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おしゃぶりは便利?メリットを確認
『おしゃぶり』は、赤ちゃんはもちろんママにとっても活躍する育児アイテムの一つです。まずは、おしゃぶりのメリットを再確認してみましょう。
赤ちゃんの気持ちが落ち着く
おしゃぶりは、赤ちゃんの気持ちを安定させるのに効果的です。
赤ちゃんは生まれつき『吸啜反射(きゅうてつはんしゃ・きゅうせつはんしゃ)』という、口に触れた物を無意識に吸う性質を持っています。そのため、誰が教えたわけでもないのに自然と母乳を飲むことができるのです。
それ以前にも、赤ちゃんは生まれる前からママのお腹の中で指しゃぶりをしているといわれています。このことからも、おしゃぶりを使用した赤ちゃんの『吸う』行為は、心を落ち着かせるということが分かりますね。
ママの負担を減らせる
赤ちゃんは、何か不快なことがあると泣くことで表現します。ママは、赤ちゃんが何が原因で泣いているのか分からず、不安な気持ちになることもあるでしょう。
また、赤ちゃんが泣いているとママは抱っこしてあやさないといけませんし、心身共に疲れてしまうこともあるでしょう。
そんなときに役立つのが『おしゃぶり』です。赤ちゃんを安心させ、泣き止んだり寝付いたりしてくれるのでママの負担軽減にも一役買ってくれるでしょう。
鼻呼吸の習慣にも?
おしゃぶりをすることで、『鼻呼吸の習慣が身に付く』ことも期待されています。おしゃぶりを使用することで口が塞がれるため、自然と鼻で息をするようになるのです。
また、おしゃぶりをすることは、口輪筋・舌・顎の発達を促すことができるという専門家の意見もあります。鼻呼吸の練習をしつつ、口周りの発達を促す効果も期待できることを知っておきましょう。
注意しておきたいデメリットもチェック
赤ちゃんの心を安定させ、ママの負担も軽減してくれることがメリットのおしゃぶりですが、残念ながらデメリットもあります。
どんな点があるのかを理解した上で使用することは、デメリットの対策にもつながります。知っておきたい二つのデメリットをチェックしていきましょう。
出っ歯・噛み合わせに影響が出ることも
有名な話ですが、長期的におしゃぶりを使い続けると『出っ歯』になったり『噛み合わせ』に影響が出たりすることがあります。
小児科医と小児歯科医から構成される『小児科と小児歯科の保険検討委員会』がまとめたおしゃぶりに関する提言によると、赤ちゃんのころからずっとおしゃぶりを使っていると、2歳のころには『開咬(かいこう)』になる子どもがいます。
『開咬』とは、口を閉じたときに前歯や横の歯の間にすきまが空いてしまい、うまく噛み合わせができないというものです。
後ほど、おしゃぶりの使用期間について触れますが、2~3歳といった年齢まで日常的に使うのは避けた方がよさそうです。
コミュニケーションの機会が減る
気を付けたいのが、『おしゃぶりに頼り過ぎて、赤ちゃんとのスキンシップが減ること』です。赤ちゃんが泣いたらすぐにおしゃぶりを与えていると、何が原因で泣いているのかという大切なことが分からなくなってしまいます。
赤ちゃんが伝えたいことを全て理解できるわけではありませんが、なるべくコミュニケーションをとって、赤ちゃんと向き合うのはとても大切なことです。
ママから赤ちゃんへ声かけをしたり、赤ちゃんが発語したりしようとする機会を減らさない意識が必要です。
おしゃぶりを使っていた?【ママパパアンケート】
HugKumでは、0~2歳のお子さんがいるママパパ123人に、おしゃぶりの使用についてアンケートで聞いてみました。
Q.赤ちゃんにおしゃぶりは使っていましたか?
