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赤ちゃんがおっぱいを飲むときのしゃぶり方にはパターンがあった!
赤ちゃんがおっぱいを飲むときのしゃぶり方には、いくつかパターンが見られます。自分のお子さんがどのパターンかチェックしてみてください。
パターン1:すっぽん
赤ちゃんをおっぱいに近づけると、すぐに乳首に吸いついて飲み始めるパターンです。吸いつきがよいのが特徴といえます。
パターン2:暴れん坊
いったんは乳首に吸いつくのですが、飲んでいる途中で乳首から口を離したり、泣きわめいたりしはじめます。乳首から口を離すと手がつけられないのが「暴れん坊」パターンです。気持ちが落ち着いているときや、眠そうなときに授乳すると飲んでくれることがあります。
パターン3:後回し
おっぱいをあげようとしても、なかなか飲もうとしない、おっぱいを飲むことにあまり興味を示さないのが「後回し」パターンです。気分転換をして時間を置いてから授乳すると、スムーズに飲むことがあります。
パターン4:グルメ志向
母乳の味をじっくり楽しんでから飲み始めるパターン。急かすと泣き叫ぶことがあるので要注意です。
パターン5:のんびり屋さん
飲んでは休み、飲んでは休みを繰り返す、のんびり屋さんパターン。授乳中に寝てしまうこともあります。のんびり屋さんパターンも、焦りは禁物。ママものんびり授乳するよう心がけてください。
おっぱいを飲みやすくするしゃぶらせ方のポイント
赤ちゃん、ママともにおっぱいを飲みやすくなるしゃぶらせ方のポイントをご紹介します。
赤ちゃんの姿勢は一直線に
授乳をする前に大切なのが、正しい授乳姿勢です。授乳姿勢にはさまざまな方法がありますが、どの姿勢でもポイントとなるのは、
・乳頭と赤ちゃんの口の高さを合わせる
・赤ちゃんの体全体がママのほうを向き、お互いの体をぴったり密着させること
・赤ちゃんの頭、首、背骨が一直線になるような姿勢にすること
・赤ちゃんを引き寄せ授乳すること
です。このとき、ママが赤ちゃんに覆いかぶさるような体勢にならないようにしてください。
赤ちゃんの口を大きく開かせる
正しい授乳姿勢がとれたら、赤ちゃんのあごを上へ向け、ママの乳頭と赤ちゃんの口の高さが同じになるようにします。赤ちゃんの上唇に優しく乳首を当てて刺激し、赤ちゃんの口を大きく開かせましょう。赤ちゃんの口が大きく開けば、うまく吸いついてくれます。
口の中に乳輪全体をふくませる
赤ちゃんの口が大きく開き、舌を下の歯茎より前に出したら、乳輪の下部分を赤ちゃんのあごに当てて乳首を入れます。このとき、ママが目線を下げたら、赤ちゃんと目が合うくらいの角度が理想的な角度です。赤ちゃんの舌の上に乳首が乗るようにしてください。
あひる口になっているかチェック
赤ちゃんの下唇とあごが乳輪の下側のほとんどを覆い、口の中に乳輪全体をふくんでいるようにします。このとき、赤ちゃんの口の状態があひるのような口になっていることが理想的です。そのまま、赤ちゃんのあごがおっぱいに触れている状態をキープするようにしましょう。
赤ちゃんをおっぱいから離す
赤ちゃんに母乳を吸わせている最中に、乳輪が見えてきたり、吸いつきが浅くなったり、乳首に痛みが出てきた場合は、赤ちゃんの口から乳首をはずし、もう一度くわえなおしをしましょう。赤ちゃんの口の端から指を入れて、空気を入れてから乳首をはなすようにしてください。また、このとき指を清潔にしておくことも大切です。
赤ちゃんがおっぱいを上手にしゃぶっているサイン
赤ちゃんが上手におっぱいをしゃぶっている場合のサインがあります。次のようなサインが出ているかどうかチェックしてみてください。
・赤ちゃんのあごがおっぱいに触れている
・赤ちゃんの口が大きく開き、口いっぱいに乳輪をふくんでいる
・赤ちゃんが吸いついていても、乳首に痛みがない
・短い吸い方から、徐々にゆっくり深く吸うようになっている
・授乳後に乳首の形が変形していない(つぶれたり、いびつになっていない)
おっぱいをしゃぶっているのに飲んでない⁉「遊び飲み」とは
赤ちゃんのなかには、「遊び飲み」をする子もいます。この「遊び飲み」とは、赤ちゃんが遊びながら母乳やミルクを飲むことをいいます。
具体的には、「授乳中にキョロキョロして母乳やミルクを飲むことに集中しない」「ニヤニヤ笑って飲もうとしなかったり、飲むのをやめる」「急に飲むのをやめる、のけぞる」「乳首を噛む」「おっぱいを触って遊び出す」などの行動が見られます。
遊び飲みはいつからいつまで?
