国内での新型コロナウイルス感染が相次ぐ中、SNSではデマ情報が流れたりもしています。こうした非常事態のときはデマ情報に惑わされず、正しい知識をもって家族を守ることが大切! また報道では子どもに関する情報が少ないので、厚生労働省、日本小児科学会などのホームページから、子どもを守るための新型コロナウイルス情報をまとめました。
目次
そもそも新型コロナウイルスって何? 主な感染経路や症状は?
厚生労働省のホームページでは、新型コロナウイルスや感染経路などについて、次のように解説しています。
これまで人に感染する「コロナウイルス」は7種類見つかっており、新型コロナウイルス(SARS-CoV2)」は、その中の1つです。
コロナウイルの中でも4種類のウイルスは、一般の風邪の原因の10~15%(流行期は35%)を占め多くは軽症です。
感染経路は「飛沫感染」と「接触感染」の2つ
残りの2種類のウイルスは、2002年に発生した「重症急性呼吸器症候群(SARS)」や2012年以降発生している「中東呼吸器症候群(MERS)」です。
新型コロナウイルスの感染経路は現時点*(2020年3月1日)では、飛沫感染と接触感染の2つが考えられています。
飛沫感染とは、くしゃみや咳、唾と一緒にウイルスが放出され、未感染者がそのウイルスを口や鼻から吸い込んで感染することです。
また接触感染は、感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、その手で周りの物に触れるとウイルスが付着します。未感染者がその部分に触れるとウイルスが手に付き、目や鼻、口を触ったりして体内にウイルスが侵入し感染を引き起こすことがあります。
潜伏期間は、WHOによると現時点*では1~12.5日(多くは5~6日)と考えられおり、主な症状は発熱、咳、倦怠感(体のだるさ)、息苦しさなどです。
家族みんなで徹底したい!4つのキホンの予防法
新型コロナウイルスの主な感染経路は、飛沫、接触感染と考えられているので、予防は手洗いやマスク、消毒がキホンです。ユニセフや東北医科薬科大学病院のホームページで紹介されている予防のキホンについてまとめました。
1.手洗いはこまめに。20秒以上かけてていねいに洗う
新型コロナウイルスの予防には、石けんを使った手洗いやアルコール消毒が有効とされています。とくに手洗いは、家族みんなで徹底を! ①帰宅時、②調理や食事前、③咳やくしゃみ、鼻をかんだ後、④トイレの後、⑤ペットや動物などに触れた後など、こまめに手洗いをしましょう。手は流水で、20秒以上かけてていねいに洗ってください。タオルの使い回しもNG! 手を拭くときは、使い捨てペーパータオルがベターです。
正しい手の洗い方は、ユニセフのホームページで紹介されています。
2.マスクは隙間がないように正しくつける
マスクも予防には有効ですが、正しくつけないと効果がないので、鼻や頬の部分に隙間が空いていないかなどチェックしてください。
3.部屋は1~2時間おきに換気する
感染予防には部屋の換気も心がけましょう。1~2時間おきに、5~10分程度窓を大きく開けて空気を入れ換えてください。
4.家庭内で接触感染が考えられる場所は消毒する
新型コロナウイルスは接触感染でもうつるので、家庭ではテーブル、ドアノブ、階段の手すり、照明のスイッチ、リモコン、水栓レバーなど、家族がよく触る場所を1日1~2回消毒しましょう。消毒はアルコールを含んだウエットティッシュか、薄めた漂白剤(0.02%次亜塩素酸ナトリウム水溶液)を使います。
漂白剤で消毒するときは、漂白剤の原液10mℓ(ペットボトルのキャップ2杯分)を、2ℓの水で薄めて使います。ただし漂白剤で消毒する場合は、拭いた場所が錆びることがあるので、消毒後は水拭きしてください。
またNHK NEWS WEBによると「無水エタノール」を薄めると家庭で消毒液を作ることもできますが、誤って燃料用のアルコール「メタノール」を購入される方もいるそう。メタノールの原液は日本では劇物に指定され、多量に摂取すると、吐き気やめまい、こん睡や発作などの意識障害を起こす恐れがあるので、くれぐれも注意を!
もし、子どもが新型コロナウイルスに感染したら?
日本小児科学会のホームページによると、現時点*(2020年2月28日)では小児に関する情報が少なく不明な点が多いそう。しかしこれまでの報告を合わせると、小児の場合は、家庭内で感染しているケースが多く、症状は発熱、乾いた咳、倦怠感を訴える一方で、鼻水や鼻づまりは比較的少ないようです。
また一部では嘔吐、腹痛、下痢などの消化器症状が見られますが、胸部エックス線検査や肺のCT検査を行うと肺炎が認められた場合でも、ほとんどが1~2週で回復しています。
ただし小児ぜんそくなどの合併症を持っている場合は、重症化する可能性があるので注意が必要です。
子どもの場合は、発熱や呼吸の状態を見て医療機関に相談を
現時点*(2020年3月2日)において、国内で子どもが新型コロナウイルスに感染したケースは数例に留まっていますが、発熱などがある場合は、一般の医療機関や休日夜間急病診療所などを受診しても、診断を確定するための検査はできません。むしろ受診によって、新型コロナウイルスの感染のリスクを高める危険性があることを理解しましょう。
また厚生労働省では、新型コロナウイルスを疑う基準を「37.5℃以上の発熱が4日」としていますが、これは小児の風邪だと多くが該当してしまいます。
そのため小児の場合は
①原因不明の発熱が続く
②呼吸が苦しい
③水分が摂れない
④ぐったりしている
などの様子が見られるときは、速やかに医療機関に相談を。
ただし小児であっても、健康観察対象者や感染の疑いがある人との濃厚接触があった場合は、まずは地域の帰国者・接触者相談センターに問い合わせてください。
妊婦さんは肺炎になると重症化しやすいので、下の子妊娠中のママは要注意!
日本産婦人科感染症学会によると、妊娠初期・中期に新型コロナウイルスに感染した場合、流早産を引き起こす可能性は高くないと考えられています。現在(2020年3月2日)のところ、胎児奇形の報告もありません。しかし⼀般的に妊婦さんの肺炎は重症化する可能性が考えられます。そのため予防は必須! 人混みも避けましょう。
また本人や家族が、たとえ軽症でも新型コロナウイルスに感染している可能性があるときは、妊婦健診の受診は控えてください。妊婦健診は妊娠経過が正常な場合は 1~2 週ずらすことは可能です。ただし不正出血やお腹の痛み、破水感など気になる症状がある場合は受診が必要なので、いずれにしても主治医に電話で相談しましょう。
文・構成/HugKum編集部