目次
ゴールデンウィークは家じゅうを整理するチャンス!
「家事育児に追われて家の中がゴチャゴチャ!」「本当はスッキリ暮らしたいのに…」という悩みを抱えていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。子どもとの暮らしに“整理収納のコツ”を取り入れると、親の負担やストレスが減り、子どもの生活力を育むことができます。
8歳、5歳、3歳の3児の母である整理収納アドバイザー・水谷妙子が隔週でお届けする「整理収納のコツ」シリーズ。
今回のテーマは「モノの持ち方を見直すための5つの提言」です。
新型コロナの影響で、2021年のゴールデンウィークは、自宅で過ごされる方も多いのではないでしょうか。「この連休で、家の中を整理したい!」という方の背中を押すべく、5つの提言としてまとめました。「収納テクニック」の前にお伝えしたいことがあります。ドキッとする言葉もあるかもしれませんが、是非お読みいただけると嬉しいです。
① モノをたくさん持つ=豊かな人生?
私は幼い頃、祖父母から「戦中、戦後はモノがなくて本当に大変だった。何でも捨てずに取っておくべし!」と言われて育ちました。実家は三世代同居で、常にたくさんのモノで溢れ返っていました。写真は、実家のキッチンの戸棚です。山積みの箱入り食器や調理道具があります。私は、モノの持ち方を見直すことがないまま独り立ちし、その後結婚しました。「今あるモノを捨てずに、全部家の中に収納するには?」と頭を悩ませ続け、整理・収納・片づけを学ぶことで抜け出すことができたのです。
この仕事に就いて改めて感じたのですが、現代に暮らす私たちは、昔の人とは比べ物にならないぐらい、モノを扱います。そもそもの取り扱い品目が多いです。昔は「お金をかけてモノを所有する時代」でしたが、逆に今は「お金を出してモノの持ち方を調整する時代」。整理収納サービスやお片づけ講座のような有償のサービスを利用しながら、暮らしにフィットしたモノの持ち方を探る方も多くいらっしゃいます。
いつも家が散らかっていたり、片づけてもリバウンドしてしまう場合は「すでに自分のキャパを超えている」サインかもしれません。モノに振り回されず、あなたが本当にやりたいことをやって、豊かな人生を送るために。適正なモノの量に近づけるために、今あるモノを見直してみませんか?
② ラスボスから挑まない!イージーな敵からコツコツと。
「ゴールデンウィーク中に、家じゅうを整理する!」と気合いを入れてこの記事を読んでくださっているあなた。素晴らしいです。ただし、取り掛かる場所は慎重に決めましょう。「モノが詰め込まれている、わが家の闇。あの開かずの間を…!」というように、いきなりラスボス(最強にして最大の敵)に挑まないこと。まずはハードル低めなエリアからスタートすることをオススメします。
例えば、モノ自体が小さいエリア。文房具、カバンの中、財布の中などです。全てを広げたとしてもテーブルの上で完結すれば、全貌を見渡すことができるのでゴールに到達しやすくなります。
あとは、あなたの独断で進められるエリアもオススメです。クローゼット、化粧品、趣味のアイテムなどです。家族に意見を聞く必要がなく、ひたすら自分自身と対話するのみなので、作業にグッと集中できます。
大事なことは「モノの整理って、思ったより簡単かも」と実感すること。小さな成功をコツコツ積み重ねていくと、実力と自信がついてきます。すると、はじめはあんなに強敵だと思ったラスボスでも、すんなりと倒すことができるかもしれません。慣れないうちは、イージーな敵から挑みましょう。
③ 1年間で一度も着ない服は…たぶん来年も着ません。
いざモノの整理をしはじめると、手が止まる場面も出てくると思います。「いつか使うかもしれないから…」「まだ使っていないから…」というように、多くの人は「使いこなせていないもの」を手放すことに抵抗があります。