赤ちゃんの遊び飲みがはじまるのは、生後3〜5か月くらいからです。このころになると、周囲の物や音に興味を持ち始めるため、遊び飲みがはじまるといわれています。
また、遊び飲みは、1か月程度でおさまる子もいれば、卒乳まで続く子もいます。
ただし、遊び飲みのはじまり、終わりには個人差があり、赤ちゃんによって遊び飲みの期間は異なります。遊び飲みの対策をすることで、頻度が減ったり、しなくなったりするケースもあります。
遊び飲みの原因と対策
遊び飲みの原因にあった対策をすることで、遊び飲みをおさえることができます。遊び飲みでお困りなら、原因に応じた対策をやってみましょう。
音が気になる
授乳中に、テレビの音や、家の外の音、人の話し声などがすると、赤ちゃんはおっぱいに集中できなくなることがあります。
音が気になって遊び飲みをする赤ちゃんには、テレビを消したり、窓を閉めたりして、なるべく静かな環境を作ってあげるようにしましょう。
見えるものが気になる
赤ちゃんの視界に気になるものがあるのも、集中力を欠いてしまう原因となります。
授乳中にキョロキョロするようであれば、赤ちゃんの関心がいくものをできるだけ排除しましょう。カーテンを閉めてみたり、動くもののない落ち着いた環境で授乳しましょう。また、スマホやパソコンをしながら授乳しないようにしてください。
歯の生え始め
歯が生え始める生後6~8ヶ月頃から遊び飲みをしはじめる赤ちゃんもいます。歯が生え始めると、歯茎がむず痒くなります。そうすると、おっぱいや乳首をうまくくわえられない、吸えない、むず痒さが気になって集中できないなどのことから、遊び飲みをしてしまいます。
乳首を噛むような遊び飲みをする場合には、歯の生え始めが原因かもしれません。対策としては、授乳前に歯固めで思う存分噛ませてあげてから、授乳を行うとうまくいくことがあります。
母乳の量の変化
量が減ることが遊び飲みの原因となることがあります。
十分な母乳の量が出るようにするには、こまめにおっぱいマッサージをし、乳首の硬さや乳房の張りを緩和するように心がけてください。
ママと遊びたい
おっぱいをくわえながらママと遊びたい場合があります。ママが「飲まないの?」などと声をかけてくれるのが楽しかったり面白かったりすることもあるでしょう。
なかなか遊び飲みをやめないときは気分転換を
上記の対策をしたものの、なかなか遊び飲みをやめない場合には、いったん授乳を切り上げ、気分転換をしましょう。
一緒に遊んだり、スキンシップをとったりして気分転換をし、少し時間をあけて再び授乳してみてください。
また、赤ちゃんは眠たいときに集中しておっぱいを飲むことがよくあります。眠そうになったら授乳するのもおすすめです。
赤ちゃんのしゃぶり方を知ってスムーズな授乳を
赤ちゃんおっぱいのしゃぶり方のパターンをご紹介しました。うまく授乳できない場合には、しゃぶり方を見極めて対策したり、しゃぶらせ方を見直してみてくださいね。
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記事監修
看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。様々な診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わる。青年海外協力隊として海外に赴任後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。現在はシンガポールの産婦人科に勤務、日本人の妊産婦をサポートをしている。また、助産師25年以上の経験を活かし、オンラインサービス「エミリオット助産院」を開設、様々な相談を受け付けている。
文・構成/HugKum編集部