エストニアってどんな国? 美しいタリン旧市街やラエコヤ広場などの見どころをチェック【親子で学ぶ世界地理】

エストニアは、ラトビア、リトアニアと並ぶ、バルト三国のひとつ。バルト海やロシアに隣接する、ヨーロッパにある国です。日本のおよそ9分の1程度の面積に、133万人の人が暮らしています。そんなエストニアはどんな国なのでしょうか。バルト三国として独立した歴史や、観光地、名物などをご紹介します。
<画像:首都タリンの旧市街>

エストニアってどんな国?

バルト三国のひとつとして知られるエストニア。首都タリンの旧市街には、中世の面影を残す城や塔、教会などが数多くあり、世界遺産にも登録されています。

そんなエストニアは、インターネット通話のSkypeや送金サービスのTransferWiseなどを開発したIT先進国としても世界で注目されています。また、オーケストラ、バレエ、役者なども多くいる芸術大国でもあります。エストニアについて、さらに詳しく見ていきましょう。

エストニア基本情報

エストニアの国旗

まずエストニアの基本情報からご紹介します。

国名

エストニア共和国

首都

タリン

場所

エストニアがあるのはヨーロッパ北東部。国土の北側と西側はバルト海に面し、東はロシア、南はラトビアに接しています。バルト三国(エストニア・ラトヴィア・リトアニア)のうち、エストニアは最も北に位置します。またエストニアには、大小2,222もの島があります。

日本との時差

7時間(日本の方が7時間進んでいます)

面積

4.5万平方km

日本の総面積は37万8000平方㎞で、エストニアの面積は日本のおよそ9分の1です。

エリア

エストニアは15の県から構成され、それぞれの県知事が行政を行っています。

人口

133万人(2021年)

東京都の人口が1400万人(2023年1月)なので、東京都の人口のおよそ10の1です。

言語・公用語

エストニア語

通貨

ユーロ
1ユーロ=約141円(2023年1月27日時点)

※2010年まではクローン(kroon)が使われていましたが、2011年にユーロが導入されました。

タリン市街を走る市電

宗教

国民の半数以上は無宗教。そのほかには、ロシア正教やプロテスタント(ルター派)などがあります。

歴史

エストニアは1940年にソ連(当時のソビエト連邦)に併合され、ソビエト連邦を構成する社会主義共和国のひとつでした。しかし民主化を求め、ラトビア、リトアニアとともに道路で人が手をつなぎ「人間の鎖」を作ったデモを起こすなど、東欧革命が起こり、バルト三国は1991年に独立。エストニア共和国となった歴史があります。

1219年 デンマーク人が進出し、タリン市を築く。
1346年 ドイツ騎士団が進出し、領有。
1629年 スウェーデン領となる。
1721年 北方戦争の結果ロシア領となる。
1918年 独立を宣言。
1920年 ソ連と平和条約を締結。
1940年 ソ連に併合。
1991年8月20日 エストニア最高会議が独立回復に関する決定を採択。
1991年9月6日 ソ連国家評議会がバルト三共和国の国家独立に関する決定を採択。
2004年3月 NATO加盟
2004年5月 EU加盟
2010年12月 OECD加盟
2011年1月 ユーロ導入

天気・気候

エストニアには、日本と同じように四季があります。ただ春と秋が短めで、冬が長め。夏は海水浴できるくらいに暑くなる日もありますが、夜は涼しくなります。冬はバルト海の影響で零下まで冷えこみます。

首都タリンの気候は、夏は快適に過ごせる温度ですが、冬は最低気温も最高気温も零下になります。

エストニアの治安・住みやすさ

海外の国で気になるのは、治安面のこと。また長期滞在する方や留学などで移住する方などは、住みやすさについてもチェックしたいでしょう。

治安は比較的安全

外務省「海外安全ホームページ」によると、2022年1月26日時点でエストニアの危険レベルは、特に発令されていません。他のヨーロッパやアメリカなどと同じように、比較的治安がよく海外旅行も楽しめる国と言えるでしょう。

