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1歳ごろの子どもが自分の思い通りにならないと怒る・癇癪を起こす
1歳ごろの子どもが自分の思い通りにならないと怒ったり、癇癪を起こしたときには、次のような様子が見られます。
・どんな場所であっても、泣いて寝転び、手足をばたつかせる
・何を言っても聞く耳を持たず、泣き止まない
・一旦泣き出すと、どんどん泣き声が大きくなっていく
・物を投げる
・攻撃的になり、素手やおもちゃでママ・パパを叩く、噛み付く
・頭を壁にぶつける
自分の思い通りにならないと怒る原因
怒ったり、癇癪を起こしたりするのには、原因があります。どのようなことが原因となっているのか、見ていきましょう。
自分の気持ちを言葉にできない
1歳ごろは、まだまだ自分の気持ちを言葉にすることができません。そのため、自分の思いや意志を、泣いたり癇癪を起こしたりして伝えようとします。
不快なことがある
原因のひとつに、「眠たい」「お腹がすいた」「痛い」などの不快なことが起こっていて、それを表現する方法として泣く、癇癪を起こしていると考えられます。
感情をコントロールできない
1歳ころでは、まだ感情をコントロールすることができません。怒りが爆発したときには抑えきれず、癇癪を起こすことがあります。
不都合なことがある
親の言ったことと自分のやりたいことが合致しない、自分のやりたいことがうまくできないなど、自分にとって不都合なことがあると、子どもは失望します。その失望を表現するのが怒りや癇癪となっているケースもあります。
注目を集めたい
「注目を集めたい」「かまってほしい」というのを表現する手段として、泣いたり、癇癪を起こすこともあります。
自分の思い通りにならないと怒るときの対処法
子どもが怒ったら、どのように対処するのがよいのでしょうか。対処方法をご紹介します。
子どもの安全確保
まずは、子どもが怪我をしないように、安全を確保してください。床でじたばたしたり、頭を壁にぶつけるようなら、クッションなどで体を守りましょう。また、危険なものがない場所に移動するのもよいでしょう。
気持ちが落ち着くまで見守る
子どもが怒っているときには、なにも言わず、気持ちが落ち着くまで見守るようにします。外出先などで怒っているようなら、抱っこして人気がない場所に連れて行き、落ち着かせるのも有効です。
落ち着けたことを褒める
子どもの気持ちが落ち着いたら、落ち着けたことを褒めてあげましょう。「落ち着けたね」などと優しく声をかけることによって、子どもは安心して、より一層落ち着くことができます。
共感してあげる
子どもが発する言葉に耳を傾け、話しをじっくり聞いてあげてください。気持ちが落ち着いたころあいに、「○○したかったのね」「こういう気持ちになったの?」「わかるよ」などと、子どもの訴えを言葉にしたり、共感してあげるようにしましょう。大人に自分の気持ちを代弁してもらうと「わかってもらえた」と気持ちの整理がつきます。
スキンシップをとる
子どもが落ち着いたら、抱っこして背中を撫でてあげましょう。スキンシップをとることで安心し、次第に冷静さを取り戻していきます。
自分の思い通りにならないと怒るときのNG行為
子どもが怒ったときに、親がとってはいけない行動・行為をご紹介します。
怒らない
子どもが怒っていることに対して、親が怒ることはやめましょう。親が怒れば、さらにヒートアップして怒ったり、大声で泣きわめいたりすることがあるので逆効果です。
要求をすべて飲み込まない
子どもの要求に応えれば、怒りが治ることはありますが、何度も要求に応えていると「怒ったら言うことを聞いてもらえる」と勘違いしてしまいます。不快を取り除くこと以外は要求に応えず、別の方法で対処しましょう。
子どもの怒りに引きずられない
子どもが怒ると、ついつい大人も引きずられてイライラしたり、怒ってしまいそうになります。子どもの感情に引きずられてしまうと、冷静な判断・対処ができません。大人が冷静でいることも大切です。
自分の思い通りにならなくても怒らせない方法
自分の思い通りにならなくても怒らないようにしたり、怒る頻度が少なくなるよう仕向けることは可能です。普段の生活のなかでできる、子どもを怒らせない方法をご紹介していきます。
