フローリングや畳に比べ、毛の間にゴミがたまりやすいカーペットは、掃除を行う際にコツが必要です。カーペットをきれいに掃除するには、どのような点に注意すればよいのでしょうか?また、汚れが付いたときの落とし方やダニ対策を紹介します。
目次
まずは基本 カーペットの掃除機がけ
カーペットをきれいに保つためには、日々の掃除機がけが大切です。カーペットの掃除機がけをする際の、基本のやり方を紹介しましょう。
毛並みに逆らって、ゆっくり動かす
カーペットに掃除機をかける際のポイントは「毛並みに逆らってかけること」です。
毛並みに沿うようにかけてしまうと、毛の間に入り込んだゴミを吸い込みづらくなり、効果が半減してしまいます。そのため、毛を起こすように掃除機をかけ、奥にあるゴミやホコリを吸い込みましょう。
このとき、掃除機を持つ手に力を入れすぎないようにすることもポイントです。
背筋を伸ばして掃除機を軽く持つことで、掃除機に余計な力がかかりません。掃除機でカーペットの毛を押しつけてしまうことがないため、ゴミを吸い込みやすくなるのです。
掃除機は「1往復あたり5~6秒」かけて、ゆっくりと一定のスピードで動かしましょう。ゆっくり動かすことで、カーペットの毛の間にあるゴミもしっかり吸い込むことができます。
十字にかけてしっかり吸い取る
フローリングの床であれば、一方向に掃除機をかけるだけでも十分にゴミを吸い取れます。
しかし、カーペットの場合は、毛の間にゴミがたまっていることが多いため、それを取り除くには一方向では足りません。
まずは一方向に掃除機がけを行い、完了したら90度向きを変えて同じように掃除機をかけましょう。特に汚れが気になる場合には、縦・横に加えて斜め方向も追加するとより効果的です。
掃除機以外にはどのような掃除方法がある?
カーペットを掃除する方法は、掃除機だけではありません。掃除機以外では、どのような方法があるのでしょうか?
粘着式クリーナーで簡単お掃除
しっかりと掃除機がけを行っても、カーペットの毛に絡まった髪の毛やペットの毛など、どうしても取り切れないこともあるでしょう。そのようなときは「粘着式クリーナー」を使って掃除をしてみましょう。
粘着性が高いものを使用すれば、カーペットに絡みついたゴミをよりしっかりと取り除くことが可能です。掃除機がけと同じように、いろいろな方向からかけることが効果的です。
また、気づいたときに手軽に掃除しやすいのも粘着式クリーナーのメリットです。いろいろな種類が販売されているため、粘着テープのはがしやすさなどにも注目して、使いやすいものを選びましょう。
ゴム手袋で毛やホコリをきれいに
カーペットの毛に絡みついた髪の毛やホコリをきれいにできる意外なアイテムが「ゴム手袋」です。ゴム手袋を手にはめてカーペットをなでるようにこするだけで、面白いようにゴミが取り除けます。
これは、ゴムがホコリなどを粘着させやすいという性質を利用した方法です。なでることで静電気が発生し、よりくっつきやすくなります。
力を入れず円を描くようにゆっくりとカーペットをなでて、出てきたゴミを1カ所に集めましょう。最後に掃除機で吸い取れば完了です。
使うゴム手袋は新しいものでなくても構いません。食器洗いなどに使った古いものを再利用しましょう。
重曹でニオイをすっきりオフ
カーペットを長い間使用していると、ニオイが染み付いて気になることもあるでしょう。そのようなときに役立つのが「重曹」です。
寝る前など長時間カーペットを使用しない時間に、重曹をカーペットの表面にまんべんなく振りかけます。一晩おいて朝になったら、ゆっくり掃除機をかけ重曹を取り除けば、ニオイがすっきりなくなるでしょう。
重曹はニオイだけでなく酸性の汚れも吸着してくれるため、カーペット掃除には用意しておきたいアイテムです。
普段のお手入れに使用したい場合には、重曹を水に溶かした「重曹水」を用意しておきましょう。水100mlに対して重曹小さじ1程度を混ぜ合わせておきます。ニオイが気になるときに散布すれば、簡単に消臭効果が得られます。
部分的なシミや汚れを落とす方法
子どものいる家庭においては、カーペットの上に飲み物などをこぼしてしまうことは多いものです。部分的なシミや汚れを落とすには、どのような方法があるのでしょうか?
