4】食べやすい大きさに切って器に盛り、お好みでケチャップをかけて食べる。
◆ポイント
教えてくれたのは
島本美由紀さんさん
料理研究家。旅先で得たさまざまな感覚を活かした、手軽に作れるおいしいレシピが人気。家事全般のラクを追求する「ラク家事アドバイザー」としても活動し、テレビや雑誌、講演会など幅広く活躍中。
『めばえ』2019年6月号
【12】蒸し鶏のきのこ小松菜あんかけ
下ごしらえはレンジで簡単に。しょうがやごま油が食欲をそそる上、とろみのあるあんかけなので、野菜もどんどん食べられます。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
鶏むね肉 1枚(300g)
【A】
しょうが(薄切り) 3~4枚
長ねぎの青い部分 適量
酒 大さじ1
塩 小さじ1/4
しめじ・しいたけ・えのきだけ 合わせて150g
小松菜 2~3株(100g)
【B】
だし汁 1カップ
しょうゆ 大さじ1
みりん 大さじ1
酒 大さじ1
塩 小さじ1/2
片栗粉 大さじ1
ごま油 小さじ1
◆作り方
【1】鶏肉は皮を除いて耐熱皿にのせ、【A】をふる。ラップをかけて電子レンジで3分加熱し、返してさらに2分加熱し、そのまま冷ます。手で食べやすく裂く。
【2】しめじとえのきは石突きを切り落としてほぐし、2cm長さに切る。しいたけも石突きを切り落とし、カサは横半分に切って薄切りにし、軸は細く裂く。
【3】小松菜は根元を切り落として2cm長さに切る。
【4】鍋に【B】を入れて煮立たせ、【2】と小松菜の軸を加えてやわらかく煮、葉も加えて煮、同量の水で溶いた片栗粉を加えてとろみをつけ、ごま油を加える。
【5】器に【1】を盛って【4】をかける。
教えてくれたのは
中村陽子さん
料理研究家のアシスタントを経て独立。新著は『とっておきの日につくっ てあげたいキャラケーキ』(成美堂出版)。二児のママ。
『ベビーブック』2015年11月号
構成・文/HugKum編集部