プログラミング教育には親世代のスタンスが超重要!無料で参加できるイベント情報も

2020年度から小学校でプログラミング教育が必修化され、ますます重要度が高まるプログラミング教育。子どもにどう向き合わせればいいか、悩んでいる親世代も多いはず。そこで今回は、プログラミングで自身の人生を切り開いた女性の話を通して、親世代の向き合いかたについて考えてみました。

そもそもプログラミングとは?

プログラミングについては、自分が勉強をしてこなかったり、「正直、苦手分野で……」と敬遠してしまったり、という親世代の声もよく聞きます。子どもにプログラミングを学ばせるうえで、大切なこととは何なのでしょう。

今回、お話を聞いたのは、女子大(英文科)在学中に独学でプログラミングを学び、現在は世界的IT 企業のアメリカ本社所属のDevRel担当のンジニアとして、日本国内や海外での登壇多数している千代田まどか(ちょまど)さん。まずは、第一歩として、「そもそもプログラミングとは?」という疑問をぶつけてみました。

 

(プロフィール)

ITエンジニア兼漫画家

ちよだまどか/栃木県生まれ。「デベロッパーズサミット2017」ベストスピーカー総合第1位を受賞。絶妙なトークでエバンジェリズムを発揮し、Twitter(@chomado)では多くのフォロワーを持つ。また、女性ITエンジニア限定の技術コミュニティー『Code Polaris』を主宰。共著に『マンガでわかる外国人との働き方』がある。

 

ちょまどさん(以下敬称略):確かに、プログラミングが何かって、だいたいはイメージできるけど、明確に説明できない場合もありますよね。プログラミングっていうのは、プログラムを書くことなんですけど、ここでいうプログラムっていうのは、コンピュータにしてほしい命令や処理をまとめたものです。

コンピューターというのは、当然ですが、人間の言葉は理解できなくて、0と1で構成される機械語しか理解できません。そんな機械語を人間が使うのはとても大変で、最終的に機械語に翻訳される、人間寄りの専用の言葉、それがプログラミング言語であり、それを操ることがプログラミングなんで

――そんなプログラミングが必修化されたというのは、どういう背景からなのでしょうか。

ちょまど:昔だったら、電化製品などはあったとしても、コンピューターが身の回りにあるということをそれほど意識しませんでしたよね。でも今はスマートフォンをはじめ、デジタルデバイスを日常的に使い、パソコンが仕事や生活に深く入り込んでいます。そうした中で、プログラミングを理解して、コンピューターの気持ちになれることは、エンジニアに限らず、生きていくうえですごく重要になってきますよね。
それに、文部科学省も言っていますが、プログラミングを学ぶことで、論理的でロジカルな
思考ができるようになるっていうメリットもあります。コンピュータのプログラミングっていうのは、書いたとおりにしか動かないもの。「動いてほしいとおりに動く」じゃなくて、あくまで「書いたとおりに動く」。だから、すべてに理由や原因があるんです。これって人間関係とかにも応用が効くと思っていまして。たとえば私自身、昔は親とケンカしちゃったとき、「腹立つ!」で終わっていましたけど、プログラミングをするようになってからは、「なぜ怒ってるんだろう」「あれがトリガーだったんじゃないか」って、冷静に分析ができるようになったんです。

プログラミング教育の功罪!重要なのは親世代!

――では、そんなプログラミングが学校で学べるというのは、子どもの将来について、享受できるものも多そうですね。

ちょまど:もちろんそうなんですけど、私としては、不安な部分もあるんです。それは、子どもたちにとってプログラミングが “お勉強” になってしまわないか、です。学校の勉強というのは、どこか義務感がありますし、正解なら○、間違ったら×をつけられてしまうもの。最初の印象ってすごく大切で、「やらされているもの」という出会い方をしてしまうと、プログラミング自体の楽しさや、プログラミングを知っているからこその世界の広がりに、気づけない可能性もあるかなって思うんです。

