「葉野菜って、冷凍するとベチャベチャして美味しくない」。そんなイメージを払拭してくれるのが、“小松菜”です。いままで、どうも気が乗らなくて野菜の冷凍保存を試していない方は、ぜひ、小松菜から挑戦してみてください。この方法で、冷蔵庫でシナシナになってから救出されることがなくなります!
小松菜を冷凍保存するメリット
小松菜は、カルシウムの含有量がトップクラス。何とほうれん草の約3倍もあります! β-カロテンも多く、200g摂れば一日の必要量を摂取できるといわれる緑黄色野菜です。味わいはさわやかで、さまざまな料理に活用できる小松菜。アクがないのが特徴ですが、これが冷凍保存できる優秀なポイント! 生でも茹でてからでも、どっちでも冷凍保存ができてしまうスグレモノなんです。
冷凍した小松菜の保存期間は…
塩を入れて固ゆでしても、生のままでも約1か月冷凍保存ができます。両方とも残留農薬など残っている場合があるため、よく洗うのが基本です。
小松菜を生のまま冷凍する方法
小松菜を生のまま冷凍保存する方法をご紹介します。
買ってきたら、鮮度のいいうちに冷凍保存を! よく洗って水けを拭き、根っこを切り落としたら、あとはざく切りにします。
冷凍用保存袋に入れて、空気をしっかり抜いて冷凍すればオッケー。
解凍するだけでおひたしに
小松菜を生で冷凍せずにいられないスゴ技がコレ! 冷凍により細胞が壊れた小松菜は、冷凍した状態で味付けをすれば味がよくしみるので、そのままおひたしとして食べることができます。茹でた後ではできないので要注意! 生で冷凍することで叶う時短調理法です。冷凍することで青臭さも抜けてより食べやすくなります。
くたっとした小松菜は、調味料も入りやすく、箸でなじませている間に自然解凍しながら味付けもできてラク。ちなみにズボラな筆者は、冷凍保存用の袋にそのまま調味料を入れて手でもむだけで作ります(笑)。あと一品欲しい時におすすめです。
茹でてから冷凍する方法
塩を入れてかた茹でした小松菜は、食べやすい長さ(4~5㎝程度)に切り分けます。
水気をしっかりと絞ってから、ラップで小分けにして冷凍用保存袋に入れましょう。
美味しく解凍するには?
おひたしなどに使うときは、前日に冷蔵庫に移して自然解凍するのがおすすめ。みそ汁など汁物に利用する場合は、解凍せずに沸騰した汁の中に凍ったまま入れるのが美味しく食べるコツです。
撮影・文/川越光笑(たべものライター・発酵食スペシャリスト)
冷凍した小松菜でつくるおすすめレシピ
【1】魚介と冬野菜の中華丼
あさり、えびとしめじからうま味がたっぷり。とろみのついた具がご飯によくからみ、たくさん食べられます!
