離乳食の10倍粥の作り方|鍋や炊飯器、電子レンジの簡単な方法からアレンジレシピも紹介

こんにちは。離乳食インストラクターの中田馨です。赤ちゃんが離乳食でいちばんはじめに食べる食べ物と言えば「おかゆ」です。今日は10倍かゆについてお話しますね。

離乳食の10倍かゆはいつまで食べる?

離乳食初期は、大人が普段食べているおかゆではなく、米:水が1:10の「10倍かゆ」を食べます。

離乳食初期の2か月間。最初は裏ごしを

10倍かゆは、離乳食初期の2か月間食べます。最初の1カ月は10倍かゆを裏ごしした10倍つぶしかゆを食べ、2カ月目は10倍かゆを食べます。その後、お米の割合が少し多いものへと移行してきます。

10倍かゆの次のステップは?

離乳食初期に10倍つぶしがゆ、10倍かゆを2ヶ月かけて食べたら次のおかゆにチャレンジです。

離乳食中期は米:水が1:7の7倍かゆを食べ始めますが、10倍かゆから急に7倍かゆにすると戸惑ってしまう子もいます。9倍かゆ、8倍かゆと日にちをかけて、徐々に水分量を減らしながらステップアップしていきましょう。

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10倍かゆの炊き方(鍋・土鍋)

鍋や土鍋を使ったおかゆの炊き方

おかゆは、土鍋やフタのあるフチの厚い鍋で炊くと、とてもおいしく作ることができます。以下の分量なら、少し小さめの鍋を用意しましょう。

<材料>

米 15g
水 150ml

<作り方>

1.お米を3回程度洗って水を切り、30分浸水します
2.フタをした鍋を強火にかける
3.沸騰したら弱火にして20~30分炊き、その後火を止めて10分蒸らします

吹きこぼれそうなときは蓋を少し開けましょう。途中で、焦げていないか心配になったらふたを開けてかき混ぜてもOKです。

10倍かゆを炊飯器で炊く方法

大人のごはんと一緒に炊く

土鍋で炊くおかゆが美味しいのはよくわかる! けれど、鍋で10倍かゆを作ると少量ではなかなか作りにくく、どうしても量が膨れ上がります。

出来立ての10倍かゆをもっと手軽に作るのは、大人のごはんと一緒に炊飯器で炊く方法です。耐熱の小さい容器を準備しましょう。

<材料>

米 15g
水 150ml

大人用のお米と水(炊きたい分量を用意します)

<作り方>

1.大人用のお米を洗い、いつものように炊飯器に入れる
2.赤ちゃん用のおかゆの米と水の分量を耐熱の器に入れ、炊飯器の中央に入れる
3.炊飯器をスイッチオン

これだけで少量のおいしいおかゆの出来上がりです!

まとめて炊いてストックする

出来立てのおかゆが美味しい!とはいえ、毎回10倍かゆを炊くのは時間と手間がかかる場合もあると思います。そんな場合は、炊飯器でまとめて作って冷凍庫でストックするのも良いでしょう。

お子さんが1食にどれくらい食べるかにもよりますが、米30g、水300mlで炊いたら約4食分の10倍かゆができるはずです。ですから例えば米1合で作ったら、ビックリするくらい膨れますので注意してください。なので、まずは米60~70gくらいで作ってみて赤ちゃんの食べる様子を見つつ、炊く量の調節をしてもいいかなと思います。

<材料>

米 60g
水 600mℓ

<作り方>

1.米を3~4回、水をかけながら洗う
2.炊飯器に米と分量の水を入れ、「おかゆモード」にして炊く
3. 1食分に小分けにできる清潔な容器に入れて冷凍する

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裏ごしのしかた

「離乳食の最初は10倍かゆ」なのですが、最初の最初は10倍かゆを更につぶした「10倍つぶしがゆ」を食べます。

これまで母乳や育児用ミルクしか口にしたことのない赤ちゃんです。口の機能も内臓機能もまだ整っていませんので、できる限り水分に近いものを与えるべく、おかゆもトロトロに裏ごしします。

裏ごし器で

最初の1カ月の10倍つぶしがゆは、10倍かゆを裏ごし器で裏ごしします。裏ごしした10倍かゆは、のりのように粘っこくなります。このままでは食べにくく飲み込みにくいので、10倍粥を裏ごししたら、おもゆかお湯でトロトロのポタージュ状にしましょう。

ブレンダーで

一度にたくさんの10倍つぶしがゆを作る場合は、裏ごし器だとなかなか時間がかかってしまうので、ブレンダーやミキサーを使ってもいいでしょう。使う前に、熱湯をかけて消毒して清潔なものを使用してください。

