むしろ恐ろしいのは3年後?コロナ時代ならではの「お金の不安」に打ち克つ方法とは

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これからは「増やす」よりも「守る」がカギ 画像:tsukat/PIXTA(ピクスタ)

先の見えないコロナ禍。収束しても、経済の立て直しには時間がかかるのは、だれもが思うところ。

あまたの経済学者、専門家を取材し、自身も大学院で経営学を修めたジャーナリストの清水克彦さんは、「治療薬やワクチンがどの程度早く普及するかにもよりますが、コロナ不況は定期昇給ゼロ、ボーナスカット、業務縮小、リストラといった形で、2023年から24年あたりまで影響が及ぶ恐れがあります」と、おっそろしい予言をしています。

尽きない「家計」の不安…。“コロナの時代の備え”とは?

子どもの教育費、せっかく手に入れたマイホームのローンなど、削るに削れない出費が予想できる働き盛りのHugKum世代にとって、お金、とりわけ「家計」の不安はつきません。さっそく清水さんに、“コロナの時代の備え”について、根掘り葉掘り聞いてみました!

政治・教育ジャーナリストの清水克彦さん。在京ラジオ局の現役プロデューサーでもある。

「年収1000万円世帯」も安心してはいられない!?

――コロナ禍でわが家の財布のヒモも、かなり引き締まりました。でも、まだまだ続くであろう“コロナ不況”にどう立ち向かっていけばいいのか、不安はいっぱいです・・・・。

「有事の際は、“自分で自分の暮らしを守る”ことが必要です。何が起きても生活が維持でき、定年を待たずに家計が破綻する“老前破綻”に陥らないよう、自衛策を講じること。とくに、HugKum読者のような働き盛りの世代にとって、老前破綻はけっして大げさなハナシではないのです。とりわけ、年収1000万円の高所得世帯ほど陥りやすいワナもあるので、油断は禁物」(清水さん。以下、カッコ内は同)

 

――え? “年収1000万円”って、夢の数字ですよ。たいていの会社員は、そこをめざして努力したり転職を繰り返しますよね。なのに油断できないなんて、夢も希望もないじゃないですか!

「高所得者は実入りが多い半面、出費も多いもの。年収1000万円の人は“ちょっと贅沢したい”という意識が高く、消費を牽引しているのもこの層だという調査結果も出ています。そこに、落とし穴があるんです」

 

――収入にかかわらず、「無駄な出費を抑える」ことは、基本のキなんですね。

「それどころか、高所得者層ならではの悲劇もあります。たとえば、中学生以下の子どもがいる世帯が受け取れる児童手当。これは年収960万円で対象外になり、受給額の少ない特例給付に変わります。ほかにも高所得者層の受けられない公的支援は、多いんですよ」

今は、二番手高校→国立大学が狙い目

――とはいえ、年収1000万円世帯なら、首都圏でも子どもを小学校から私立に通わせられると聞いたことがありますが?

「もちろん、同じ年収1000万円でも、家族構成や働き方(自営業か給与所得者か)、住宅ローンがあるかないかによって、状況は変わります。しかし、子どもが2人いて養育費がかかり、住宅ローンも抱えている1000万円世帯では、家計に余裕はありません。一般的な世帯で、もっともおカネのかかるのが教育費と住宅費。私立に進ませたいのなら、ぜひ自分たちの総資産をもとに、子どもの大学卒業までいくらかかるのかを試算しながら検討したほうがいいですね」

 

――わが子をなんとか偏差値の高い高校、大学に入れて、一流企業を目指してほしいと思うのが親ゴコロなんですが・・・・・。

「今は、それで一生安泰に暮らせる、という時代ではありません。この先、どの業種が躍進し、どの企業が没落するか、予想できないのが今という時代です。それに、大学入試改革の流れの中、今後は学校推薦型選抜と総合型選抜がますます増えていきます。つまり、高校の推薦状や調査書が重視されるんです。無理して高額な塾代をかけて偏差値の高い高校に行くより、実力相応の高校にいったほうが、推薦は取りやすいわけです。国立大学も2021年度以降、この2つの選考による入学者を増やす予定なので、志望校を国立大学に切り替えれば受験料と学費を安く抑えられます。しかも国立大は、就職にあたっての企業からの評価が、実は一流私大より高いんですよ」

 

教育費は削りたくても削れない出費・・・・・。 画像:CORA/PIXTA(ピクスタ)

今のおカネの守り方で、55歳までに借金ゼロにできますか?

――なるほど・・・・・。ではもうひとつ、すでにローンの額が決まっている住宅費は、どう見直せばいいのでしょう。

「すでに住宅ローンを抱えているならば、100万円でも200万円でも繰り上げ返済し、55歳までに借金を限りなくゼロにしましょう。そうすれば、定年までに、老後に必要なお金が貯まります」

 

――55歳かあ・・・・・。本気で無駄遣いをなくし、家計のスリム化を図らなきゃ実現できませんよね。

「<消費>と<教育><住宅>を例に挙げてきましたが、<年金><保険><投資><介護><医療>といった面からも早めに家計を見直し、“守り”を固めていけば大丈夫です」

 

――ぜひ引き続き、アドバイスをお願いします!

“家計の守り”を固めたい人は、必読!『すごい!家計の自衛策』

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消費・働き方・年金・教育費・住宅費・保険・投資・介護・医療費・・・・・・
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いちばん新しい「家計の守り方」をギュッと詰め込んだ一冊!

著者紹介

政治・教育ジャーナリスト/大妻女子大学非常勤講師
清水克彦(しみずかつひこ)

1962年愛媛県生まれ。早稲田大学大学院公共経営研究科修了。京都大学大学院法学研究科博士後期課程在学中。
文化放送入社後、政治・外信記者を経てアメリカ留学。帰国後、キャスター、江戸川大学講師、報道ワイド番組チーフプロデューサーなどを歴任。現在は、文化放送で報道デスクやニュース解説を務める傍ら、政治や教育問題、生き方などをテーマに執筆や講演活動を続けている。
著書は『安倍政権の罠――単純化される政治とメディア』『「政治主導」の落とし穴――立法しない議員、伝えないメディア』(ともに平凡社新書)、『ラジオ記者、走る』(新潮新書)、『頭のいい子が育つパパの習慣』(PHP文庫)、『2020年からの大学入試「これからの学力」は親にしか伸ばせない』(青春出版社)ほか多数。公式ホームページ http://k-shimizu.org/

 

 

取材・文/前田恵+生活編集室

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