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鉢植えカーネーション、来年も咲かせることはできる?
母の日の象徴ともいえるカーネーション。なかでも赤いカーネーションは、「母への愛」という花言葉を持つため、お子さんからプレゼントでもらったり、ご自身が母親へ贈ったりした経験がある方は多いのではないでしょうか。
そんなカーネーションは、実は、何年も咲かせることができる「多年草」。個体や品種によって寿命が短いものもありますが、鉢植えでもらった場合は、うまく育てれば来年・再来年もカーネーションの花を楽しむことができるのです。
今回は、そんなカーネーションの贈り物の中でも、「鉢植え」でもらった場合の育て方やお手入れ方法をご紹介!
カーネーションの基礎知識
ナデシコ科の多年草であるカーネーションは、切花としてだけでなく、鉢花としても人気です。ここではまず、カーネーションの特徴や、カーネーションの鉢花の基本的な育て方をおさえておきましょう。
カーネーションとは? 育成には、日当たりよく乾燥した環境が◎
カーネーションは、フリルのような可愛らしい花びらが特徴的。日当たりが良く乾燥した環境を好み、それとは反対に、長期的な雨季のような高温多湿の環境が苦手です。
蒸れやカビなどによる病気に弱いので、茎や葉が密生しやすい鉢花の場合は、特に注意が必要です。そのため、置き場としては、風通しがよく、雨よけができる場所がおすすめ。
また、多少の暑さや寒さであれば問題ありませんが、過度の乾燥や蒸れ、そして寒風には直接晒さないよう気をつけましょう。
カーネーションの開花時期
カーネーションの開花時期は、4月~6月。ただし、四季咲きの品種の場合は、10月~11月の秋シーズンに花を咲かせることも。
種からでも苗からでも育てることができますが、その栽培適期は、品種や栽培環境、地域によって異なります。栽培からはじめたい場合は、入手したお花屋さんや専門店に確認することをおすすめします。
鉢植えの寿命
先述したとおり、カーネーションは多年草なので、基本的には何年か繰り返し花を咲かせることができます。しかし、品種によってその寿命は異なり、カーネーションによっては1〜2年で寿命を迎えてしまう場合も。
また花を咲かせることができるか・できないかは、花が枯れた際に茎の根本を揺らしてチェックしてみましょう。この時、もしもスカスカに感じられたら、根が腐敗しているのかもしれません。残念ではありますが、抜いて処分します。
反対に、まだ根っこを張っている状態であれば、育て方次第では、来年もまた花を咲かせるかも!
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鉢植えカーネーションのお手入れ方法
ここからは、鉢植えカーネーションの基本的なお手入れ方法をお伝えしていきます。水やりの頻度や、置き場所にも十分に気をつけましょう。
水やり
カーネーションは、多湿が苦手。そのため、水は「土の表面が乾いた際に」与える程度でOK。このとき、底から流れ出るくらいたっぷり与え、流れ出た水はしっかりと切ります。根腐れしないように、受け皿にも水が残らないようにしましょう。
置き場所
繰り返しお伝えしているとおり、カーネーションは高温多湿が苦手。鉢植えは日当たり・風通しが良い場所に置きましょう。
日照不足・害虫に注意する
高湿度や日照不足によって、病害虫が発生しやすくなります。そのため、梅雨や秋冬は、湿度や日当たりに十分に注意する必要があります。
また、春先に発生しやすいアブラムシにも気をつけましょう。もし発生した場合は、専用の薬剤を使って早めに駆除することが大切です。
長持ちさせるには……
たくさん花を咲かせるタイプのカーネーションは、咲き終えた花がらを小まめに取り除いて、負担を減らしてあげるのが長持ちさせるポイントです。風通しがよくなり、生きている部分に栄養が行き届きやすくなります。
カーネーションが枯れてしまう原因と対処法
次の年も楽しむつもりだったカーネーションが、不注意によって枯れてしまったらショックですよね。ここでは、鉢植えカーネーションが枯れてしまう原因と対処法を知っておきましょう。
カーネーションが枯れる原因
鉢花のカーネーションは、デリケートな植物です。上でもお伝えしてきたとおり、
・高温多湿
・水の与えすぎ
・暑すぎるor寒すぎる
・風通しが悪い
等々が、カーネーションが枯れる原因として挙げられます。カーネーションにとって快適な生育環境を目指しましょう。
以下では、鉢植えカーネーションの一部が枯れてしまった場合や、枯れるのを防ぐための対処法をチェックしていきます。
対処法1:切り戻し
咲かない蕾や枯れてしまった花は、 根元から5~10cmを目安に茎ごと切ります。枯れた葉も一緒に全て切ってしまいましょう。
この「切り戻し」という作業をすることで、まだ生きている箇所に効率よくエネルギーが行き届くようになります。
対処法2:植え替え
カーネーションの育成には、鉢植えの大きさも重要です。もしも育苗用のポリポットのままであったり、鉢植えが小さく感じられるほど育ってしまった場合は、一回り大きめの鉢に植え替えましょう。
この際、鉢植えが大きすぎると、根がうまく呼吸できないことがあります。鉢植えは「一回り大きい」程度のサイズを選びましょう。
対処法3:適度な日光浴&水やり
鉢を植え替えた際は、すぐにたっぷり水をあげましょう。
また、カーネーションは高温多湿は苦手ですが、適度な日光浴は好みます。植え替えや切り戻しをした際は、数日間日陰で見守ったら、あたたかい日に数時間ずつ日光浴をさせてあげると◎。
冬眠しているだけかも?
冬になると、花が落ち、枯れてしまったように見えるかもしれません。ですが、多くの場合、土の中で、茎や根が冬眠状態になっているだけ。無事に越冬できれば、春にはまた花を咲かせます。
越冬のためには、冬は基本的に鉢植えを室内に移動し、晴れたあたたかい日に日光浴をさせましょう。冬は、水や肥料はあまり必要ではありません。
その後も大切にしてもらえると、あげた側もうれしいもの!
母の日のカーネーションは、もちろんもらった側は嬉しいものですが、その後も大切にしてもらえると、あげた側も気分が良いものです。カーネーションを鉢植えでもらった場合は、ぜひ今回お伝えした育て方を参考にしつつ、次の年、その次の年も花を咲かせてみてくださいね。
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構成・文/羽吹理美