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
えび 8尾
あさりのむき身 130g
小松菜 1/2束
大根 5cm
しめじ 1パック
コーン 大さじ4
かつおだし汁 1と1/2カップ
【A】
しょうゆ 大さじ2
砂糖 大さじ2
【B】
片栗粉 大さじ1
水 大さじ1
ご飯 茶碗3杯
◆作り方
【1】えびは4等分する。小松菜は3cm幅に切り、大根は2cmの角切りにする。しめじは石突きを除いてほぐす。
【2】鍋にだし汁、大根、しめじ、コーンを入れて火にかけ、大根がやわらかくなったら、えびとあさりを加えてひと煮し、【A】で調味する。
【3】小松菜を加え、しんなりしたら混ぜ合わせた【B】を加えてとろみをつける。
【4】器にご飯を盛り、【3】をのせる。
教えてくれたのは
尾田衣子さん
「ル・コルドン・ブルー」やイタリアにて料理を学び、OLから料理研究家に転身。現在、「料理教室Assiette de KINU」を主宰。男の子のママでもある。
『めばえ』2014年2月号
【2】ダブルえびの上海焼きそば
オイスターソースので味付けされた焼きそばは、桜えびをプラスして一層香りよく。むきえびもぷりぷりで、2種類のえびの食感やおいしさを召し上がれ。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
焼きそば麺 3玉
むきえび 150g
桜えび 大さじ2
小松菜 1/2束
しめじ 1/2パック
しょうゆ 大さじ/2
サラダ油 大さじ1
ごま油 大さじ1/2
【A】
酒 大さじ1と1/2
しょうゆ 大さじ1
オイスターソース 大さじ1
砂糖 大さじ1/2
◆作り方
【1】麺は袋から出して手でほぐし、しょうゆをからめる。
【2】むきえびはサッと洗って水けを拭く。小松菜は4cm長さに切り、しめじは石突きを除いてほぐす。
【3】フライパンにサラダ油を熱し、【1】を広げ、焼き目をつけながら炒めて取り出す。
【4】フライパンをサッと拭き、ごま油を熱して桜えびを炒め、香りが立ったら、むきえびとしめじを加えてサッと炒め、小松菜の軸と葉を加える。しんなりしたら【3】を戻し、混ぜ合わせた【A】を加えて炒める。
教えてくれたのは
きじまりゅうたさん
祖母も母も料理研究家という家庭に育ち、幼いころから料理に親しむ。身近な食材で作るアイデアレシピが人気。
『めばえ』2014年10月号
【3】小松菜とひき肉のポテトグラタン風
やわらかいマッシュポテトがソース代わり! お肉や野菜が一緒に取れる、満腹感のあるグラタン風です。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
小松菜 1/2袋(100g)
玉ねぎ 1/2個
合いびき肉 200g
じゃがいも 2個(300g)
牛乳 70cc
小麦粉 小さじ2
粉チーズ 大さじ1/2
サラダ油 小さじ1
塩・こしょう 各適量
◆作り方
【1】じゃがいもは皮をむき、一口大に切ってやわらかくゆでる。湯をきって鍋に戻し、軽く水分をとばして、なめらかにつぶす。牛乳を加えて混ぜ、塩、こしょうで調味する。
【2】玉ねぎはみじん切りに、小松菜は小口切りにする。
【3】フライパンを強めの中火にかけてサラダ油を熱し、ひき肉を加えて火が通るまで炒め、【2】を加えて2分ほど炒め、塩、こしょうをふる。小麦粉をまんべんなくふり入れ、混ぜながら加熱する。
【4】耐熱容器に【3】を入れ、【1】をのせて平らにし、粉チーズをふる。200℃のオーブンで20分を目安に焼く。
※オーブンの代わりにオーブントースターでも焼けます。
教えてくれたのは
上田淳子さん
ヨーロッパや日本のレストランなどで修業後、料理研究家として雑誌、書籍、テレビなどで活躍。双子の男の子の母。近著に『共働きごはん』(生活の友社)など。
『めばえ』2015年1月号
【4】小松菜とわかめのしらす和え
小松菜はやわらかめにゆでて刻みます。しらすを加えればカルシウムもプラス。
◆材料
(大人2人+子ども2人分)
小松菜 1/2束
乾燥わかめ 大さじ1
しらす干し 大さじ3
しょうゆ 小さじ1
ごま油 小さじ1
塩 少々
◆作り方
【1】小松菜は塩を加えた熱湯でゆで、水にとって絞り、3~4cm長さに切る。
【2】わかめは水につけてもどし、サッとゆでて水にとり、絞る。
【3】ボウルに【1】と【2】を入れてしょうゆ、しらす干し、ごま油の順にからめる。
教えてくれたのは
コウケンテツさん
料理研究家である母・李映林さんのアシスタント後、独立。韓国料理を中心とした、素材の味を生かしたヘルシーなメニューが人気。一男一女の父。
『ベビーブック』2012年10月号
【5】にんじん・小松菜入りつくね鍋
体を温める鍋料理で肉や野菜をたっぷりと。つくねにも野菜が入っているので栄養満点です!