ブレンダーやミキサーを使うと、おかゆが粘っこくなる場合があります。その場合は湯冷ましを加え滑らかにしましょう。

10倍かゆの冷凍方法

多めに作った10倍かゆを、安心して赤ちゃんに食べさせるための冷凍保存する方法です。

1食分ずつ小分けにして冷凍保存

多めに作った10倍かゆは、赤ちゃんが食べる1食分量を清潔な密閉できる容器に入れて冷凍保存します。

保存期間

冷凍保存した10倍かゆは、衛生面も考え1週間で食べきるようにします。1週間で食べきる量を作ってくださいね。

解凍するときは加熱

食べさせる時は、自然解凍ではなく必ず再加熱します。

電子レンジで加熱する場合は、中に火が通らない場合がありますので、途中で止めて混ぜて更に加熱して全体に火が通るようにしましょう。

鍋で加熱する場合は、冷凍したおかゆと少しの水分を入れ、ふたをしつつ弱火でゆっくり加熱します。こちらも時々ふたを開けて混ぜながら全体に火が通るまで加熱します。

10倍かゆのアレンジレシピ

赤ちゃんが10倍かゆに飽きてしまったら?  時には10倍かゆにトッピングするのも一つの方法です。赤ちゃんが好んで食べてくれる食材をトッピングしていましょう。

かぼちゃがゆ

<材料>

10倍かゆ 一食分
かぼちゃ 10g

<作り方>

・かぼちゃの皮、種、ワタを取り除く

1.お湯でかぼちゃを湯がく
2.裏ごししておかゆの上にのせる

しらすとにんじんのおかゆ

<材料>

10倍かゆ 一食分
しらす 5g
にんじん 5g

<作り方>

・しらすはお湯でゆがいて塩抜きする
・にんじんは皮をむいて茹でやすい大きさに切る

1.お湯でにんじんを湯がく
2.そえぞれ裏ごしして、おかゆの上にのせる

10倍かゆの作り方をマスターすれば、その後の7倍かゆ、5倍粥かゆも水の分量を変えるだけ。手順は同じです。毎日の離乳食づくりに役立ててくださいね。

記事執筆

中田馨|離乳食インストラクター

一般社団法人 離乳食インストラクター協会代表理事。中田家庭保育所施設長。現在13歳の息子の離乳食につまづき、離乳食を学び始める。「赤ちゃんもママも50点を目標」をモットーに、20年の保育士としての経験を生かしながら赤ちゃんとママに寄り添う、和食を大切にした「和の離乳食」を伝えている。保育、講演、執筆などの分野で活動中。自身が開催する離乳食インストラクター協会2級・1級・養成講座はこれまで2500人が受講。

初めての10倍かゆの反応は? ママパパ体験談

HugKumでは、0~1歳のお子さんがいるママやパパ118人に、10倍かゆを食べたときの赤ちゃんの様子についてアンケートで聞いてみました。

Q.初めて10倍かゆを食べたときの様子はいかがでしたか?

Q.離乳食でお子さんが初めて10倍粥を食べたときの食いつきはいかがでしたか?

「とてもよく食べた」が18.6%、「よく食べた」が23.7%と、4割以上のママやパパが、初めての10倍かゆの赤ちゃんの反応はよかったと回答しました。普通に「食べた」が26.3%や、「あまり食べなかった」も23.7%を占め、赤ちゃんの反応もさまざま。

10倍かゆを初めて食べさせたときの、ママやパパ体験談もご紹介します。

ママパパの体験談

「食べるというよりぺろぺろしているのがかわいかった。また、おいしかったのか、にこーっと笑い、そうすると口の端から口に入ったおかゆが流れてしまうのが、困ったけどかわいかったです。」(30代・広島県・子ども4人)
「事前に1週間くらい粉ミルクを匙で飲む練習をしていたので、10倍粥も抵抗なく食べた。ご飯が好きなのか、次の1口を欲しがる様子をみせた。 (30代・静岡県・子ども1人)
「ミルクも嫌いで飲めなかったのでご飯を食べたときは嬉しそうだったし私も嬉しかった」(30代・滋賀県・子ども1人)
「お粥の食感があまりすきではなかったらしく、すぐに口からだされた。」(30代・東京都・子ども1人)
「元々、ミルクも母乳もあまり飲まない子だったので、想定通り離乳食2口くらいでもういらないと拒否された」(30代・東京都・子ども2人)
「スプーンにひとさじで初めて食べたときは不思議そうな顔をしながらも食べていました。」(20代・埼玉県・子ども1人)

10倍かゆから始まった離乳食も、時期がすすむにつれて食材食感ともにバラエティに富んだ内容になっていきます。食を楽しむ最初の一歩として、この時期をじっくり見守ってあげましょう。

構成/HugKum編集部

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