楽しい雰囲気づくり
親がイライラしていると、子どもにその感情や空気感が伝わってしまいます。なので、日頃からなるべく、穏やかで楽しい雰囲気で過ごすようにしましょう。
コミュニケーションをとる
子どもによく話しかけたり、話を聞いたり、いっしょに遊んだりして、親子のコミュニケーションをしっかりとっておくと、怒ることはなくなります。また、スキンシップをたっぷりとるのもよいでしょう。
生活リズムを整える
「お腹がすいた」「眠たい」などが原因で怒る場合に有効なのが、生活リズムを整えることです。生活リズムが乱れると、期限が悪くなったり、怒りやすくなってしまいます。同じ時間に寝る・起きる、食事の時間はいつも同じにするなどして、生活リズムをしっかりつくりましょう。
手出し・口出ししない
親にあれやこれやと手出し、口出しされるのを嫌う子どももいます。子どものやりたいことは、自分で気がすむまでやらせて、親はあたたかく見守る場面も大切です。
焦らせない・急かさない
ついつい子どもに言ってしまいがちな「早くしなさい!」という言葉。この言葉で子どもを焦らせたり、急かしたりすると、余計に時間がかかり、普段うまくできることまでできなくなってしまう可能性があります。
うまくできないと、当然子どもは怒りだします。このようなことにならないためにも、なにか予定がある場合には、余裕をもつこと、また、焦らしたり、急かしたりしないよう心がけましょう。
ママパパがイライラしないためにできること
ママやパパが、怒る子どもにイライラしないための対策やアイデアをご紹介します。
他人に愚痴をこぼす
「子どもの怒りがひどくて悩んでいる」などと、他人に愚痴をこぼすと、経験談やアドバイスをもらえることがあります。共感してもらったり、悩みを聞いてもらうだけで気持ちがスッキリして、イライラを軽減できるでしょう。
子どもとの距離をおく
子どもにイライラしてしまったときには、子どもから距離をおくことです。
子どもの安全を確保したことを確認してから、別の部屋で冷静になる時間を少しとったり、目を閉じて深呼吸したり、子どもが生まれたときの写真を見たりして、気持ちが鎮まるのを待ちましょう。
心体のコンディションを整える
子どもの怒りのパワーは凄まじいものがあります。それに大人が向き合うためには、同等か、もしくはそれ以上の体力が必要です。常日頃からしっかり寝る、バランスよく食べる、ストレスを溜めないように心体のコンディションを整え、体力を蓄えておきましょう。
前向きに捉える
子どもが怒ることは、自我が芽生えてきたり、自己主張ができるようになった成長の証です。「こんなに大きくなったんだ」「成長したんだ」と、前向きに捉えると、イライラも抑えられます。
子どもといっしょにルールを決める
怒ったり、イライラしたりしたら、「こうするる」というルールを決めておくと感情をコントロールしやすくなります。たとえば、「ぬいぐるみをぎゅっと抱きしめる」「『大丈夫』と口に出す」「タオルを頭からかぶる」などです。
ルールは、子どもが穏やかな状態のときにいっしょに話し合って決めておきましょう。
子どもの気持ちを理解してあげて
子どもが怒るのには理由があります。その理由を探り、理解してあげることが大切です。その上で、ご紹介した対策を試してみてください。
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記事監修
看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。様々な診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わる。青年海外協力隊として海外に赴任後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。現在はシンガポールの産婦人科に勤務、日本人の妊産婦をサポートをしている。また、助産師25年以上の経験を活かし、オンラインサービス「エミリオット助産院」を開設、様々な相談を受け付けている。
文・構成/HugKum編集部