【医師監修】赤ちゃんの鼻水の原因や特徴は?お家でできる対処法や吸引方法、病院受診のタイミングまで

赤ちゃんが鼻水を出していると、「息苦しそう」「なにかの病気?」と心配になってしまいます。そんなとき、原因を知っておけば、適切に対処することができますね。そこでこの記事では、一児の母でもある、内科医、呼吸器内科医、産業医の野尻先生に、赤ちゃんの鼻水の原因や特徴、赤ちゃんの鼻水を放置しておくとどうなるのかについてを教えていただきました。また、赤ちゃんの鼻水の吸引方法やおうちでできる対処法、病院で受診するタイミングについてもアドバイスをいただきました。ご参考になさってください。

赤ちゃんの鼻水の原因はなに?

赤ちゃんの鼻水がでる原因

赤ちゃんの鼻水はどうして出るのでしょうか。その原因には次のようなものがあります。

アレルギーによる反応

赤ちゃんの鼻水の原因のひとつは、アレルギー反応によるものです。ハウスダストや花粉、ホコリなどが赤ちゃんの鼻の粘膜を刺激すると、鼻腔内に炎症が起き、アレルギー反応として鼻水が出ます。

また、赤ちゃんの体はデリケートなので、温度差などでも鼻水が出ることもあります。

ウイルス感染

赤ちゃんは、まだ鼻毛がほとんど生えていない状態です。そのため、細菌やウイルスが体の中に入りやすくなっています。細菌やウイルスによって鼻の粘膜が刺激されることで鼻水が出たり、風邪の症状のひとつとして鼻水が出てしまうこともあるのです。また、まだ風邪の抗体も少ないので、風邪を引きやすくなっています。(生後六か月から)

赤ちゃんの鼻水を放置しておくとどうなる?

鼻水を放っておくとどうなるのでしょうか。考えられるケースをご紹介します。

鼻が詰まる

鼻水を取り除かずそのままにしておくと、鼻が詰まってしまいます。というのも、赤ちゃんの鼻腔はとても狭く、少量の鼻水でも塞がってしまうからです。そのため、鼻が詰まると呼吸がしづらくなったり、ミルクがうまく飲めなくなることがあります。

また、人の体には「鼻涙管(びるいかん)」と呼ばれる目と鼻をつなぐ管があるのですが、鼻が詰まると、片方の出入り口を塞ぐことになってしまうため、涙が逆流してしまう可能性も…。そうなると、赤ちゃんの目やまぶたが腫れてしまいます。

眠れなくなる

赤ちゃんは基本的に鼻呼吸をしていて、口での呼吸はまだうまくできない状態です。ですので、鼻水をそのままにしておくと息苦しい状態になってしまい、眠れなくなったり、眠りが浅くなったりします。また、口呼吸になるので、喉が痛んでしまうこともあります。

病気を誘発

鼻水を放置することで、病気を誘発してしまう可能性もあります。どんな病気の可能性があるのかというと、「中耳炎」や「副鼻腔炎」、「後鼻漏(こうびろう)」などです。

中耳炎

「中耳炎」は、ウィルスや細菌を含んだ鼻水が、鼓膜の奥にある中耳に入ることで炎症を起こす病気です。耳の痛みや発熱、耳だれが出る、といった症状が出ます。また、放置すると重い中耳炎になってしまう可能性があります。

副鼻腔炎

鼻腔の周りにある骨に囲まれた空洞部分のことを「副鼻腔」といいます。この副鼻腔にウィルスや細菌が入って炎症が起こるのが「副鼻腔炎」です。症状には、粘り気のある黄色い鼻水がたくさん出る、鼻がぐずぐずする、発熱などがあります。

後鼻漏

「後鼻漏」は、粘り気のある鼻水が鼻の奥からのどにかけて流れることをいいます。後鼻漏になると、のどがイガイガしたり、痰がからんだり、息苦しくなってミルクが飲めない、眠れないなどの症状が出ることがあります。朝一番の咳、痰なども、症状の一つです。

