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指しゃぶりは何歳までにやめるべき?
日本小児歯科学会によると、3歳頃までは無理に指しゃぶりをやめさせる必要がないとされています。一方、「4歳を過ぎても頻繁に指しゃぶりをするようであったら、小児科医、小児歯科医および臨床心理士の連携による積極的対応が必要である」とされています。
指しゃぶりには個人差があり、子どもによって指しゃぶりの原因も異なります。専門家の意見もそれぞれ異なり、心理的な原因が背景にあるとの意見がある一方、生理的な現象であるとの見方もあるようです。3~4歳を過ぎても続く場合は、指しゃぶりが癖となっている場合もあり、それぞれのお子さんに合ったやめる方法を医師と相談しながら探してみるのもいいでしょう。
出典:日本小児歯科学会
子どもの指しゃぶりの癖はどれくらいある?
2~4歳のお子さんを持つママパパ120人に指しゃぶりについてアンケートを実施しました。実際どれくらいのお子さんが指しゃぶりをしているのでしょうか。
Q.お子さんに指しゃぶりの癖がある、または ありましたか?
今回のアンケート結果からは、約3割の子どもが指しゃぶりをしていることがわかりました。指しゃぶりをしていない、もしくはしなかったという回答は、指しゃぶりをしていると答えた人数の2倍みられ、赤ちゃんが必ずしも指しゃぶりをするということではないようです。
子どもが指しゃぶりしてしまうのはどんなとき?
では、どんな時に指しゃぶりをしているのでしょうか。お子さんが指しゃぶりをするタイミングについて伺いました。
眠いとき
眠い時に指しゃぶりをしていたという口コミがありました。お昼寝前や夜眠りにつく前などに指しゃぶりをするケースがよくあり、指しゃぶりをすることで心が落ちつくともいわれています。ママやパパが寝かしつけるときに指しゃぶりをする手をやさしく握ってあげると、指しゃぶりをする回数が徐々に減ったという声もありました。
不安なとき
・3歳の頃。怒られて泣いているときが多かった (40代・長野県・子ども2人)
怒られて泣いているときなど、精神的に不安になった時に指しゃぶりをするケースもあるようです。子どもにとって指しゃぶりは、気分を落ち着かせてくれる魔法の指なのかもしれませんね。
習慣化していることも
・現在5歳、しゃぶるまではいかないが、指はよく口に入れている (40代・埼玉県・子ども2人)
テレビを見ているとき、絵本を読み聞かせしているときなど単に指しゃぶりが癖となっていて、無意識のうちに指をくわえてしまうこともあるようです。3~4歳を過ぎても指しゃぶりを続けている場合、習慣化している可能性があるともいわれており、まずは子ども自身が指しゃぶりをしていることを自覚しやめるように促してあげることが大切のようです。
指しゃぶりは3歳ごろには自然にしなくなることも
一般的に、成長とともにいろいろなことに興味を持ち始め、遊ぶようになることで指しゃぶりをする回数が減っていくとされています。お友達とも過ごす時間が増える3歳ごろから自然とやめる子どもが多いともいわれています。
しかし、幼稚園や小学校が始まる4~6歳を過ぎても指しゃぶりがやめられない子もいます。そんな時は、叱るのではなく、子どもの生活のリズムを整え、指しゃぶりをしがちな時に手を握って親子でコミュニケーションを図りながら、やめる努力を一緒にしていくことを始めるのもひとつの方法です。かかりつけの小児科や小児歯科の先生に相談してみるのもいいでしょう。
出典:小児科と小児歯科の保健検討委員会, 指しゃぶりについての考え方.公益社団法人日本小児保健協会小児保健研究,2006, vol.65, no.3,p.513-515,
指しゃぶりが影響してしまうこと
では、指しゃぶりを続けるとどのような影響がでてくるのでしょうか。指しゃぶりのデメリットについてみていきましょう。
歯並びが悪くなることも
指しゃぶりを続けることで特に心配されるのが、歯並びへの影響です。吸う指によって影響する歯も異なりますが、親指を吸うタイプの場合、指しゃぶりをしたときに前歯を後ろから親指で押す形になり、出っ歯になってしまうこともあります。乳児期の指しゃぶりからは大きな影響がないとされるなか、3歳以降の指しゃぶりは噛み合わせや滑舌に影響することもあり、顎の発育にも関係してくるともいわれています。
出典:小児科と小児歯科の保健検討委員会, 指しゃぶりについての考え方.公益社団法人日本小児保健協会小児保健研究,2006, vol.65, no.3,p.513-515,
指に吸いだこができる
歯が生えてからも指しゃぶりを頻繁に続けていると、歯がよく当たる指の部分に吸いだこができることがあります。吸いだこに細菌が入り化膿してしまうこともあります。特に指しゃぶりを頻繁にしている場合は、お子さんの指をこまめにチェックすることを忘れずにしましょう。
衛生面が心配
