シリーズ第32作目となる映画『それいけ!アンパンマン ふわふわフワリーと雲の国』が、6月25日(金)より封切られました。「アンパンマン」映画としては1年ぶりの公開となった本作ですが、今回も楽しい歌がフィーチャーされ、一緒に手拍子で楽しめるパートもある、親子で参加型の愉快な映画に仕上がっています。
本作は「アンパンマン」シリーズの長編として、初めてドキンちゃんをメインにした物語となった点も注目度大。ドキンちゃんが、ある日、雲の国で生まれた雲の赤ちゃんと出会い、“フワリー”と名付けて一緒に暮らしていきます。そんななか、ばいきんまんが、雲の国の王様になるために発明した黒い雲“バイグモラ”が大暴走!アンパンマンたちは大苦戦していきます。
ゲスト声優として、フワリー役を深田恭子が、雲の長老役をお笑い芸人アンタッチャブルの山崎弘也が務めています。
ドキンちゃんがフワリーのかわいさにメロメロ
なんといっても、深田さん演じるフワリーの赤ちゃんぶりが激カワで、見ていてほっこりします。ドキンちゃんも愛くるしいフワリーに庇護欲をかきたてられるのか、妹のようにかわいがっていくのも大いに納得。2人がむぎゅっとハグをし、フワリーが「お友達」とあどけない表情でつぶやくシーンには、きっとママたちの心も鷲づかみされそうです。
ドキンちゃんはフワリーとずっと一緒にいたいから「雲の国に行ってはダメ。迷子になるから」と注意しますが、フワリーは「迷子になんてならない」と言い張って出ていってしまうというくだりはちょっと切なくて。子どもを心配するあまり過保護になってしまう気持ちは、きっとママたちも共感できそうですね。
そんなフワリーの前に登場するのが、我らがアンパンマンです。お腹を空かせたフワリーに、お約束どおり頭をちぎって差し出してくれるアンパンマン。フワリーに「元気が出るよ」と言う慈愛に満ちたアンパンマンの安定感は、毎回心に染みます。
ちなみに深田さんといえば、愛犬に「メロンパンナちゃん」とつけるほどの「アンパンマン」好きです。いまは適応障害の治療のために休養中ですが、その前に行われたイベントでは「アンパンマンが昔から好きで、ずっと声優として『アンパンマン』に出たいと思っていたので、願いが叶いました!」と喜んでいました。実際にふわふわしたフワリーは深田さんにぴったりの役どころだと思います。
遠く離れていてもずっと友だちというメッセージ
いつも愛と希望が詰まった心温まるメッセージを届けてくれる“情操教育映画”「アンパンマン」ですが、今回は子どもの成長と友情の絆がテーマになっている気がします。
今はコロナ禍ということで、会いたい人にも会いにくい状況ですが、本作では、ドキンちゃんとフワリーが、たとえ住む街が違っても、遠く離れていても、ずっと友だちでいられるんだということを、身を持って教えてくれます。
また、雲の国のほんわかした住人たちが、雲の花を咲かせるシーンや、雲の動物に乗って空を飛ぶシーンなど、ファンタスティックなシーンが満載なので、大人も子どもも映画を観れば心が潤うこと間違いナシ。ということで、ぜひ親子で楽しんでみてください。
監督:川越淳 原作:やなせたかし
声の出演:戸田恵子、中尾隆聖…ほか 声のゲスト出演:深田恭子、山崎弘也(アンタッチャブル)
公式HP:anpan-movie.com
文/山崎伸子
©やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV ©やなせたかし/アンパンマン製作委員会2020