赤ちゃんの鼻水の特徴と考えられる原因

赤ちゃんの鼻水の色や粘り気などの特徴から、原因を考えることができます。鼻水のタイプ別に解説していきましょう。

透明でサラサラ

透明でサラサラしている鼻水は、「水様性鼻水」と呼ばれています。このような水様性鼻水が出ているときは、風邪の引きはじめの症状として出ているか、アレルギーが原因の可能性が大きいです。アレルギーの場合は、鼻の中に入ってきた花粉やホコリなどを洗い出そうとして、鼻水が出ていると考えられます。

粘りけがあり黄色や緑色

一般的に「青っぱな」と呼ばれる緑色の鼻水が出るのは、風邪の治りかけや、細菌やウイルスによるものが原因かもしれません。体は、細菌やウイルスに抵抗するため、血中に白血球を大量投入します。風邪の後の鼻水には、その白血球の死骸が大量に混ざっています。そうすると、緑色や黄色の粘り気のある鼻水となるのです。

また、緑色の鼻水が長引くようであれば、「副鼻腔炎」の可能性も考えられます。

白くてネバネバ

風邪をひいている最中には、鼻水が白くて粘り気を帯びることがあります。

血が混じる

鼻水に血が混じっている場合、鼻血以外で原因として考えられるのは、鼻の内部が傷ついていたり、炎症を起こしていることが挙げられます。もし、両方の鼻の穴から血の混じった鼻水が出ているのであれば、進行性鼻壊疽(しんこうせいびかいそ)や悪性腫瘍などの病気の可能性もあるかもしれませんので、かかりつけの病院で受診したほうがよいでしょう。

症状が治りかけの色は?

風邪の症状が治りかけの場合は、黄色や緑色の粘り気のある鼻水が出ます。これは、白血球や免疫細胞が、細菌やウイルスと戦った後、その戦いで死んだ菌や白血球が鼻水に混ざることで、そのような状態になります。

赤ちゃんの鼻水の吸引方法

赤ちゃんの鼻水を取り除いてあげるには、吸引を行います。吸引のポイントをご紹介します。

鼻吸い器を使う

少量の鼻水なら、柔らかいティッシュやガーゼで拭き取ればよいのですが、鼻水が出る状態が長引く、鼻水のせいで苦しそうなら、鼻吸い器を使って取り除いてあげましょう。

鼻吸い器の種類には、「手動」「電動据え置き」「電動ハンディ」などのタイプがあります。「手動」は、ママやパパが器具を通じて口で吸うタイプです。手頃な値段、持ち運びしやすいのがメリットといえます。「電動据え置き」タイプは、病院で使われている鼻吸い器の家庭版といったところです。粘り気のある鼻水も取れるほどパワフルで、スピーディーに処置できます。「電動ハンディ」タイプは、手動と電動据え置きの中間的な機能をもつものです。コンパクトで使い勝手がよいのが特徴といえます。

鼻吸い器を使うときのポイントは、少しずつ吸い取るようにすること。そして、赤ちゃんが吸引器に驚いたり、嫌いになったりしないように、赤ちゃんの機嫌がよいときに行うことです。

鼻吸い器はいつから使えるのか、種類や選び方、使い方やコツ、嫌がるときの対処法の詳細を知りたいという方は、こちらの記事を参考になさってください。

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直接口で吸うのはNG

赤ちゃんの鼻に、ママやパパの口を直接つけて鼻水を吸う方法もありますが、細菌やウイルスがママやパパに感染する可能性があるため、やめたほうがよいでしょう。

赤ちゃんの鼻水、お家での対処法

赤ちゃんの鼻水が出ているときに、お家でできる対処法にはどんなものがあるのでしょうか。

お家でできる対処法は?