飲み物やソースなど 水溶性の場合
ジュース・コーヒーなどの飲み物やソースなど、水溶性のシミが付いたときには、まず早めに水分を取り除くことが重要です。
ティッシュやタオルなどをシミの上に乗せ、軽く押さえて水分を吸い取りましょう。このとき力を入れすぎたりこすったりすると、逆にシミを広げてしまう可能性があるため、あくまでも軽く押さえるのがポイントです。
次に、台所用洗剤など中性洗剤を水で薄めて染み込ませた布を用意します。それをシミの上に置いて、上からトントンと叩くようにして汚れを布に移していきましょう。
面を変えながら汚れを取り除き、最後に洗剤が残らないよう水拭きをすれば完了です。
マヨネーズやインクなど 油性の場合
マヨネーズや油・インクなど油性のシミの場合にも、まずはタオルで表面の汚れを取り除きます。
その後、乾いた布にアルコールを染み込ませてシミの上に置き、上から叩きましょう。アルコールがない場合には、除光液で代用できます。
ある程度汚れが布に移ったら、水溶性の汚れと同じように水で薄めた中性洗剤を染み込ませた布で汚れを取っていきましょう。アルコールや中性洗剤がカーペットに残らないように、最後は水拭きで仕上げます。
嘔吐物の場合
子どもやペットがいると、体調が悪いときに嘔吐してしまうことがあります。嘔吐物がカーペットに付いてしまった場合には、汚れだけでなくニオイも気になるため早めに掃除することが大切です。
まずは、表面の汚れをなるべく取り除きましょう。その後、汚れた部分に重曹水をたっぷりかけ、キッチンペーパーなどで吸い取ります。これをニオイがなくなるまで繰り返せば完了です。
もしニオイが残ってしまったときには、重曹をたっぷりかけ水分を吸わせましょう。2~3時間たって重曹が乾いたら、それを取り除くことでニオイもなくなります。
気になるダニ 効果的な退治方法はある?
カーペットでは汚れやニオイだけでなく、ダニも気になります。掃除機をかければダニを減らせますが、ダニは細かい繊維の間に入り込んでしまうため、掃除機だけで完全に取り除くことは困難です。
では、カーペットのダニを退治するには、どのような方法が効果的なのでしょうか?
スチームアイロンを使う
ダニは高温で死滅します。そのため、カーペットのダニ退治にはスチームアイロンが効果的です。スチームをカーペットにまんべんなくあてることで、ダニ退治ができます。
「1カ所30秒程度」を目安に、なるべくゆっくりとあてていきましょう。このとき、カーペットが焦げたり変色したりしないよう、濡らした布やタオルを敷いた上からあてます。
スチームをあてない場所があると、そこにダニが逃げ込んでしまうため、すべての場所にしっかりあてるようにすることも重要です。
最後に、掃除機でダニの死骸を吸うことを忘れないようにしましょう。
布団乾燥機を使う
布団乾燥機には、乾燥だけでなくダニ対策機能が付いている機種もあります。ダニ対策機能があれば高温の温風を出せるので、カーペットのダニ退治に使うことも可能です。
布団乾燥機を使ってダニを退治するには、カーペットの上に布団乾燥機をセットします。温風が逃げないように上から布団などで覆ってから作動させましょう。
機種にもよりますが、数時間使用すればダニ退治ができます。最後に、ダニの死骸を掃除機で吸い取りましょう。
ダニが好む環境を作らないことが大事
なるべくダニが発生しないようにするには、ダニが好む環境を作らないことが大切です。
カーペットに汚れが残っていると、それをエサにしてダニが繁殖してしまいます。そうならないよう、日ごろからこまめに掃除をするよう心がけましょう。
また、高い湿度もダニが好む環境です。換気をしっかりして、部屋の湿度が高い状態を維持しないように気をつけましょう。
思い切ってカーペットを丸洗いしよう
カーペットの汚れが気になるなら、思い切って丸洗いするのもおすすめです。カーペットの丸洗い方法を紹介します。
洗濯機で洗うときは必ずネットに入れる
カーペットの洗濯表示を確認し、洗濯機OKなら洗濯機で洗いましょう。このとき、汚れている部分が表になるようにし、屏風のように折り畳むことで汚れをしっかり落とせます。
そのまま洗濯機に入れると生地が傷んでしまう場合もあるため、必ず洗濯ネットを使いましょう。洗濯機に毛布など大物が洗えるコースがあれば、それを選ぶのがおすすめです。
洗い終わったらカビが生えないように、なるべく早く乾かしましょう。
洗濯機に入らない場合はお風呂場で
洗濯機に入らない大型のものや手洗い表示のものは、お風呂場で洗いましょう。
まず、浴槽にお湯をためて洗剤を溶かし、カーペットをつけ置きします。1~2時間たったら、足でカーペットを踏んで汚れを落としていきましょう。
汚れが落ちたら、洗剤が残らないようにしっかりとすすぎ洗いをします。浴槽のふちにカーペットをかけて軽く水を切った後、日当たりのよい場所で乾かせば完了です。
自宅で洗えないならコインランドリーを利用
自宅で洗うのが難しいなら、コインランドリーを利用するのがおすすめです。コインランドリーなら大型の洗濯機や乾燥機があるため、カーペットの洗濯も楽にできます。
コインランドリーを使う場合、カーペットの洗濯表示で乾燥機OKかをチェックしておきましょう。乾燥機がNGだと、コインランドリーから持ち帰るのが大変になるため、事前に確認しておくことが大切です。
こまめな掃除でカーペットの清潔を保とう
カーペットは、こまめに掃除を行うことで気持ちよく利用できます。最低でも週2回程度は掃除機をかけ、ゴミやホコリを取り除いておきましょう。
また、シミができたときには、シミの種類にあった方法で早めに掃除することが大切です。必要に応じて掃除機以外のアイテムも活用し、カーペットを清潔に保ちましょう。
文・構成/HugKum編集部