じゃがいもはいつから食べられる?

じゃがいもは離乳食初期からOK
じゃがいもはくせがなく、離乳食初期から食べられ、完了期、それ以降の子どもの食事に大活躍する食材です。旬は春と秋ですが、年中流通しています。
裏ごししなくても潰してお湯や出汁などでのばすだけでペースト状になり、くせがないので、使いやすい食材です。
栄養価はでんぷんを多く含み主食としても利用できます。ビタミンCやカリウムが豊富です。じゃがいものビタミンCは熱を加えても壊れにくく優れています。すりおろすととろみも出やすいので、いろいろなレシピに重宝します。
じゃがいもにアレルギーはある?
離乳食の時期は赤ちゃんの消化器官がまだ未熟なため、アレルギーを発症する場合があります。じゃがいももそのひとつで、扱いやすい食材ですが稀にじゃがいもに含まれるタンパク質によってアレルギー症状が出る場合があります。
症状としては口の周りに赤く湿疹が出る・口の中のかゆみなどです。じゃがいもに含まれるでんぷんにもタンパク質が含まれているため、つなぎやとろみに使う片栗粉も同様に症状が出る場合があります。
初めて与えるときは加熱したものを1さじずつ様子を見ながら与えましょう。症状が出た場合はすぐに医師に相談ができるよう、午前中に与えるのがおすすめです。
時期別の進め方

離乳食初期
【5~6ヵ月/開始~1ヵ月】唇を閉じて飲み込む練習(そのままごっくんと飲み込める固さ)
おかゆに慣れた頃からペースト状にして飲み込む練習に使います。柔らかく茹でたもの、または電子レンジで加熱して柔らかくしたものをすりつぶしてお湯でのばしましょう。お湯の量を調節して、ドロドロ~ベタベタのペースト状にして進めます。
量の目安
10gくらい
離乳食中期
【7~8ヵ月/開始2ヵ月頃~】舌と上あごを使って押しつぶす練習(舌で潰せる固さ)
まだ歯が生えていないので、舌とあごで押しつぶして食べます。柔らかく茹でたじゃがいもをフォークなどで潰して細かくします。冷めると固くなり粘りが出るので、温かいうちに煮汁などでのばして少し粒が残る程度にします。
量の目安
10~15gくらい
離乳食後期
【9~10ヵ月/開始4ヵ月頃~】歯茎ですりつぶす練習(歯茎で潰せる固さ)
前歯が生える頃で歯茎も硬くなるので、舌と歯茎で押しつぶして食べます。柔らかく茹でたてスティック状や5㎜角のサイコロ状にして手づかみしやすい大きさにしてみましょう。じゃがいものペーストを合わせれば、他の食べにくい食材を食べやすくすることもできます。
量の目安
15~20gくらい
離乳食完了期
【11~12ヵ月/開始7ヵ月頃~】前歯でかじり取る練習(歯茎で嚙み潰せる硬さ)
前歯でかじり取って歯茎を使って食べます。手づかみ食べができるスティック状や千切りなど切り方を変えていろいろな触感を楽しむのもいいですね。
量の目安
30gくらい
下ごしらえと冷凍保存
下ごしらえ
皮をむいて、芽を取り除いてから調理します。※じゃがいもの芽は毒性があるので必ず取り除いてください。
レンジを使った方法
洗ったじゃがいもを皮のままラップに包み、電子レンジで3~4分加熱するとホクホクになり甘みも増すのでおすすめです。じゃがいもは詰まりやすいので、多めの水分でのばしましょう。固さも水分量で調節します。
じゃがいもをすりおろしてから水を加え、電子レンジで加熱してもOK。加熱後に混ぜ合わせるのがポイントです。
鍋を使った方法
初期におすすめ
皮をむいて1口大に切ったものを鍋にかぶるくらいの水を入れ水から茹でていきます。沸騰して弱火で柔らかくなるまで煮ます(5分~10分程度)。ペースト状にするときは茹で汁を使って伸ばすと便利です。
後期におすすめ
よく洗ったじゃがいもを皮ごと鍋に入れたっぷりの水で茹でます。沸騰してから弱火で10分~20分竹串がすっと通ればOK。皮つきなので水っぽくならずおすすめです。
冷凍保存方法
じゃがいもは大きめのものを冷凍すると水分量が多く、解凍してもパサパサになります。冷凍する場合は柔らかく加熱したものを潰してペースト状にしたものがおすすめ。またはみじん切りの状態にして冷凍しても。

保存期間
冷凍したものは2週間くらいを目安に使い切りましょう。
じゃがいもを使った離乳食の時期別レシピ
<離乳食初期> じゃがいものペースト
裏ごしすると滑らかになるじゃがいものペースト。ほくほくなので野菜スープを少しずつ加えて、最初はゆるめのペーストからスタートさせましょう。

材料(1食分)
じゃがいも 15g
野菜スープ少々
作り方
1. 茹でたじゃがいもの皮をむきます。あらかじめ1/4程のサイズに切り、ラップをかけて1分ほど加熱し柔らかくします。