しかし日本とは違い、あくまで外国です。くれぐれも過信しすぎず、夜間に危険な街を出歩くことはやめ、スリ、置き引きなどに注意することを忘れないようにしましょう。

タリンの街並み

住みやすさは良好

日本人の移住先として、エストニアはメジャーな国とまでは言えませんが、それでもインターネット上にはエストニアに移住した日本人の声もちらほらあります。

エストニアは食べ物の物価が安く、しかもおいしいと評判。さらにIT関連の先進国であることからも、とても住みやすい国のひとつです。EUに加盟していることから、ヨーロッパ各地に気軽に旅行に行けて、楽しみも広がりそうです。

エストニアの見どころ・観光

ヨーロッパなどから多くの観光客が訪れるエストニア。おすすめの観光スポットをご紹介しましょう。

タリン旧市街

タリン旧市街は、ゴシック様式の建物など中世の面影が残る歴史的な建物が数多くあり、そのまま絵葉書になりそうな美しい街並みが特徴です。街全体が世界遺産に登録されているというのも納得できるはず。

コフトウッツァ展望台にのぼれば、旧市街を一望できます。また旧市街の観光の入口となるヴィル門も、歴史を感じさせる場所で、写真を撮ることをお忘れなく。

クリスマスシーズンの夜のヴィル門

アレクサンドル・ネフスキー大聖堂(タリン)

玉ねぎのような丸いドーム型の塔が印象的な「アレクサンドル・ネフスキー大聖堂」。おとぎ話に出てきそうなビジュアルが印象的です。

もともとロシア支配を象徴する建物だったため、取り壊しも検討された歴史があるのだとか。そんなエストニアの歴史を勉強していくと、興味深く観光できそうです。

アレクサンドル・ネフスキー大聖堂

ラエコヤ広場(タリン)

旧市庁舎の前にあるラエコヤ広場は、タリン旧市街の中心的な場所。昔から祝い事などに利用されていたそうで、現代ではマーケットが開かれたり、レストランなども多くあったりするエリアです。冬にはクリスマスマーケットが開催されます。

ラエコヤ広場

キヒヌ島

2,222もあるエストニアの島のなかで、観光におすすめしたいのが、バルト海にあるキヒヌ島はエストニア領です。エストニアの西にあるパルヌからフェリーで1時間半程度でアクセスできます。「生きた博物館」と表現されるように、独自の伝統文化が息づく場所です。

エストニアの特徴・有名なもの

観光スポット以外で、エストニアの有名なものには何があるでしょうか?

サーモン

エストニアは海に面しているため、魚料理を多く食べます。そんななかでよく食べられるのが、サーモン。日本では「バルトサーモン」の名前で販売されています。寒いバルト海で育ったサーモンは身が引き締まっておいしいのだそう。

バルト諸国のメジャー食材、サーモン

かわいいニット製品

エストニアは寒い北欧の国。だから、マフラー、手袋などの防寒具はマストアイテムです。そんなニット製品は、カラフルな色を多用したかわいらしいデザインのものが多くあります。お土産にセレクトしても、自分用に購入してもよさそうです。

タリンの露天で売られるセーター

美人が多い

エストニアは美人が多い国という噂。自然があふれる中でのんびりとした人が多いという国民性や、エストニアの食事に理由があるなどと言われています。しかし百聞は一見にしかず。気になった方は自分の目で確かめに行ってもいいのかも。

美しくかわいい国エストニア

カラフルな建物が建ち並び、まるでおとぎ話の世界に迷い込んだように感じられるのが、エストニア。かわいらしくておしゃれな街並みに、多くの人が魅了されています。また、一方でITが進んでいる国として世界から注目されているという面もあります。

日本からは離れた遠い国ですが、エストニアを将来のヨーロッパ旅行の候補に組み入れてみてはいかがですか?

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文・構成/HugKum編集部

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