ぶどうの冷凍保存は皮ごとが美味しい! 種と皮の処理方法や簡単な軽食レシピもご紹介♡

みずみずしく芳醇な甘さをもつ、ぶどう。色、香りとともに爽やかな酸味もあって、旬になると国産の品種だけでも数多くが、店頭に並びます。今回は、ぶどうを冷凍することで、生のぶどうとは違う、幅広い使い方ができるようになるので、そのポイントをご紹介します。

ぶどうは冷凍保存がおすすめ

ぶどうの冷凍は、甘味が濃く感じるようになるばかりか、多くの長所が得られるようになります。

ぶどうの冷凍保存のメリット

冷凍すればどの食材でも長い保存期間になりますが、ぶどうも同じで、その他にも、凍ったまま食べるとシャーベットのようで美味しく、皮をむくのも簡単になります。しかも、皮と実の間に多く含まれる栄養を残したまま、食べられるのも嬉しい点です。

色もキレイなまま果汁が出やすくなるので、よりジューシーに感じられます。食材が柔らかくなる効果から、味がなじみやすくなり、即席のコンポートやジャムを作る際にもピッタリです。

冷凍ぶどうは夏のデザートにもおすすめ。

注意点

ただし、皮ごと食べるマスカットや、マニキュアフィンガーなどの品種は、冷凍によって皮の張りが失われてしまいます。パリッと弾ける歯ごたえを楽しみたい場合は、冷凍せずにフレッシュなままでいただきます。

また、解凍した実の内側には、水風船のように果汁が貯められています。触るとぶよぶよしていて、破ければ果汁がたっぷりとこぼれます。ですから、お弁当の保冷用として使うことは、おすすめできません。

また、大粒のぶどうは誤嚥によって小さい子どもの気道を塞ぎ、窒息する危険もあります。小さいお子さんにぶどうを食べさせるときは注意してください。

ぶどうの冷凍保存方法

それでは、冷凍する際のポイントを詳しく見ていきましょう。

軸をとらずに皮ごと冷凍

ぶどうの粒を軸からはずすと、乾燥やカビの発生原因になってしまいます。軸を5mm程残して、はさみで切り取ると傷もつきません。

冷凍用保存袋などに入れて、空気をしっかり抜くのがポイントです。タッパーに入れる場合はラップでぴっちりと覆ってからフタをしてください。

軸を残したまま切り取って、袋に詰めました。

つぶしてから冷凍

ぶどうの皮をむき、つぶしてから冷凍する方法もあります。果肉は柔らかいので、指でも簡単につぶすことができます。調理に使いやすい形になるので、冷凍後はマッシャーでつぶすだけで、簡単シャーベットに。チキンソテーにソースとして加えるのもおすすめです。

発色を良くするためにレモンスライスを入れています。

冷凍保存の期間

常温では2~3日の日持ちですが、冷凍ではどれくらいの日持ちなのでしょうか

冷凍での保存期間は1~2カ月

軸を残したまま冷凍すると、おいしく食べられるのは1カ月~2カ月の期間です。つぶして冷凍した場合は、食材の表面積が広くなるため、劣化が早まります。1カ月程度で早めに食べるようにしてください。

冷凍したまま半年、1年と経ってしまった場合は、霜がついたり、冷凍庫の臭いが気になるかもしれません。嫌でなければ、加熱してジャムやフルーツソースにして、早めにいただくようにしましょう。

美味しく食べる解凍方法

冷凍したぶどうの解凍方法を詳しくみていきます。

自然解凍

冷凍庫から出して、そのまま常温で2~3時間置くことで、自然に解凍ができます。ゆっくりと解凍が進むので、食感の劣化や水が出にくい方法です。

流水解凍・レンジの解凍コース

手早く解凍したい時や、あえて柔らかい食感にしたい場合には、袋のままボウルに入れ、流水で解凍するとスピーディーです。

また、加熱調理をするのなら、電子レンジの解凍コースを使うこともできます。

凍ったままスムージに

冷凍ぶどうはそのまま口にしてもジューシーで美味しいですが、ブレンダーで他のジュースと混ぜればスムージーになります。また、ドリンクに入れる氷の代わりにも使えます。

皮と種の処理方法

種のあるぶどうや、皮の厚さが気になる品種について、処理の方法をみていきましょう。

皮のむきかた

巨砲、ピオーネなどの皮が厚い品種は、手の平で包んで数秒経つと、簡単に軸がはずれ、皮もむくことができます。

写真のように、実を覆う濃い色の部分には、栄養や甘味が多く含まれています。冷凍前のぶどうでは、皮をむくと一緒にむけてしまいますが、冷凍することで実側に残すことができますよ。