2. 2cm角の大きさに切ったじゃがいもを潰し、野菜の出汁でのばしたらできあがり(一度にたくさんの量を潰すときは、マッシャーやブレンダーを使うと手早くできます)。
離乳食の進み具合によって加えるスープの量を変えて、固さを調節しましょう。残ったペーストは冷凍庫で約3日間保存も可。
<離乳食中期> ヴィシソワーズ
オシャレなイメージのヴィシソワーズを離乳食で。じゃがいも、玉ねぎ、最後に加えた牛乳の風味がおいしい。

材料(1食分)
じゃがいも 25g
玉ねぎみじん切り 5g
野菜スープ 50mL
牛乳 大さじ1
作り方
1. みじん切りにした玉ねぎが透き通るくらいまで野菜スープで煮たら、<初期>で作ったじゃがいものペーストを加えます。

2. 牛乳大さじ1を加えて、ひと煮たちさせたら完成。お好みで乾燥パセリをかけてください。
<離乳食後期> 青のりポテトのおやき
歯茎が硬くなる後期から、食べやすい大きさにして手づかみでパクパク食べられる食事も始められます。しらす、青のりが入ったカルシウムもしっかり取れるおやき。

材料(1食分)
じゃがいも 35g
しらす 5g
青のり 少々
片栗粉 少々
作り方
1. しらすを湯通しします。<初期>1と同じように茹でて柔らかくしたじゃがいもを潰し、湯通ししたしらす、青のり、片栗粉を混ぜて一口サイズに成形します(水分が足りない場合は、茹で汁を少量加えるとまとまりやすくなります)。

2. 一口大に成形したじゃがいもをフライパンで焼きます。

3. 焼き色がついたらできあがり。
<離乳食完了期> じゃがいものサモサ
手づかみ食べが楽しめる1品です。おやつにもおすすめ。じゃがいもペーストにいろいろな食材を加えてアレンジしてみましょう。
材料(1食分)
じゃがいも 30g
ツナ 10g
玉ねぎ 5g
グリンピース 10g
塩少々・カレー粉少々
餃子の皮 4枚
サラダ油(揚げ油) 適量
1. じゃがいもは皮ごと水にさらしてラップに包み電子レンジで600Wで1分40秒を目安に加熱します。玉ねぎはみじん切りにして耐熱容器に入れてふんわりとラップをして600Wで40秒加熱しておきます。グリンピースも同様に耐熱容器に入れて電子レンジで加熱します。
2. じゃがいもが熱いうちに油や水気をきったツナ・加熱した玉ねぎとグリンピースを入れ、カレー粉と塩で味を調えて混ぜ合わせます。
3. 2の材料を餃子の皮で包み、フライパンに多めの油をしき、皮がこんがりときつね色になるまで揚げ焼きにしたら出来上がり。

記事監修

病院内にて妊産婦・乳幼児の栄養指導に従事。東京・小金井市のもぐもぐ子ども調理室にてレシピ監修、講義サポート、離乳食・幼児食講座を担当。
離乳食のじゃがいもに関する体験談
HugKum編集部では、1~2歳のお子さんがいるママやパパを対象に、離乳食のじゃがいもに関するアンケートを実施しました。まずは、お子さんがじゃがいもを食べた様子についてお聞きしました。
Q.離乳食でお子さんはじゃがいもを好んで(嫌がらずに)食べてくれましたか?

3割を超えるお子さんがじゃがいもを好んで食べ、約88%のお子さんが食べられています。じゃがいもは、お子さんにとって好きな食材のひとつと言えそうです。ご家庭でも入手しやすく、メニューのバリエーションも持たせやすい野菜なので、扱いやすいですね。
ママパパの体験談
じゃがいもはさまざまな味付けができるので便利ですね。しっかり潰したり、茹でて出したりパパママたちは工夫しているようです。 潰し方にムラがあると固い部分が残ってしまうので、注意が必要です。
この記事内のメニューも参考にして、じゃがいもを離乳食に取り入れてみてください。
「蒸したじゃがいもをよくあげていますが、好きなようでよく食べてくれています。 いろいろな味付けに合うので、角刈りに切って蒸かして冷凍しておいたものを、解凍してよく使っています。 時々蒸かしたときに黒っぽくなったり、ガリッとしたりすることがあるので気をつけています」 (30代・神奈川県・子ども2人)
「ペースト状にして牛乳と合わせたクリームポテトは好きだが、サイコロ状やスティック状はあまり好きではないようだった」(40代・東京都・子ども1人)
「ポタージュはあまり好まず食べてくれなかったが、固形で茹でたものを一口の大きさにして出すと好んで食べてくれた」(30代・千葉県・子ども2人)
「噛まずに食べがちな息子だが、じゃがいもは歯茎で簡単に潰せるので、よくおやきにしたり柔らかく煮たりして使っている」(30代・神奈川県・子ども1人)
「少しでも固形な部分があるとすぐに出していたので、全体を潰すのに苦労しました」(30代・東京都・子ども3人)
協力/アヤキッチン 構成/HugKum編集部 写真/田中麻衣