生さんまの保存方法|新鮮さの見分け方・正しい下処理・オイル漬けの知恵で秋の味覚を長く楽しむ!

秋の味覚といえば「さんま」。旬のさんまは美味しく、たくさん買いたくなりますが、保存方法を間違えると、せっかくの親切なさんまが台無しになることも… 。さんまは、鮮度が命。美味しい旬のさんまを長く楽しむために、ご家庭でも簡単にできる下処理の方法や、保存方法、新鮮なさんまの見分け方などをご紹介しています!

さんまの基本知識

さんまの旬は9月から10月。旬の時期には脂がのり、立派なさんまが多く出回ります。冬に近づくにつれて、脂ののりが少なくなり、サイズも小さいものになっていきます。

さんまを食べると頭が良くなる⁈

さんまには、悪玉コレステロールを減らし血液をサラサラにする効果がある「EPA」と、脳神経細胞を活性化させ、記憶力などに良い影響を与えるといわれている「DHA」が多く含まれています。

さんまが傷みやすい理由

さんまなどの青魚は傷みやすいんです。それは、青魚は筋肉の中に含まれる酵素が多いため。魚が死ぬと、その酵素の働きにより体内にバクテリアが増えます。酵素を多く含む青魚のさんまはバクテリアが増殖するスピードが速いため、他の魚よりも傷むスピードが速いのです。

新鮮なさんまの見分け方

・口の先が黄色いもの

新鮮なさんまの一番の特徴は、口の先です。口先が黄色くとがっているさんまが新鮮な証。反対に、水揚げから時間が経ったものは、茶色っぽくなります。

・目が濁っていないさんま

黒目が濁っていないもの、また、目にハリがあり、陥没していないものを選びましょう。

・お腹が銀色に輝いているもの

お腹が銀色に輝いていて、背は鮮やかな青色のものが新鮮なさんまの印。さんまは、鮮度が落ちてくると、お腹や背がくすんできます。

・太ったさんまは脂がのっている

さんまは「太ったもの=脂がのっている」といえます。背がもりあがっているものや、全体的に厚みのある、太ったさんまは脂がのった印ですよ。

腐るとどうなる?食べられないさんまの見分け方

・ぬめりがある

・お腹に弾力がない

・強烈に生臭い

このような状態のさんまは、腐っている可能性が高いです。食中毒の原因になるので食べないでください。

意外と簡単!保存前の下処理

新鮮なさんまは、内臓も食べることができます。しかし、保存する際は下処理が大切。下処理をすることで、鮮度を保ちながら保存することができますよ。さんまの下処理と聞いて、面倒な作業をイメージしましたか? ご安心ください。さんまの下処理は、ご家庭でもとても簡単にできますよ!

【下処理の仕方】

1、背骨を切る

さんまの背を上にし、エラの上あたりから包丁を入れ、背骨を切ります。この時、骨が切れた感覚があればOK。頭は完全に切り落とさないようにしてください。

2、お腹に切り込みを入れる

さんまを横向きにし、腹にある肛門の手前を約1㎝切ります。

3、頭と身を持ち、ゆっくり引っ張る

頭と身を手で持ち、ゆっくりと引っ張ると、スルっと内臓が出てきます。この時、少し頭を下にして引っ張ると、内臓がスムーズに出てきやすいですよ。

4、流水できれいに洗い流す

身に血液が残っていると、傷む原因になります。身の中まで流水を流し入れ、水が濁らなくなるまで、しっかりきれいに洗い流しましょう。

5、水けを拭きとる

キッチンペーパーで水けをしっかりと拭きとりましょう。

これで、さんまの下処理は完成!

