「赤ちゃんの鼻がつまって苦しそう…」そんなときにはなんとかしてあげたくなりますが、具体的な対処法や改善法はあるのでしょうか。この記事では、赤ちゃんの鼻づまりの原因、鼻づまりの症状、鼻くそが鼻づまりで見えないときの対処法、予防法などをご紹介します。
目次
新生児の鼻づまりの原因
赤ちゃんの鼻づまりの原因には、どんなことが考えられるのか、解説していきましょう。
風邪
大人でも風邪をひいたときには鼻づまりを起こしますが、赤ちゃんも同じです。風邪の場合、ウイルスによって鼻の粘膜が刺激されることが原因で、鼻水が出たり、鼻づまりが起きてしまいます。
アレルギー
アレルギー反応によっても鼻づまりが起きます。考えられるアレルギーには、花粉やホコリ、ハウスダストなどがあり、それらが鼻に入ることで鼻水が出て、鼻がつまります。また、鼻づまりに加えてくしゃみを伴う場合もあります。
赤ちゃんの鼻水が出ない…新生児の鼻づまり症状
人は、体が成長すると鼻呼吸と口呼吸を行えますが、新生児は口呼吸がうまくできません。そのため、鼻づまりを起こすと次のような症状が出てくることもあります。
呼吸困難
鼻がつまることで、規則的に呼吸ができなくなり、呼吸困難を起こしたり、一時的に呼吸が止まることもあります。とくに、生後3か月くらいまでは注意が必要です。
夜泣き・寝ない
赤ちゃんは自力で鼻をかむことはできませんので、鼻がつまった状態が続くと不快で、呼吸もうまくできなくなります。そうすると当然、寝苦しい状態です。また、寝付けない、途中で目がさめる、不機嫌な状態が続き、夜泣きをするなども起こります。
母乳が飲めない
鼻がつまっていると起こるのが、母乳がうまく飲めなくなることです。おっぱいや哺乳瓶の乳首をくわえると、口がふさがることになりますから、呼吸をするためにすぐに離してしまいます。また、乳首を吸っているときに、「ズー、ズー」「ブー、ブー」といった鼻づまりの音が聞こえることもあります。
咳
鼻づまりをしているときは、鼻水がたくさん出ている状態です。そのため、鼻水が喉の奥に流れ、痰が絡んだような「ゼロゼロ」といった咳が出ることがあります。これは、「後鼻漏症候群」と呼ばれる症状で、風邪の後に発症しやすくなります。
新生児の鼻づまりは放置しないこと
鼻づまりは、大人にとってはたいしたことのない症状と思われがちですが、新生児にとっては病気を発症することもあります。たとえば、副鼻腔炎になったり、中耳炎の原因になったりすることも…。「たかが鼻づまり」と放置せずに、次の項からご紹介する対処法で改善してあげてください。
新生児の鼻くそが鼻づまりで見えないときは?
「息苦しそうだから、鼻くそを取り除いてあげたいけど、鼻づまりで見えない!」そんなときの対処法をご紹介します。
対処法
赤ちゃんの鼻に蒸しタオルをあて、鼻くそをやわらかくしてあげてください。その後、赤ちゃん用の綿棒でやさしく取り除きます。ただし、タオルで呼吸を妨げないように注意しましょう。
注意点
綿棒を赤ちゃんの鼻の穴に入れるときには、鼻先に入れる程度にしてください。決して奥まで入れないように。奥まで入れると粘膜を傷つける恐れがあります。
新生児の鼻づまりの改善法
鼻づまりを改善させるにはどうしたらよいのでしょうか。その方法をお教えします。
寝かせるときは肩の下にタオルを入れて気道を広げて
鼻づまりのときには、仰向けにした状態で寝かせ、肩の下に4つ折りにしたタオルを入れてあげてみてください。少し首がのけ反り、あごが上がる状態にしてあげると、鼻からのどの奥にかけての空気がとおる気道が広がり、呼吸を楽にできるようになります。この場合は、親がそばで様子を見ていてあげてくださいね。
鼻のつけ根をマッサージする
鼻のつけ根を指でやさしくもんであげましょう。そうすることで、鼻の周囲の血管が拡張し、鼻の通りがよくなることがあります。
吸引器を使う
鼻づまりの原因である鼻水を、こまめに取り除いてあげることも改善法のひとつです。吸引器は、生後すぐから使えるものもありますが、無理をして取ろうとしないように注意しましょう。種類や使い方、注意点などは、下記の記事をご参考になさってください。
病院は何科へ?行くタイミングは?
赤ちゃんの鼻づまりで受診する科は、耳鼻咽喉科、または小児科です。受診のタイミングは、
・呼吸ができず苦しそう
・赤ちゃんの顔色が悪い
・ぐったりしている
・鼻くそが奥に詰まっている
・鼻づまり以外にも咳、発熱、耳を痛がる
などに該当する場合は、病院を受診するようにしてください。
新生児の鼻づまりの予防法
鼻づまりを予防するにはどうしたらよいのか、その予防法をご紹介します。
部屋の湿度を上げる
加湿器を利用して、部屋の湿度を上げることも鼻づまり予防効果があります。空気が乾燥していると、鼻水も乾燥してかたまりになってしまうためです。夏は45〜60パーセント、冬は55〜65パーセントが適正湿度となります。
加湿器がない場合は、濡れた洗濯物や濡らしたタオルを部屋に吊るすとよいでしょう。
お風呂で体をあたためる
お風呂に入り、体をあたためることで鼻の粘膜もあたたまりますので、鼻づまりが解消しやすくなります。また、お風呂の湯気も鼻の中を湿らせてくれるので、鼻づまり予防につながります。
新生児の鼻づまりに別の症状が伴うのであれば病院へ
赤ちゃんの鼻腔はとても狭いので、ちょっとした鼻づまりでも息苦しく感じます。ご紹介した鼻づまりの改善法や予防法を試してみてください。また、鼻づまり以外の別の症状も伴うようであれば、病院を受診するようにしましょう。
記事監修
看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。様々な診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わる。青年海外協力隊として海外に赴任後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。現在はシンガポールの産婦人科に勤務、日本人の妊産婦をサポートをしている。また、助産師25年以上の経験を活かし、オンラインサービス「エミリオット助産院」を開設、様々な相談を受け付けている。
文・構成/HugKum編集部