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月9ドラマ「ミステリと言う勿れ」初回が高視聴率をマーク!
菅田将暉主演の月9ドラマ「ミステリと言う勿れ」(毎週月曜21時~)の第2話が、1月17日に放送されます。30分拡大版で放送された初回は、世帯平均視聴率が13・6%(関東地区、ビデオリサーチの調べ)と高視聴率をマークしました。
1話の最後に、次なるバスジャック事件がスタートしたことで、続く2話を心待ちにされている方も多いのでは。そこで前回を振り返りつつ、今回の見どころもお届けします!
菅田将暉演じる主人公・久能整に絶賛の声
原作は田村由美の同名コミック。菅田さんが演じる主人公は、久能整(くのう・ととのう)という個性的な名前のしがない大学生です。インパクト大な天然パーマにコンプレックスを持ち、カレーが大好物だとか。頭脳明晰な整ですが、友だちも彼女もいないというリア充とはかけ離れたキャラクターのほころびが、視聴者の共感を呼びそうです。
SNSでは菅田さんと整のマッチング度合いへの称賛はもちろん、長台詞を流暢に披露する菅田さんを称える声も多く上がりました。
整はいろんな事件に巻き込まれていきますが、鋭い洞察力を持つ彼は、淡々と自分の見解を述べていき、やがて難事件の核心にまで触れていきます。他人の心を繊細に読み取ることで、本人に気づきを与えていくという不思議な立ち位置にいる点も、“新感覚ミステリー”と称されるゆえんかなと。
菅田さんが演じた漫画原作のキャラクターといえば、映画『帝一の國』の主人公・赤場帝一の再現度も大いに称賛されました。今回もビジュアルはかなり原作に寄せていますが、完コピを目指すというよりは、久能整という唯一無二のキャラクターを自身に取り込み、見事に菅田さん版の血の通った整を作り上げた点が素晴らしいなと感心しました。
前回の第1話はここがしびれた!
ミステリーということで、整は毎回、事件に絡んでいきますが、その発端となったのは、第1話で描かれたある殺人事件でした。自宅でカレーを作っていた整の下に刑事がやってきて、そのまま任意同行されてしまいます。
殺害されたのは、整と同じ大学に通う金持ちのボンボンで、どうやら整に殺人の疑いがかけられたようです。事情聴取された整は、まったく動じることがなく、次から次へと警察の捜査における矛盾点を指摘しつつ、刑事たちのパーソナルな悩みや問題にまで切り込んでいきます。
新米刑事・風呂光聖子役の伊藤沙莉、お調子者・池本優人役の尾上松也、冷静沈着な上司・青砥成昭役の筒井道隆、今回の真犯人となった古参の刑事・薮鑑造役の遠藤憲一と、刑事たちのキャスティングが秀逸で、菅田さんとのアンサンブル演技も見応えがありました。
特に、仕事の鬼で家庭を顧みない薮刑事役の遠藤さんがにじませる哀愁が、なんとも味わい深かったです。2人ががっつり共演した人気ドラマ「民王」も記憶に新しいところですが、今回は気迫ある対峙シーンにぐっと心をつかまれました。
心に刺さった名台詞「生涯で息子さんの名前を何回呼びましたか?」
「ミステリと言う勿れ」を語るうえで、絶対に外せない整の名台詞を挙げるとしたら「真実は人の数だけあるんです。でも、事実は1つです」だと思います。これは、人は通常、物事をそれぞれの主観で見てしまうという点を指摘したもので、ドラマの軸となるフレーズかと。
でも、毎回、舌戦を繰り広げる整だけに、ドラマも名台詞の宝庫となっています。とりわけ、第1話は、子育て中のママパパが考えさせられるような家族にまつわる台詞が多かった気がします。
なかでも、仕事一筋で家族をないがしろにしてきた薮刑事に整が「薮さん、生涯で息子さんの名前を何回呼びましたか?」と問いかけるシーンにはドキリとさせられました。
薮刑事は若僧からいきなり説教されたことでぶち切れし、「お前なんかに何がわかるんだ!」と整の胸ぐらをつかむことに。でも、整はあくまでも冷静で「僕は子どもを持ったことはないですが、子どもだったことはあります。親になると忘れてしまうかもしれませんが、僕は今、子どもの立場でものを言ってます」という正論で切り返し、薮を絶句させます。
また、子どもが産まれたばかりの池本刑事が、妻との不仲について整に相談するというくだりがあります。「女は子どもを産むと変わるっていうじゃない」と言う池本に、整は「当たり前です。ちょっと目を離したら死んでしまう生き物を育ててるんです。問題なのは、あなたが一緒に変わってないことです」とビシッと指摘。ワンオペ育児に普段、疲弊しているママたちは、胸がすく思いだったに違いありません。
第2話では謎のバスジャック事件が描かれる
第1話の最後にいきなりバスジャック事件に巻き込まれた整。第2話では、永山瑛太演じる金髪サラサラヘアのキーマン、熊田翔にご注目を。風呂光は後輩警官からバスジャックの通報があったことを聞きますが、付近の路線バスや観光バスは順調に運行しているようで、上司に取り合ってもらえませんでした。
整は、なんとか外部に連絡しようとしますが、そこも上手くいきません。さらに例によって整がバスジャック犯のオトヤ(阿部亮平)を理詰めにして怒らせてしまいます。逆上したオトヤはナイフで切りかかりますが、そこに分け入ったのが、乗客の1人である翔(永山瑛太)でした。
その後、バスは犯人の指示により、ある屋敷にたどり着きました。そこで整が、鮮やかな分析力で、犯人や乗客の本音を聞き出していくことになりそう。果たして犯人たちの真の目的とは!?第2回も予断を許さない展開となるので、乞うご期待。
カレー好きで天然パーマの大学生・久能 整(くのうととのう)がある日、
殺人事件の容疑をかけられて…!?整の言葉に、事件の謎も人の心も解きほぐされていく新感覚ミステ
月刊フラワーズ(毎月28日頃発売)にて連載中!
文/山崎伸子