「アゼルバイジャン」ってどんな国? 詳しい場所・特徴や魅力をチェック【親子で学ぶ世界地理】

日本ではあまり知られていなくても、魅力がたくさんある国はいくつもあります。アゼルバイジャンもその一つです。どのような国なのか、場所や特徴、魅力を紹介します。文化・観光地・グルメについても詳しくなりましょう。

アゼルバイジャン共和国とは

アゼルバイジャン共和国は、どこにある国なのでしょうか?  位置と併せて、周辺国との関係や言語など基礎知識を紹介します。どのような産業が盛んなのか、経済についても見ていきましょう。

ロシアやイランの隣国

アゼルバイジャンは、アジアとヨーロッパの境目付近にあり、国土の東側は世界最大の湖として有名な「カスピ海」に面しています。隣国として、北にロシア、南にイラン、西にアルメニアがあります。

国土面積は北海道よりやや大きいくらいで、首都はカスピ海沿岸にある「バクー」です。公用語はアゼルバイジャン語ですが、かつてソ連に属していたため、ロシア語が分かる人もいます。

国民の大半がイスラム教徒ですが、厳しい規制がなく、豚肉を食べたりお酒を飲んだりすることも可能です。女性の服装に関しても自由で、さまざまなファッションを楽しんでいます。

バクー市街の眺め

油田に支えられている経済

アゼルバイジャンの経済を支えているのは石油です。19世紀頃から始まった首都バクー周辺の油田開発が有名で、当時は世界最大でした。

1960年代になると石油の枯渇が心配されましたが、1990年代にカスピ海の海底油田開発が進んだことで活気を取り戻しました。その規模は「第2のドバイ」と呼ばれるほどで、経済の基盤になっています。

2006年には、首都からトルコの地中海岸まで続く石油パイプラインもつくられました。

カスピ海にのぞむバクー市

アゼルバイジャンの特徴

先述したように、アゼルバイジャンは石油をはじめとする資源が豊富であることから、「火の国」とも呼ばれています。また、日本ではあまり知られていませんが、アゼルバイジャンは親日国です。それぞれどのような特徴があるのか、紹介します。

風の街を擁する火の国

アゼルバイジャンの首都名「バクー」は、ペルシャ語の「風の街」という意味の言葉が由来です。これは、カスピ海からの強風が有名であることからきています。

また、アゼルバイジャンは石油や天然ガスが豊富で、埋蔵された天然ガスが地表から吹き出し、ずっと燃え続けている場所があります。そのことから、「火の国」とも呼ばれるようになりました。

特に、首都から車で30分ほどにある「ヤナルダグ」が有名で、数千年前から燃え続けているといわれる人気の観光名所です。

バクーのヤナルダグ

世界有数の親日国

ビザが無料でアゼルバイジャンに入国できるのは、世界で日本だけという事実を知らない人が多いでしょう。実は、アゼルバイジャンは世界有数の親日国なのです。

2006年に来日した当時の大統領「イルハム・アリエフ」が、日本の戦後復興や文化・技術などに感銘を受け、日本のような国づくりを目指すという考えを示したためです。アゼルバイジャンはもともとトルコから派生した国で、トルコが親日国であることも影響していると考えられています。

2009年には三つの教育機関で日本語を学べる講座が開設され、日本語の学習者が急増しました。日本のアニメなどが人気になったことで、独学で学ぶ人も増えているようです。

アゼルバイジャンの魅力は?

アゼルバイジャンは、多くの魅力が詰まった国です。文化・観光地・グルメの三つの観点から魅力を紹介します。詳しく知れば知るほど、興味が湧くでしょう。

歴史ある文化

アジアとヨーロッパの間にある場所柄、紀元前から他民族が行き交い、世界最古の文明を持つ国の一つといわれています。古くはシルクロードの中継地として栄えた旧市街や、世界遺産に登録されている建築物など、歴史ある文化を感じることができます。

ゾロアスター教・キリスト教・イスラム教が根付いた国でもあり、さまざまな文化の影響を受けてきたことで、多文化が融合した豊かな文化も魅力です。現在も多彩な民族料理が食べられており、観光客にとって楽しみの一つになっています。

トルコ料理の影響を感じるアゼルバイジャンのキャバブ料理
ロシアのペリメニに似たアゼルバイジャンのギュルザ

首都圏内の観光地

「ヘイダル・アリエフ・センター」は、新国立競技場のデザインコンペで最優秀賞を獲得した建築家ザハ・ハディドがデザインしたもので、首都のランドマーク的存在です。

ヘイダル・アリエフ・センター

ステンドグラスや壁画が特徴的な「シェキハーン宮殿」も、人気の観光名所の一つです。博物館やカフェもあるので、ゆっくり観光するのもよいでしょう。

シェキハーン宮殿

世界遺産に登録されている数々の建造物が見られる「バクー旧市街」も、見逃せない観光名所です。近代的なビルが立ち並ぶ中で、タイムトリップしたような感覚を楽しめるでしょう。

「火の国」の象徴ともいえる「フレイムタワー」も見どころです。炎をイメージした3本のタワーがそびえ立っており、夜にはライトアップされた美しい姿を見られます。

城塞都市としての名残を残すバクー旧市街と、遠景に見えるフレイムタワー

多彩なグルメ

アゼルバイジャンの食文化はさまざまな国のものが混ざり合っており、その多彩さも魅力の一つです。遊牧・山岳・農耕がもたらされたことで、肉・乳製品・米・小麦・野菜など多種多様な食材に恵まれています。

温暖な気候のため果物やナッツも豊富で、カスピ海に隣接していることから魚やキャビアも食べられています。「ピティ」と呼ばれる羊肉とひよこ豆のスープや、羊肉・野菜・ドライフルーツを使った炊き込みご飯「ポロウ」などが人気です。

機会があったらぜひ訪れたい国

アゼルバイジャンは歴史のある国で、古くからシルクロードの中継地として栄え、さまざまな民族や文化が融合した豊かな文化が特徴です。

世界遺産に登録されている数々の建築物もあり、多彩なグルメも楽しめるので、機会があったら訪れてみたいものです。

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構成・文/HugKum編集部

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