友だちからの心ない言葉に傷ついている4歳の娘。親としてどうしたら?【愛子先生の子育てお悩み相談室】

子育ては日々悩みの連続ですね。保育者歴47年、常に子どもに寄り添い、ママたちからの信頼も厚い自主幼稚園「りんごの木」の柴田愛子さんが、豊富な経験を元に、悩めるお母さんにアドバイス。

幼稚園で友だちからの心ない言葉に傷ついている娘。どうしたらいいのでしょう?

幼稚園の友達トラブルで相談です。娘が「Aちゃんのお名前を何回も呼んだら“うるさいからあっち行って!”って言われて、遊んでくれなかった」「園庭に出るときAちゃんに“待って”って言ったら、“うん”って言ったのに待ってくれなかった」と言うのです。Aちゃんとは仲良しだったので、余計に悲しかったのだと思います。私は「そうかあ、悲しかったね」と娘の気持ちを受け止めて話を聞いてあげました。「お母さんも悲しい?」と聞いてくるので「〇〇ちゃんが大好きだから、ママも悲しいよ」と言ったら、安心した様子でした。でも今でも、Aちゃんの言葉に傷つくことがあるようです。このまま様子を見ていて大丈夫ですか。(4歳の女の子のママ)

人間関係を深めて行くには必要な経験です。子どもの気持ちに寄り添って見守りを

親子で話したときのお母さんの対応は素晴らしいです。お母さんに共感してもらって、安心したと思います。

友達関係はいくら仲良しでも、相手を鬱陶しく感じるときって大人でもありますよね? 子どもだって同じです。すごく仲良しでもだんだん他の子に興味が湧いてきたり、他の遊びに魅力を感じ始めてあそばなくなることはよくあります。そして、次の友だち関係を持っていきます。

子どもは、今の自分にとって必要な子と友だちになります

ここが大人と違うところです。一度友だちになったら永遠なんて縛られません。言い換えると、今、自分にとって必要な子と友達になります。ところが、二人が同じスピードで外を向くとは限らないので、ぎくしゃくしてしまいます。でも、こうした経験を通して、自分の気持ちや相手の気持ちを認識できるようになるのです。相手とうまくいかなくなったとき、少し気が沈むさみしい気持ちを経験しますが、そのことで外の世界に目が向き新しい友だちを作ることになります。相手とのつきあい方を変えてみたりもします。子どもってたいしたものです。3歳からの友だちが親友という例もありますが、数少ないと思います。

お母さんとしては心配でしょうが、これまでのように子どもの気持ちに寄り添ってあげれば大丈夫。子どもはトラブルを通して、自分で気持ちを立て直す方法を見つけていくものです。

 

教えてくれたのは

柴田愛子|保育者・自主幼稚園りんごの木代表

保育者。自主幼稚園「りんごの木」代表。子供の気持ち、保護者の気持ちによりそう保育をつづけて半世紀。小学生ママ向けの講演も人気を博している。ロングセラー絵本『けんかのきもち』(ポプラ社)、『こどものみかた』(福音館書店)、『あなたが自分らしく生きれば、子どもは幸せに育ちます』(小学館)など、多数。親向けの最新刊に『保育歴50年!愛子さんの子育てお悩み相談室』(小学館)がある。

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母から厳しいしつけを受けて育ち、気持ちをうまく表せない私。子どもの接し方に悩みます。【愛子先生の子育てお悩み相談室】
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イラスト/海谷泰水

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