お下がりNG問題⁉︎
七段飾りはスペース的に難しい
最近のひな祭り事情をリサーチしたところ、母親のひな人形は娘に譲らず、1人に1飾りずつ持つべきという「ひな人形のお下がりNG問題」も世間では話題になっているようです。私の娘も女の子の初孫となり、祖母(娘にとっては曽祖母)は、同じく大きなひな壇を買いたがっていたようですが、七段飾りを二つ並べるのは想像するだけでも卒倒しそうなので、丁重にお断りしました。
個人的には、ひな壇があるのにわざわざ買うのはもったいない上に、スペースがないと古い方を処分せざるを得なくなるなら、エコではありません。受け継いでいくのが良いと思っています。
男雛と女雛だけ引き取って飾るという案もありました。格式が高く、美しい人形ですが、やっぱりマンションには合いません。
実家の和室に飾ってもらい、気に入ったものがあれば買ってもいいと考えつつ、娘が保育園で作ってくる工作などを飾っていました。
ようやく出会えたマンション住まいに合うひな人形
そんな経緯で、ひな人形は必要ない派だった私ですが、今年一目惚れしたのが「奈良一刀彫」のひな人形「NARADOLL HIGASHIDA」です。
奈良一刀彫とは
「奈良一刀彫」は、なんと平安時代後期から約900年続く、奈良県の伝統工芸。 元々は子どもの玩具として発祥し、その後は春日大社の奉納物として納められていたそうです。木材は、日本の檜(ヒノキ)に近い白木・檜葉(ヒバ)を使用しており、檜と同様に、耐水性や防虫効果も優れています。
煌びやかな金箔が施されているので、一見金属を使っているように見えるのですが、実は金物を一切使用していないというのが驚きです。実家のひな人形は大変美しいですが、子ども心に少し怖いという思いもありました。
「NARADOLL HIGASHIDA」は木の素朴な優しさが親しみやすく、幼い子も受け入れやすいと思います。
我が家のひな人形は「吉野山色」。三月の青空の下の桜を思わせる鮮やかなピンクとスカイブルーで、お洒落でスタイリッシュ。インテリアにもすぐに馴染みました。
奈良一刀彫三代目「東田茂一」さん
「NARADOLL HIGASHIDA」の作家・奈良一刀彫三代目「東田茂一」さんは、伝統工芸の “現代” とのズレに違和感を持ち、本来工芸品が持つ親しみ・魅力とは何かを考えたそうです。
そして、現代にもマッチングさせた工芸品を作り、 “伝統工芸の維持・発展を” という思いから自身のブランド「NARADOLL HIGASHIDA」を立ち上げたそうです。
収納もコンパクト
小さくて軽く、伝統的な素晴らしい一品でありながら、現代のインテリアに合うお洒落で可愛い作り。金物を使わず、小さなお子さんも安心。価格も2万円台からとお求めやすく、収納も小さな箱にしまうだけ。
男雛女雛だけの「かざりひいな」シリーズは、今回購入した「吉野山色」以外にも、より伝統色に近い「緋赤色」、「赤橙色」があります。
「吉野山色」が一番モダンでフェミニンなイメージかなと思います。また、三人官女のついた「ひいなあそび」、そして限定で数台しかない全段の「段雛」もあります。
一年中飾ってもいい!?
また、作家さん曰く、「一年中、好きな時に飾って欲しい」というのも目から鱗でした。3月3日を過ぎたら、大慌てで仕舞わなければならないイメージがありました。手のひらサイズのこのお雛様だったら、インテリアに馴染み、好きなだけ出していてもいいと思います。むしろ、しまうのがもったいないくらい。次の5月の節句くらいまでは出しておこうかなと思っています。
みなさんは雛人形問題、どうしていますか? 現代にあった新しいひな人形も選択肢のひとつ。お気に入りの一品が見つかるといいです。
- 「NARADOLL HIGASHIDA」
- ※販売はウェブサイトより。大変人気のため、完売している商品も多いですが、デパートの催事場などで販売していることもあるので、お問合せください。
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- 写真・文/Rina Ota