悩み③ 恋人ができたとき、性交渉はどうしたらいい?
自分も相手も大切にすること、そして親はいつでも味方であることを伝えよう
ストレートにこの悩みを親に相談する子どもは少ないでしょう。でも将来、子どもがこのような場面に遭遇したときに悩まないよう、幼い時期から自分も相手も大切にする心を育てましょう。
望まない妊娠や性感染症など「親に伝えたらなんて言われるか…」と不安になることもあるかもしれません。そんなときに、少しでも相談するハードルを下げてあげられるように「何かあっても、一緒に将来や対処方法を考える意志がある」ことを普段から態度で示すように心がけましょう。
幼い頃から親がしてあげられること
●触れるときは同意を、嫌なときは断わることを伝える
性行為に限らず、手をつなぐ・ハグ・キスなど相手に触れる行為の前には同意をとることが大切です。そして、嫌なときは「嫌だ」と断ってもいいということ、断って怒るような相手は自分のことを大切にしてくれないことを知ってもらいましょう。
「相手に触れる」という行為は幼い時期にもあることです。友達と手をつないでいるところや、抱きついているところを見かけたら「手をつないでもいい?って聞いてみようね」「急に抱きついたら嫌な気持ちになるかもしれないよ」など、相手の気持を考える機会を作ってあげましょう。
●早い時期から妊娠・避妊について話す機会をもつ
妊娠や避妊について誤った知識を持つ前に、できれば思春期に入る前に子どもと話す機会をもつと良いでしょう。
ユネスコなどが共同して発表している国際セクシュアリティ教育ガイダンスによると、5〜8歳で「妊娠は卵子と精子が結合し、子宮に着床してはじまること*」「いつ妊娠するかは計画できること*」を知識としてもつことを提案しています。
9〜12歳で「性交の結果で妊娠がおこりうること*」「コンドームの正しい使い方手順*」「早期妊娠・早期出産によって引き起こされる健康上のリスク*」などの知識へステップアップします。
* 国際セクシュアリティ教育ガイダンスの一部を抜粋
子どもの疑問や、妹弟の誕生など日常からタイミングをうかがうのも良いですが、絵本をきっかけにするのもひとつの方法です。
性についての本はこちらの記事が参考になります。
●親子ともに、性感染症について正しい知識を身につける
性感染症は自覚症状がないことや、症状があっても軽症であることが多いですが、治療せず自然に治ることはありません。放っておくと不妊や身体の障害につながることがあります。
性感染症の予防・検査・治療について、いま一度親子で確認しておきましょう。
【予防】
コンドームを正しく使う、性行為前後に身体や口腔を清潔に保つ など
【検査】
医療機関や保健所、自宅用の検査キットなどにより、定期的に・ためらわずに検査をする
【治療】
治療内容や、受けられる医療機関・保健所をあらかじめ調べる
相談しやすい環境を作る3つの基本
子どもの性の悩みへの備えとして、共通して意識したいことは3つあります。
●子どもの意志を尊重する
●親はいつでも味方であることを示す
●幼い頃から、性について正しい知識を伝える
(恥ずかしがらずに淡々と)
悩んだときは親に相談していいんだ、と思ってもらえるように、日頃から少しずつ信頼関係を築いていきたいですね。
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記事監修
SNSを通じた出会いの中でクラミジアに罹患し、「性」を取り巻く社会課題に関心を持つ。それらを解決するサービスや仕組みを作りたいと2020年12月にプレイリー株式会社を設立。
「自分の性を好きになれる世界に」を掲げ、性行為が好きでも嫌いでも、どんな人を好きになってもなれなくても、あらゆる人が自分の性のあり方を好きでいられる世界を作るためにさまざまな取り組みを行う。
取材・文/村上詩織