◆材料
(大人2人+子ども2人分)
【A】
鶏ひき肉(胸・もも半量ずつ) 200g
片栗粉 大さじ1/2
溶き卵 1/3個分
しょうゆ 小さじ2/3
酒 小さじ2/3
しょうがのすりおろし 小さじ1/2
長ねぎ 5cm
にんじん 1/4本
小松菜 1株
塩 少々
【B】
昆布だし汁 3カップ
しょうゆ 大さじ1
酒 大さじ1
みりん 大さじ1
塩 小さじ1/3
【C】
白菜・もやし・小松菜・にんじん 各適量
◆作り方
【1】長ねぎはみじん切りに、にんじんはせん切りにし、塩でもんでよく絞る。小松菜はサッとゆでて絞って刻む。
【2】【A】と【1】を混ぜ合わせてよく練り、一口サイズの団子状に丸める。
【3】【C】の白菜と小松菜はざく切りにし、にんじんはピーラーで薄く切る。
【4】鍋に【B】を熱し、【2】を加えて火を通し、【3】ともやしを加えて煮る。
教えてくれたのは
阪下千恵さん
栄養士。ふたりの女の子のママ。家族のために作り続けてきたおいしくて、栄養バランスのいいレシピが人気。子どもの食物アレルギーをきっかけに、アレルギー料理にも力を入れている。
『ベビーブック』2013年11月号
【6】小松菜とにんじんのドライカレー丼
緑黄色野菜とお肉はすべてみじん切りにして大きさを統一すると、子どもでも食べやすくなります。カレー風味が食欲をそそる一品!
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
【A】
豚こま切れ肉 350g
玉ねぎ 1/2個
にんじん 1/2本
小松菜 1/2束
にんにく(みじん切り) 小さじ1
しょうが(みじん切り) 小さじ1
大豆(ドライパック) 1缶(110g)
バター 大さじ1(20g)
【B】
カレー粉 大さじ1と1/2~2
トマトケチャップ 大さじ1と1/2
中濃ソース 大さじ1と1/2
顆粒スープの素 小さじ1
塩・こしょう 各少々
ご飯 茶碗3杯
◆作り方
【1】【A】は細かく刻む。
【2】フライパンにバター、にんにく、しょうがを入れて中火で熱し、香りが立ったら玉ねぎ、にんじんを入れて炒める。
【3】【2】に豚肉を加えて炒め、色が変わったら大豆、【B】を加えて炒め、水1/2カップを加えて汁けがなくなるまで煮詰める。最後に小松菜を加えてしんなりするまで煮、ご飯にかける。
教えてくれたのは
みないきぬこさん
女子栄養大学を卒業後、料理研究家のアシスタントを経て2007年独立。料理家、フードコーディネーターとして料理雑誌や広告、メニュー開発など、幅広い分野で活躍中。女の子のママでもある。
『ベビーブック』2014年2月号
【7】小松菜と里いものチキン丼
たれにとろみをつけて「あんかけ」に。里芋にあんがよく絡み、ねっとりとおいしい。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
鶏ささみ肉 4本
里いも 6個
小松菜 1/4束
【A】
だし 160ml
しょうゆ 大さじ1
砂糖 大さじ1
【B】
片栗粉 大さじ1
水 大さじ1
ご飯 茶碗3杯
サラダ油 小さじ2
◆作り方
【1】里いもは乱切りにして、ゆでる。ささみは2cm角に、小松菜は2cm幅に切 る。
【2】鍋にサラダ油を熱してささみを炒め、色が変わったら、里いもと小松菜を加 えて炒める。【A】を加えて沸騰したら、 混ぜ合わせた【B】を加えてとろみをつける。
【3】器にご飯を盛り、【2】をのせ、汁を適宜かける。
教えてくれたのは
尾田衣子さん
「ル・コルドン・ブルー」 やイタリアにて料理を学び、料理研究家に。「料理教室Assiette de KINU」を主宰。親子で楽しむクッキングも人気。男の子のママ。
『ベビーブック』2016年1月号
構成/HugKum編集部