指や爪にはたくさんのばい菌がついており、その指を口に入れてしまうのは衛生的ではありません。活発に動く年ごろでもあり、お外遊びで床や土を触って汚れている指をそのまま口にくわえてしまうこともあります。お外遊びでも指しゃぶりをすることが多い場合は注意してみてあげましょう。
指しゃぶりをやめさせるときに気をつけたいこと
成長するとともに自然に指しゃぶりをしなくなるケースもあるなか、3歳を過ぎてもやめる気配がなく、やめさせようとしても簡単に卒業できない場合もあります。先述した通り、指しゃぶりが与える悪影響を考えると早くやめさせたいとあせりを感じてしまうこともあります。しかし、ママやパパが一方的に注意しても逆効果となる場合もあるようです。指しゃぶりをやめさせるときの注意点についてみていきましょう。
怒りすぎに注意
子どもの指しゃぶりが与える悪影響のことを考えると、ママパパもついムキになって怒ってしまうこともありますよね。しかし、指しゃぶりをやめるよう子どもを強く叱ったり、無理にやめさせようとすると逆効果となってしまうともいわれています。指しゃぶりをしている理由や、やめなければいけない理由を子どもと話してみて、子ども自身に指しゃぶりをやめるという自覚を持たせることから始めるのも、ひとつの方法です。
まずは生活のリズムを整えてみましょう
日本小児歯科学会によると、外遊びや運動を十分にして生活のリズムを整えることが大切であるとしています。さらに、寝かしつけの時に子どもの手を握ってあげたり、絵本の読み聞かせをして、安心させてあげることが推奨されています。まずは生活のリズムを整え、親子で一緒に指しゃぶり卒業にむけて一緒に努力していくのが大切なようですね。
出典:日本小児歯科学会
ママたちが実践した指しゃぶりの防止策
実践して効果的だった指しゃぶり防止策をママたちに教えてもらいました。指しゃぶりをやめようと子どもに気付かせため、ママパパたちはいろいろな方法で努力しているようですね。
絆創膏を貼る
指しゃぶりをしそうになったら、指には絆創膏が!絆創膏を貼っていたら、指しゃぶりはできません。指しゃぶりをやめようとがんばっていることを子ども自身が意識的に思い出せるようになりそうですね。
・絆創膏をはったり、タオルを持たせたりしました。 (40代・山梨県・子ども3人)
・指に吸いだこが出来ているので、痛いからチュッチュなしにしようねと言う。ばんそこうを貼る。 (30代・広島県・子ども2人)
見つけたら注意する
とにかく根気よく注意して指しゃぶりをやめる努力を親子でがんばるというママも。口に出して注意はせず、ママがさり気なく手を口元から外すという声もあり、子どもが自然に指しゃぶりをやめられるように促してあげる方法もあるようです。
・根気よく注意してます (30代・大阪府・子ども3人)
・優しく触れて手を外す。声で注意はしない。 (40代・大阪府・子ども2人)
爪にマジックや塗り薬を塗ってやめさせた
子どもの指しゃぶりは、癖となって子ども自身が意識をせず指しゃぶりをしてしまっている場合もあるようです。指にマジックを塗ることで、見るたびに指しゃぶりをやめようとしていることに気が付けるようになることもあるようですね。マジックや塗薬には、誤って口に入ってはいけないものが含まれている場合があるので、十分注意が必要です。
指しゃぶり防止グッズのおすすめ
指しゃぶりの防止になるおすすめグッズをママに伺いました。指しゃぶりだけでなく、爪かみのくせや誤飲防止にもつながる便利アイテムがあるようです。
かむピタ プラス
「安息香酸デナトニウム」という、なめたら苦く感じる成分が含まれているマニキュアです。苦み成分を配合しているため使用年齢の目安は、3~4歳となっています。市販の消毒用アルコールやアルコール除菌シートで簡単に拭き取れる手軽さも人気のようですね。
指しゃぶり防止マニキュア バイバイチュッチュ
子どもの口に入っても安心なオーガニック苦み成分の「チャ葉エキス」を配合。一日一回、爪に塗って30秒待つだけで効果が持続します。いつもの癖でうっかり指を口に入れてしまうと、口の中に苦みが広がるため、子どもが自然と口に手を入れなくなったというママの口コミもありました。
チュチュベビー バイバイスキンクリーム
食品原料が99%使われているスキンクリームで、おしゃぶりの指や卒乳したママのバストケアにも使えます。誤飲防止として苦み成分が含まれており、3週間使用したモニターの9割が指しゃぶりをしなくなる傾向がみられたとの結果がでているそうです。おしゃぶりで荒れがちな肌を守ってくれる保湿成分も配合されています。
適した時期を見計らって指しゃぶりを卒業!
指しゃぶりは子どもにとって、心を落ち着かせるものでもあるようです。しかし、3~4歳を超えても指しゃぶりを続けているようであれば、歯並びなどへの影響が心配になってきます。叱りすぎないことに気を付けて、指しゃぶり防止アイテムなどを取り入れながら親子で一緒に指しゃぶりを卒業できるように努力していきたいですね。
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文・構成/HugKum編集部