こんにちは。離乳食インストラクターの中田馨です。離乳食が進むにつれて調味料を風味付け程度に使い始めます。イロイロある調味料の中の「砂糖」。甘い砂糖なので使う量や頻度を考えてしまいます。今回は離乳食に砂糖を使う時の注意点や使い方を紹介します。
離乳食に砂糖を使うのはいつから?
赤ちゃんが砂糖を食べられるようになるのは離乳食後期(9カ月~11カ月)ごろから。離乳食の最初は、食材を水から茹でたり、だしで煮たりして素材そのものの味で離乳食を作るのが基本です。特に昆布だし、野菜だし、かつお昆布だし、ささみだしを使うと素材とだしの味がかけ合わさり、旨みを感じるので調味料が必要ないことがあります。特に砂糖で感じる「甘み」は、食材にもあるため調味料を入れる前に味見をして必要なければ入れなくてもいいです。
なぜ、離乳食の最初の頃に砂糖を使わないか?それは、赤ちゃんは甘いものが大好きだからです。きっと砂糖の甘みは、離乳食スタート時から気に入ることでしょう。しかし、この時に赤ちゃんに経験してほしいのは砂糖の甘みではなく「さまざまな食材の味」なのです。一通り、いろいろな食材にチャレンジして、食べることが好きになってからでも砂糖を経験するのでも遅くないのです。赤ちゃんが砂糖を食べられるようになるのは離乳食後期(9カ月~11カ月)ごろから。と最初に言いましたが、食材そのものの味を経験することを考えると、1歳以降でも遅くはありません。
離乳食で使える砂糖の種類や量は?
「砂糖」と一言で言ってもその種類はたくさんあり「どの砂糖が赤ちゃんに使えるのか?」「どう違うのか?」と迷います。私が離乳食づくりにおすすめしている砂糖は2つ。
離乳食でおすすめの砂糖
てんさい糖
まずは「てんさい糖」。てんさい糖は、日本では北海道で作られている「てんさい(サトウダイコン)」が原料の砂で甘みが優しい砂糖です。
きび砂糖
2つ目は、「きび砂糖」。きび砂糖は鹿児島や沖縄などで作られているサトウキビが原料で生成途中の砂糖液をそのままに詰めて作るのでミネラルが豊富です。
離乳食NGな砂糖
黒砂糖
黒砂糖には、はちみつと同じボツリヌス菌が含まれています。ですので、1歳未満の乳児には使いません。ボツリヌス菌と言うのは、土壌や海、湖、川などの泥砂中に分布する菌のこと。1歳未満の乳児がこの菌が含まれた食品を摂取すると乳児ボツリヌス症になることがあります。
量の目安は?
離乳食の調理に調味料を使う時の基本は、全て同じで「食材の持つ甘味やうまみを生かしながら風味付け程度に使用する」です。特に砂糖は、離乳食の調理に基本的に使わなくても良く、極少量にとどめます。使うのであれば、1回の食事で離乳食後期は小さじ1/4まで。離乳食完了期は小さじ1/2までです。
砂糖の代わりになるものは?
砂糖ではなく他の食材で代用できると嬉しいですね。例えば甘みが欲しい時と言えば「おやつ」ではないでしょうか?プレーンヨーグルトやパンケーキなどに甘みをプラスしたい時は、バナナやりんごなどの果物、さつまいもやカボチャなどの野菜、レーズン、プルーンなどのドライフルーツが砂糖の甘みの代わりになります。
砂糖不使用でも甘みのある離乳食レシピ
焼きりんごきんとん
甘みはさつまいもとりんご。バターでの風味がプラスして美味しい焼ききんとんです。
<材料>
さつまいも 40g
りんご 10g
バター 0.5g
<作り方>
1.さつまいもとりんごは皮をむいて適度な大きさに切り蒸し器で蒸す
2.1を潰して形作る
3.フライパンにバターを溶かし2を両面焼く
フルーツヨーグルト
プレーンヨーグルトに果物の甘さをプラスしたら食べやすくなります
<材料>
プレーンヨーグルト 40g
バナナ 10g
みかん 5g
<作り方>
1.バナナは皮をむき5㎜厚さに切る。みかんは薄皮をむく。
2.ヨーグルトに1を盛り付ける
煮りんご
熱を加えると、甘みが増して軟らかくなって食べやすくなります。赤ちゃんの月齢に合わせてつぶしましょう。
<材料>
りんご 40g
水 40ml~80ml
<作り方>
1.りんごの皮をむいて5㎜厚さにスライスする
2.鍋に1と水を入れて沸騰させ、ふたをして弱火で煮る
3.煮汁が少なくなったら火を止める
砂糖を絶対与えない方がいいのではなく、やはり甘みを感じることは「ホッ」とした美味しさを感じることでもあります。大人も砂糖の摂り過ぎはNGなのと同じように、乳幼児もそうです。ただ、赤ちゃんや幼児さんはその量を自分で調整できませんので、与える量と頻度を親が管理することが大切です。
記事監修
一般社団法人 離乳食インストラクター協会代表理事。中田家庭保育所施設長。現在13歳の息子の離乳食につまづき、離乳食を学び始める。「赤ちゃんもママも50点を目標」をモットーに、20年の保育士としての経験を生かしながら赤ちゃんとママに寄り添う、和食を大切にした「和の離乳食」を伝えている。保育、講演、執筆などの分野で活動中。自身が開催する離乳食インストラクター協会2級・1級・養成講座はこれまで2500人が受講。