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子どもの脱毛が増えている理由
近年、大人だけではなく、子どもがレーザー脱毛を施術するケースが増えているようですが、どのような背景があるのでしょうか?
千春先生:当院でもお子さんの脱毛に対する、ご相談の件数は年々増えています。ジェンダーレスの時代もありますし、最近では韓流アイドルの影響もあり、男の子もきれいになりたいというように、子どもたちの美意識が高まっています。流行りもありますが、ムダ毛に対する嫌悪感が強まり、ツルツルとした肌に価値を見出す傾向がありますね。
また、親御さんのお子さんのムダ毛対する意識の変化もあげられます。ムダ毛の手入れをする子が増えると、毛が濃い子が目立ちいじめに繋がり悩んでしまうというケースもあるようです。
子どもの脱毛でも使用する医療レーザーとは?
医療レーザーといってもさまざまな種類があると思いますが、子どもの脱毛で使用するのはどのようなものなのでしょうか?
千春先生:千春皮フ科クリニックの子ども脱毛は「蓄熱脱毛」で肌への負担が少なく、痛みが苦手なお子さんでもレーザー脱毛が可能となっています。「蓄熱式」の脱毛は、毛根を包んでいる毛包周辺にじんわりと熱を与え、毛が生えないようにします。毛自体がないと毛包に熱を与えられないので、毛の成長サイクルの発毛期を選んで施術します。
施術は通常何回するのでしょう?
千春先生:施術は毛周期に合わせて行いますが、発毛期を迎える毛は20%程度になるので、2か月に1度のペースで5~10回くらい様子を見ながら進めていきます。
医療レーザー脱毛は何歳から施術ができるの?
子どもといっても、何歳くらいから施術をすることができるのでしょうか?
千春先生:施術自体はお子さんの意志で施術を希望して、じっとしていられるなら何歳からでもできるのですが、ホルモンの影響を受けて毛が再生してくるケースもあるので、第二次性徴が終わる小学校高学年ころから始めるのがいいかなとは思います。
脱毛できる部位、施術希望が多い部位はどこですか?
千春先生:頭髪以外は施術できます。ニーズがあるのはワキで、スイミングをするときなどに自分で処理することが多く、カミソリで毛根を痛めてしまうケースがあるのでレーザー脱毛の方が安全で楽ということで施術される方が多いです。
あとは、腕、膝下、顔など洋服で隠れない部分が多いですね。顔だと、口周り、眉毛の繋がりを気にして施術するお子さんもいます。
施術できないケースや施術前の注意点があれば教えてください。
千春先生:皮膚に炎症や傷がある場合は施術できません。また、日焼けしてるときは施術中に熱さを感じやすくなるので施術前に、焼けすぎないように注意はして欲しいですね。
アトピー性皮膚炎の場合も症状がひどくなければ施術ができます。アトピー性皮膚炎の方は、ステロイドを塗ることで毛が濃くなることがあり、カミソリで毛を処理をしてさらに肌が荒れてしまうという悪循環にも陥りやすいです。ステロイドで症状をおさえて、レーザー脱毛をすれば肌もきれいに、ストレスも解消されるのではないかと思います。
家庭で子どものムダ毛の処理をする際の注意点
子どものムダ毛をカミソリなどを使用してお手入れするときの注意点があれば教えてください。
千春先生:カミソリを使うと肌の表面にある角質が削れてしまうので、肌を傷つけないようにクリームを塗るなど気を付けましょう。また処理後は、しっかり保湿ケアをすることも大切です。
子どもの脱毛を検討する際にサロンやクリニックを選ぶときのポイント
子どもの脱毛が増えてきたといっても、サロンやクリニックは慎重に選びたいところ。選ぶ時のポイントがあれば教えてください。
千春先生:サロンとクリニックでは医師法により施術内容が異なります。きちんと安全な脱毛を行いたい、早く効果を出したいならクリニックで施術することをおすすめします。また、施術前後の肌トラブルが起きた時のフォローアップがきちんとできる皮膚科専門医がいるところがベスト。あとは、価格面などもあるので、自分の価値観で考えて選んでいただきたいと思います。
お子さんの脱毛は、親の要望で無理に施術することではないので、お子さんご自身と親御さんが納得できるところを選びましょう。
子どもの気持ちを大切に脱毛と向き合う
クリニックに訪れる子どもの中には、ムダ毛に対して深刻に悩み訪れるというケースもあるのだそう。施術は子どもの意志を尊重して、親子でよく話し合うことが大切です。クリニック選びも一緒に納得がいくように選びたいですね。
お話を聞いたのは…
医学博士。皮膚科専門医。東京医科大学卒業後、東京医科大学皮膚科に勤務。2012年『千春皮フ科クリニック』を開院。
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取材・文/やまさきけいこ