お悩み相談「プライベートゾーンには口も含まれるの?」
文部科学省の「生命の安全教育」では「水着で隠れている部分は自分だけの大切なところ」とあります。自分のプライベートゾーンは見せない、触らせない。他人のプライベートゾーンは見ない、触らない。とても大切なルールだと思いますが、私はプライベートゾーンの話をする際、以下の3つのことを特に大事にしています。
●プライベートゾーンの話をする時に大事な3つこと
(1)プライベートゾーン以外の部位も大切
プライベートゾーンを強調することで、それ以外の部分ならOKと解釈してしまう場合があるので、自分の体は全てが大切であると伝えましょう。
(2)もし見られたり触られたりしていても、されたあなたは悪くない
「見られた、触られた自分が悪い」などと自分のことを責めてしまうケースもあります。被害者は悪いくないことを前提に話をしましょう。
(3)自分のプライベートゾーンは見たり触ったりしてもいい
「いけません」だけでは、自分の性器や身体がネガティブなものになってしまいます。「自分の身体は自分のものだから、自分はどこを見ても触ってもOK!でも、誰も見ていないところでするのがマナー」ということを伝えてあげてください。
代表的なプライベートゾーンは、水着で隠れるところを言いますが、それだけではないことを伝えてあげましょう。また、それは自分だけでなく、相手もそうだということ、自分が嫌だと感じたらその気持ちを大切にしていいことも併せて話してあげるといいですね。
お悩み相談「息子がプールの授業でラッシュガードを着たがる」
A.「その気持ちを大事にしてあげてください」
男の子が肌を見せることに抵抗すると、「男なのになんでー?」などと大人に言われて、傷ついている子が意外と多くいます。私たちが子どもの頃のことを思い返しても、身体測定など着替えを伴うシーンで、女の子のプライバシーは守られているけど、男の子は上半身裸のまま並ばされて効率を重視していたなんてことがありましたよね。
●肌を見せることに難色を示す、恥ずかしがったら
「無理に出さなくていい」
「太っている、傷がある、バカにされるかもしれないなどと不安に思う気持ちがある」
「恥ずかしいということに男の子も女の子もない」
私が養護教諭だったのは10年ほど前のことでしたが、その頃も女の子に比べて男の子の着替えや肌見せに対しての配慮はあまりなかったと記憶しています。そして、その時に自分も声を上げられなかったことを今でも後悔しています。
もし、子どもが着替えなどに抵抗を示すようなことを言っていたら、個人面談や連絡帳などで、一度学校に相談するのもいいと思います。先生たちも自分が子どもだった頃は、当たり前のようにしていたことなので、問題視していない可能性もあります。今は、ジェンダーに対しての見方もだいぶ変わって来ている過渡期なので、親からそこを突っ込まれることで、学校側もやり方を見直すきっかけにもなると思います。
もし、自分の子どもが何も言っていなくても、先生と話す機会があったら「着替えはどのようにしてますか?」と聞いてみても良いですね。中には「学校に意見するのは難しい」と感じる保護者の方もいると思います。ですが、クレームではなく、現状把握という感じで聞いたり、意見することで、より良い方向に変わっていくことも多くあります。
子どもの気持ちを尊重し手助けを
自分が子どもの頃と比較して「そんな大げさな」と親が感じてしまうことでも、子どもにとっては大きな問題です。 まずは子どもの話を聞き、気持ちを尊重して、親ができる行動をとって支えていきたいですね。養護教諭時代のにじいろさんのお話も参考になりました。
記事監修
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取材/本間綾