「1度も使ったことがない」が49.6%で半数近くの方がおしゃぶりを使わなかったようです。「あまり使わなかった」も34.1%と、日常的におしゃぶりを使用している方が少ない結果となりました。
それぞれ理由も教えていただきました。
使っていた(使っている)
あまり使わなかった
1度も使ったことがない
期間はいつまで?上手な使い方
おしゃぶりにはメリット・デメリットがあるとお伝えしましたが、上手に使いこなすことができればデメリットを減らせるかもしれません。使ってよい期間や使うときの注意点についても見ていきましょう。
常用するのは1歳まで
『日常的におしゃぶりを使うのは、1歳まで』としましょう。2歳になってもどうしても手放せないようなら、外出時のみや就寝時のみ使うといったように、時間を区切ることが大切です。
赤ちゃんが落ち着いてくれるので、ママも精神的におしゃぶりに頼ってしまうことがありますが、先ほど触れたように、赤ちゃんから3歳までといった長期間のおしゃぶり使用は『出っ歯』や『噛み合わせが悪くなる』原因になってしまうことがあります。
時期を見計らい、意識的におしゃぶりを卒業する機会を探りましょう。
定期的な消毒で清潔に
おしゃぶりを上手に使うには、『定期的な消毒で清潔にする』ことが必要です。消毒方法には『煮沸消毒』『薬液消毒』『電子レンジ消毒』があり、基本的に哺乳瓶と同じケアで問題ありません。
ただし、おしゃぶりの種類によっては対応していない消毒方法があるので、しっかりと取扱説明書を読むようにしましょう。
消毒のタイミングは、『初めて使うとき』『お昼に寝たとき』『外出から帰ったとき』など、こまめに行うようにするのがおすすめです。哺乳瓶の消毒を行うときと一緒にすると効率がよいですね。
泣き出してすぐにおしゃぶりはNG
泣き出してすぐのおしゃぶり使用は控えましょう。赤ちゃんが泣いている理由はいくつも考えられます。
ときには、ママの温もりをほしがっているときもあるでしょう。泣き出してすぐにおしゃぶりを与えることばかりしていると、赤ちゃんは寂しさを感じてしまうかもしれません。
「どうして泣いているのかな…?」と赤ちゃんの気持ちを考えることは忘れないようにしましょう。
おすすめのおしゃぶり3選
上手な使い方を知ったところで、おすすめのおしゃぶりを三つ紹介します。さまざまなデザインや性質があるので、赤ちゃんにぴったりなおしゃぶりを見つけてあげましょう。
NUK ジーニアス2.0
ドイツの歯学博士と共同開発されたおしゃぶりの人気シリーズです。
乳首にそっくりな形を再現しており、口を一生懸命動かすことで、口腔周囲筋の総合的な発育をサポートしてくれます。月齢に合わせた3サイズがあり、おしゃぶりの裏側にある凹みが、赤ちゃんの舌にマッチしやすくなっています。
別売りの『おしゃぶりホルダー』と組み合わせれば、落としたりなくしたりするのも防げますよ。
チュチュベビー 蓄光デンティスター
赤ちゃんの舌にフィットしやすい、乳首を平たく潰したような形状のおしゃぶりです。
厚みが薄く、舌の入るスペースを確保しつつ自然な噛み合わせになるように設計されているので、出っ歯になりにくいのもポイントです。
蓄光タイプで、台座部分がほのかに光ります。移動中のカバンの中や夜間のベビーベッドなど、なくしがちなおしゃぶりが見つけやすいのも特徴です。
コンビ テテオ 入眠ナビ
日本人の赤ちゃんの口を研究して作られた薄型・軽量なおしゃぶりです。S~Lサイズまで、月齢によって大きさが分かれており、Sサイズであれば吸う力の弱い新生児からでも利用できます。
口から外れにくく、頬へ跡が付きにくい形状になっているので、赤ちゃんの寝入りアイテムとして重宝する一品です。
付属のケースは電子レンジ除菌にも対応しているので、お手入れが簡単です。そのまま保管ケースとして使えるので、お出かけのときも役立ちます。ケースの取っ手は着脱可能で、用途別に使い分けることができますよ。
無理なく卒業するにはどうすればよい?
日常的におしゃぶりを使うのは1歳頃までが望ましいですが、今まで使っていたものを突然やめるのは難しいことです。1歳になるまでにおしゃぶりを無理なくやめる方法を知っておきましょう。
おしゃぶりの種類を変える
おしゃぶりの種類を変えて、赤ちゃんに抵抗感を与えてみましょう。
おしゃぶりを別の物に変えると、慣れ親しんだゴムの感触が変わり、味や硬さの変化に違和感をおぼえ、おしゃぶりを卒業できる赤ちゃんがいるようです。
別のおしゃぶりを買うのに抵抗がある場合は、思い切っておしゃぶりの先端のゴム部分をはさみで切ってみましょう。切った部分を見せて「壊れてしまったから捨てようね」と説明して聞かせることも、卒業するのに効果的な方法です。
隠してみる方法も
おしゃぶりを隠して様子を見つつ、おしゃぶりを卒業させてあげるのもよい方法です。もちろん、赤ちゃんはおしゃぶりがないことに気付きますが、ママは「あれ、おしゃぶりどこいっちゃったんだろうね?」ととぼけてみましょう。
同時に、おしゃぶりではないおもちゃを差し出して気をそらすと効果的です。ときには、おもちゃやタオルを吸うことがありますが、おしゃぶりと違ってずっと吸っているわけではないので、それほど気にする必要はないでしょう。
やめることをきちんと話そう
2~3歳になってもおしゃぶりがやめられないなら、「もうそろそろやめよう」ときちんと話すのが有効です。「もう○歳になったから、やめてみようか?」といった声かけをしてあげるとよいでしょう。
特に、弟や妹のおしゃぶりを取って使ってしまう場合、お兄ちゃんやお姉ちゃんは赤ちゃん返りをしている可能性があります。うまくいかなくても叱りつけず、優しく声をかけてあげるようにしてみましょう。
適切な使い方でママも赤ちゃんも笑顔に
おしゃぶりは、赤ちゃんの気持ちが落ち着き、ママが一息つける育児アイテムです。しかし、出っ歯になったり、噛み合わせに影響が出たりすることがあるので、日常的に使うのは1歳くらいまでにすることをおすすめします。
おしゃぶりを無理なく卒業するためには、新しいおしゃぶりに変えてみたり、ときには隠してみたりするのもよいでしょう。「いつものお気に入りのものと違う」ということに気付いてもらえたら、おしゃぶりではないほかのものに興味が移るかもしれません。
おしゃべりにはメリット・デメリットがあるので、うまく付き合っていきたいですね。
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構成・文/HugKum編集部