種は冷凍前に処理がおすすめ

小さなお子さんが食べる場合、種を自分で取り出せないことから、配慮が必要になります。冷凍前にはずしておくと安心ですよ。

かわいい種があるのがわかります。

 

ぶどうの実を縦半分に包丁を入れ、種だけをスプーンや包丁の角ですくうようにしてはずします。さらに半分に切っておけば、お口の小さいお子さんが誤嚥する心配もなくなりますね。

サラダのトッピングにも使いやすい大きさになります。

 

包丁でカットした分、食材へのダメージは大きいので、1カ月を目安に使いきってください。

冷凍ぶどうのレシピ

冷凍ぶどうならではのレシピをみていきましょう。

ぶどうヨーグルトアイス

酸味がきいたヘルシーな味わい。

◆材料

(大人2人分+子ども2人分)
ぶどう(デラウェア) 1房
生クリーム 100c

【A】
プレーンヨーグルト 200cc
砂糖 大さじ4

◆作り方

【1】ぶどうは皮をむく。
【2】ボウルに生クリームを入れ、泡立て器でとろりとするまで泡立てる。【1】と【A】を加えて混ぜる。
【3】密閉容器に【2】を移し、冷凍庫で一晩冷やし固める。途中固まりかけたらフォークなどで1~2回崩すとふんわり仕上がる。
*クッキーを添えても。

教えてくれたのは


鈴木薫さん

シンプルで、おいしくて、センスのいいレシピが人気。双子の女の子と男の子のママ。

『めばえ』2013年11月号

冷凍ぶどうのフレッシュジュース

冷凍した後に解凍する手順を経ることで、たくさんのジュースが出てきます。口に含むと、ぶどう本来の、濃い味が味わえますよ。

一房500g程のぶどうから採れたのは、100㏄だけです。

◆材料

冷凍ぶどう(500g)

◆作り方

【1】冷凍ぶどうを、自然解凍で2時間、流水解凍なら5分程度の半解凍の状態で使います。

【2】皮の内側にジュースがあるので、軸をはずしながら皮をむいていきます。ボウルに重ねたザルに入れ、そのまま10分程放置しながらジュースが落ちるのを待ちます。ぎゅっと絞ってしまうと、苦味やえぐみが出てしまうので、自然に落ちるままにしてください。

半解凍なので果汁が冷やされていて、氷がなくても冷えています。薄めずに、まずは一口味わってみてください。濃厚な自然を感じる味ですが、どうしてもアクが感じられるので、カルピスや炭酸水で割り、スペシャルなドリンクとして楽しんではいかがでしょうか。

冷凍ぶどうのジャム

ジュースを絞ったあとの果肉と皮で、ジャムを作ります。

ブルーベリーよりも果肉が大きく、甘味が強い贅沢なジャムです。

◆材料

冷凍ぶどうから、ジュースを絞った後の果肉と皮(400g)
砂糖(150g)
レモン汁(大さじ1)

◆作り方

【1】厚手の鍋に材料をすべて入れ、5分ほど待ちます。

5分後、果汁が出てきたら強火にかけます。

【2】沸騰したら中火にし、アクをとりながら10~15分加熱します。

あくがいっぱい出てきます。丁寧に取りましょう。

【3】皮がやわらかくなるまで15~20分ほど煮詰めれば完成です。

果実がゴロゴロとしたジャムになります。このままブレンダーでつぶすと滑らかに。

焼きぶどうとチーズのブルスケッタ

焼いたぶどうの甘味とコクは、ご存じでしょうか。お子さんでも食べられるワイン煮のようでもあり、凝縮された濃密な甘味と、芳醇な香りを味わえます。ぜひ、作ってみてください。

◆材料

(1人分)
バゲット(1切れ)
冷凍ぶどう(4粒)
モッツァレラチーズや、カマンベールチーズ(30g程度)
オリーブオイル(大さじ1)
タイム (適量)

黒こしょう(大人用:少々)

◆作り方

スキレットにオーブンシートを敷き、両面焼きのグリルで7分加熱しました。

【1】スライスしたバゲットに材料をのせます。
【2】オーブン、グリル、トースターなど、上から加熱できる方法で焼いてください。
【3】大人用は、黒こしょうをのせて焼いて焼きます。

種があっても、焼いてから軸をはずすと一緒に取り出すことができます。もし食べてしまっても、噛み応えはありますが、香ばしい味がします。

広がる冷凍ぶどうの活用

ぶどうはワインやビネガーにも利用され、もともと活用の幅が広い食材ですが、冷凍ぶどうでしか味わえない調理法もたくさんあります。まるで、私たちを楽しませるために熟してくれるフルーツのようにも感じられます。フレッシュなぶどうはもちろん美味しいですが、冷凍ぶどうも活用して、幅広い料理で味わってください。

構成・文・撮影(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)

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