理想を言えば、モノを手放す目安は「1年間に1回以上使ったかどうか」です。例えば、五月人形や鯉のぼりのような季節アイテムは、普段は収納していますよね。でも、一年に一度、この時期には出番があるわけです。こういった季節アイテムよりも使用していないものは、基本的には暮らしに無くても支障がないものです。むしろ「持っていることを忘れていた!」というモノもあるでしょう。
服の場合も同じです。冠婚葬祭の服は除きますが、春・夏・秋・冬を通して、1年間で一度も着ていない服、ありませんか?それは、たぶん来年も着ません。流行の型はどんどん移り変わりますし、1年着なかったということは、何かしら理由があるはず。次の買い物に生かすために考えてみましょう。
また、「痩せたら着よう!」もよく聞くフレーズです。痩せていた時の自分と、痩せた後の自分。確実に年齢を重ねていますが、何年も前の服を着た自分は、客観的に見て素敵でしょうか。もし痩せたら、その時の自分に似合うものをご褒美として買いに行く。その方が新たな魅力を発見できるのではないかと思います。
④ 使いこなせない=悪いこと、ではありません。
持っているモノ全てを、その寿命を全うするまで使いこなす。このこと自体はとても素晴らしいことですし、いわゆる「正論」です。でも、それが呪いとなって、いつまで経ってもモノを整理できず、快適な暮らしを送ることができないのであれば本末転倒。全てのモノを均等に使いこなすことは、ハッキリ言って困難です。偏りがあって当たり前なのです。
以前、私の整理収納サービスのお客様で、ずっと持っていた鋳物鍋(ル・クルーゼやストウブなど)を思い切って手放した方がいらっしゃいました。「ブームに乗って手に入れたけど、重いのでだんだん使わなくなった」とのこと。キッチンで鋳物鍋を目にするたびに「使いこなせない自分の努力が足りないからダメなんだ」と責めてしまっていたそうです。でも、思い切って手放してみたら、長年の「使いこなせない…」というモヤモヤがスッキリ晴れた、と報告してくれました。
もし、あなたの家に、使いこなせずに見るだけでも落ち込むようなモノがあるならば、覚悟を決めて手放してみてはいかがでしょうか。肩の荷がおり、それを突破口にサクサク整理が進むかもしれません。そして「自分にはこういう傾向があるから、次に迎えるモノは、こうしよう」というように、モノ選びの精度が上がる場合も。使いこなせない=悪ではありません。どうか安心してくださいね。
⑤ 「モノをあげる」が、人を苦しめることもある
整理が終わって手放すモノが決まったら、次は「どう手放すか」を考えます。捨てる、売る、寄付する、あげる…さまざまな方法がありますが、一番気をつけたいことが「あげる」こと。モノを捨てることに罪悪感を感じる人ほど「捨てるぐらいなら、誰か使ってくれないかな…」と、貰い手を探しがちです。
①~④で書いたとおり、モノをひとつひとつ整理する作業は大変ですよね。ドライな言い方になってしまいますが、誰かにモノをあげるということは、同時に「整理する労力を押し付ける」ということ。人の本心は、外からは見えにくいものです。サクサク判断できる人であればいいのですが、もしも整理することが苦手な人だったら…?人にあげようとする前に、相手の立場になって考えていただきたいポイントです。
逆に、全くいらないモノを「これ、使わない?」と打診された場合も、返し方を想定しておきましょう。フランクな仲であれば「今、ちょうど家じゅうを整理しているんだ」と正直に伝えてみましょう。そう言うと角が立つ関係性の場合は、その場ではありがたく受け取り、深掘りせずにそっと手放しましょう。本当に余裕があったら受け取って精査してもいいかもしれませんが、イレギュラーなモノにまで振り回される必要はありません。本当にやりたいことに時間を割きましょう。
いかがでしたか?「モノの持ち方を見直すための5つの提言」でした。家と心がスッキリ風通しよくなりますように。是非試してみてくださいね。
記事監修