私にとって、英語がまさにそれでした。とくに高校のときは「受験科目」になっていました。また、大学は英文科だったんですけど、周りには帰国子女の人も多くて、普通にみんなペラペラだから、一度も日本から出たこがない私は、勉強についていくのに必死で。「勉強のために英語で映画を見よう」とか言って意気込むんですけど、全然楽しめない。そんな私ですが、今は外資系企業で働いていて、しかもアメリカ本社所属なので、コミュニケーションが全部英語になったんです。毎日のメールも会議もチャットも全部英語。でも、コミュニケーションのための英語が楽しいんです。それはお勉強じゃなくて、自分の考えや意見を伝えるためのツールだから。私の中で英語が「受験科目」「義務教育」から「コミュニケーションのための自由な生きた言語」になった瞬間、とても楽しいものになりました

――確かにそうですね。そうならないように、親世代でサポートできることはあるのでしょうか。

ちょまど:私の中では、まさに20代から50代の親世代が、とっても重要だと思うんです。なぜなら、子どもたちは、デジタルネイティブで、生まれた瞬間からスマホやタブレットい触れられる環境にいて、パソコンが家にあるのも珍しくない。でも、60代から上っていうのは、もちろん使いこなしている人もいますけど、基本的には、生まれたときには身の回りにコンピューターがないのが普通で、徐々に普及してきたことを経験してきた世代。だから、割と多くの人が「わからなくても平気でしょ」と思っているようです。

このデジタルネイティブの世代と、非ネイティブ的世代の橋渡しができるのが、今の親世代人たち。端なことをいうと、もちろん最近はいろいろと新しい制度が誕生しているとはいえ、ベースとしては「デジタル何もわからん世代」がつくった制度がベースの中で、デジタルネイティブの子供を育てるっていう、とても難しいチャレンジをしているんです。

――なるほど。とはいえ、親も一緒にプログラミングを勉強する、というのはなかなか現実的ではないのも事実ですよね。

ちょまど:そうですね。でも、プログラミング自体を理解する必要はないと思うんです。まずは子どもに、プログラミングを楽しめる環境だったり、機会だったりを提供してあげると。それから、話を聞いてあげて、見守ること。私なんか大学時代、ずっとパソコンに没頭していたとき、親から相当心配されましたから(笑)。この子は現実の友達がいないんじゃないかって。

その気持ちもわかりますけど、当時、独学でプログラミングを勉強して、やっぱりとっても楽しかったですし、その経験が今の私をつくっている。だから、まずは子どもに「楽しい」って感じてもらうこと、それがいちばん大事だと思います。楽しかったら、自然と「もっと学びたい」って思ってもらえるはずですから。

人間と友達になるのも大切だけど、同時に「コンピュータとも友達になろう!」という言葉で締めようと思います。みなさんを応援しています。

 

楽しみながらプログラミングを主体的に学べる大会が開催中!

「プログラミングの学びには、楽しいと思える機会が大切」−そう語るちょまどさんも審査員として参加している、全国の小学生向けのプログラミング大会が開催中です。その大会とは、小学館など4社で運営する「ゼロワングランドスラム」。「日本一の小学生プログラマーを決める大会」として、プログラミング大会には珍しく、競技形式を採用。プログラミングを学ぶ子どもたちがチームを組み、ライバルたちとの戦いを勝ち抜いていきます。優勝者には豪華賞品も!現在、WEB予選を実施中!参加費無料ですので、日ごろのプログラミングの腕試しやクイズ感覚で、ぜひ参加してみては。

https://01grandslam.jp/

1st STAGEWEB予選

2022123日(日)まで

〈2nd STAGE
【西日本ブロック】2022220日(日)イオンモール堺鉄砲町(大阪)にて
【東日本ブロック】
2022227日(日)イオンレイクタウンkaze(埼玉)にて

FINAL STAGE
2022320日(日)東京池袋・サンシャインシティ噴水広場にて

参加費:無料
対象:全国の小学生

https://youtu.be/0eLLazylZ2E

 

 

カメラ/黒石あみ

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