加湿する

部屋の乾燥は大敵です。加湿器などを利用して部屋を加湿しましょう。部屋を加湿することで、鼻水を流しやすくなります。

また、赤ちゃんの鼻に蒸しタオルを当てるなどして鼻を温めると、粘り気の強い鼻水が取れやすくなるのでおすすすめです。このとき、赤ちゃんの口や鼻の穴を塞がないように気をつけて行なってください。

鼻を拭き取る・鼻吸い器を使う

鼻水が出ていたら、柔らかいティッシュやガーゼで拭き取ってあげましょう。鼻水がつまっていたり、たまっているようなら、鼻吸い器を使って吸い取ってあげてください。

部屋をきれいにする

透明でサラサラの鼻水が出ている場合は、ハウスダストが原因の場合もあるかもしれません。そのときには、部屋の掃除をしたり、布団の位置を少し高めにするなど、赤ちゃんがホコリを吸い込まないような工夫をしてみてください。

お風呂は入っていい?

高熱が出ている、ぐったりしているなどがなければ、お風呂に入ってもかまいません。お風呂に入って体を温めたり、お風呂の湯気で鼻の粘膜を加湿することで、鼻水が流れやすくなり、鼻づまりが改善することもあります。お風呂上がりに鼻吸い器を使うと鼻水を取り除きやすくなりますよ。

外出時の注意点

なるべく外出は控えた方がよいですが、やむを得ない場合は短い時間の外出にとどめるようにしましょう。移動には車や電車を使い、寒い時期には冷たい外気に長時間あたらないように気をつけてください。

また、外出先で鼻水が出ているようなら、ティッシュなどで拭いてあげてください。拭き取ったティッシュは、ビニール袋に入れて持ち帰るようにしましょう。

赤ちゃんの鼻水、病院で受診するタイミング

鼻水が出ている赤ちゃんは、「何かの病気なのかも…」と心配になりますよね。ここでは病院で受診するタイミングをご紹介します。

くしゃみや咳

鼻水に加え、くしゃみや咳をする場合は、さまざまな病気が考えられます。

くしゃみの場合は、鼻炎やアレルギー性疾患であることも考えられます。咳の場合は、肺炎や気管支炎、百日咳などの可能性もあります。鼻水、くしゃみや咳が続いているという場合には、病院で受診するようにしましょう。

発熱、食事ができない

熱が38℃以上出ている場合や、元気がなくミルクを飲まない、泣き声が弱く感じる場合は、すぐに病院を受診するようにしてください。また、鼻水が詰まることによって、中耳炎を引き起こす可能性もあります。

何科を受診する?

鼻水の症状がひどい場合は耳鼻科の受診を検討していただきたいですが、鼻水以外にも、高熱や咳などの症状がある場合は、かかりつけの小児科がおすすめです。

処方される薬

鼻水により、息苦しそうだったり、ミルクを飲みづらいようであれば、鼻の通りをよくする飲み薬や点鼻薬が処方されます。そのほか、鼻水を止めるシロップや、鼻の粘膜の腫れをとり、鼻水をやわらかくする点鼻薬を処方されることもあります。

赤ちゃんの鼻水はこまめに取り除き、心配なら病院へ

大人だって、鼻水が出続けると苦しく不快ですが、自分で鼻をかむことができない赤ちゃんならなおさらのことです。こまめに鼻水を取り除いてあげるようにしてください。また、鼻水が出る状態が長引いたり、咳や発熱を伴うようなら、小児科で受診するようにしましょう。

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記事監修

認定内科医、有限会社ウエストフィールド・コンサルティング代表取締役
野尻紀代美

日本ストレスチェック協会ファシリテーター、日本呼吸器内科学会所属。30歳の時に起業。その後バイアウトしたが、私もほぼ燃え尽きたため、一年心療内科に通いつつ、産業医の資格を取る。産業医では、起業していたことを生かし、面談を行なっている。失敗はしても後悔はしない!がモットー。小さくシッター会社も運営中。

文・構成/HugKum編集部

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