さんまを冷蔵保存する場合

すぐに使うさんまは冷蔵保存が可能です。ラップと保存袋を使い、乾燥や酸化から守ることで鮮度が落ちないようにしましょう。

用意するもの

・ラップ

・フリーザーバッグ

手順

1、下処理をしたさんまを、1尾ずつさんまをラップで包みます。この時、隙間ができないように、ピタッリと包みましょう。

2、フリーザーバッグに入れ、袋内の空気をできるだけ抜いて、チルド室で保存します。

保存期間

2日間。なるべく早めに使いましょう。

さんまを冷凍保存する場合

使い切れなかったさんまは、冷凍保存がおすすめです。さんまを塩焼きにする場合は1尾のまま。蒲焼きや唐揚げにする場合は、切り身にして冷凍しておくと調理の際に便利ですよ。

用意するもの

・ラップ

・フリーザーバッグ

手順

1、下処理をしたさんまの両面に塩をふり、5分ほど置く。そして、さんまの表面に出てくる水分をキッチンペーパーで拭きとります。

2、さんまにピッタリと、ラップをします。

3、フリーザーバッグに入れ、空気をできるだけ抜いて冷凍庫に入れます。

保存期間

3週間の保存が可能。

解凍方法

冷凍保存したさんまは、冷蔵庫で解凍する。もしくは、流水で解凍します。

・冷蔵庫で解凍

冷蔵庫で解凍する場合は、使う約5時間から冷蔵庫に移して解凍します。

・流水解凍

急いでいる場合は、流水で解凍も可能。その場合は、水が入らないようにラップをして保存袋のまま流水で解凍します。完全に解凍せずに表面が柔らかくなったらOK。半解凍で加熱調理ができます。

さんまの保存食

さんまの保存方法として、調理をして常備菜にするのも手。今回は、パスタの具やお酒のおつまみにピッタリな「さんまのオイル漬け」をご紹介します。

さんまのオイル漬け

【材料(作りやすい量)】

  • さんま… 2尾(3枚おろし)
  • オリーブオイル… 適量
  • にんにく… 1片(スライス)
  • 鷹の爪… 1本
  • ローリエ(月桂樹の葉)… 1枚

【下ごしらえ】

1、三枚おろしにした、さんまを食べやすい大きさに切ります。

2、さんまに塩をふって、30分ほどおいておきます。出てきた水分をキッチンペーパーで拭きとり、下ごしらえは完了。

【作り方】

1、小さい鍋(フライパンでもOK)に、さんま・にんにく・鷹の爪・ローリエ、そして、さんまがひたひたに浸かるくらいオリーブオイル入れます。

3、弱火で20分〜25分煮込みます。

4、オイルごと保存容器に入れれば完成です。

保存食さんまのオイル煮を使った簡単レシピ

上記でご紹介した「さんまのオイル漬け」を使った、簡単レシピのご紹介です。

秋の風味さんまとしめじのパスタ

【材料(2人分)】

  • パスタ… 200g(茹で汁も使います)
  • さんまのオイル漬け… お好みの量
  • しめじ… 1/2パック
  • 塩… 少々
  • ブラックペッパー… 少々
  • オリーブオイル… 適量
  • しょうゆ… 小さじ2
  • にんにく… 1片
  • 大葉… 5枚

【下ごしらえ】

・オイル漬けのさんまの身をほぐしておく。

・大葉は細切りにしておく。

【作り方】

1、たっぷりのお湯でパスタを茹でる。指定の茹で時間よりも少し短めに茹でましょう。

2、パスタを茹でている間に、フライパンにオリーブオイルをひき、にんにくを入れて香りを出します。

3、2に、しめじ、ほぐしたさんま、オイル漬けのオイル(お好みの量)を入れます。塩ブラックペッパーで味をつけ、中火で炒めていきます。

4、しめじに火が通ったら、パスタとパスタの茹で汁(大さじ1ぐらい)を加えて混ぜます。

5、醤油を回し入れ、全体に味を馴染ませましょう。

6、器に盛り付け、大葉をトッピングしたら完成です。

さんまは下処理して保存で美味しさ長持ち

さんまは傷みやすい魚。下処理と適切な保存方法をすることで、新鮮さを維持しながら保存することができます。下処理は思っているより簡単。一手間加えて旬の美味しいさんまを賢く保存しましょう。

構成・文・写真(一部を除く)/松田慶子(京都メディアライン)

 

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