クロアチアってどんな国?
バルカン半島の北西部に位置するクロアチア。南西部は美しいアドリア海が広がり、ディオクレティアヌス宮殿やプリトヴィッツェ湖群国立公園といった世界遺産もたくさんある魅力的な国です。そんなクロアチアの観光スポットや特徴をこれから説明していきましょう。
クロアチア基本情報
まずは、場所や面積、人口といったクロアチアの基本情報をおさえましょう。
国名
クロアチアの正式な国名は「クロアチア共和国」といいます。
首都
クロアチアの首都は「ザグレブ」です。
場所
南ヨーロッパのバルカン半島に位置する国です。本土で隣接している国として、西にスロベニア、北にハンガリー、東にボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビアがあります。
日本との時差
日本とクロアチアの時差は8時間で、日本の方が、8時間進んでいます。日本が午前8時であれば、クロアチアは午前0時です。
面積
クロアチアの面積は、5万6,594平方キロメートルです。これは、九州の約1.5倍にあたります。
エリア
エリアは大きく6つに分けられます。
・中部地方
中部地方は、首都ザグレブがあるエリアです。街のあちこちに中世ヨーロッパの雰囲気が残ります。
・リカ地方
マラ・カペラ山脈とリチカ・プリェシャビツァ山脈に囲まれたエリアがリカ地方です。プリトヴィッツェ国立公園など大自然が魅力といえます。
・ダルマチア地方
ダルマチア地方には、ドゥブロヴニクやスプリット、ザダル、シベニクといった人気観光都市が集まるエリアです。美しい海や街並み、多くの歴史的建造物が存在します。
・イストラ地方
イストラはクロアチア最大の半島。オリーブやぶどう、ラベンダーの栽培で有名です。
・クヴァルネル地方
夏は海が美しいクヴァルネル地方には、クルク、ツレス、ラブ島な どさまざまな島があります。このエリアは、ヨーロッパの貴族や文化人の避暑地、保養地として有名です。
・スラヴォニア地方
スラヴォニア地方は、ドラヴァ川とサヴァ川に挟まれた自然豊かなエリア。農業地帯で、農作物やワイン用のぶどうの栽培で知られています。
人口
クロアチアの人口は、387.1万人です(2021年、クロアチア政府統計局)。静岡県の人口が363.8万人なので、それよりも多い数になります。
言語・公用語
公用語はクロアチア語です。観光地であれば英語も通じます。
通貨
クロアチアの通貨は2023年1月1日よりユーロが使われています。
宗教
宗教は、カトリック、セルビア正教などです。
歴史
クロアチアは、6世紀前後に現在のクロアチア人の始祖である民族がバルカン半島に定住したことがはじまりとされています。
10世紀前半になると、トミスラブ公がクロアチア王国建国。1527年にハプスブルグ家の支配下に入り、1918年にはセルビア人・クロアチア人・スロベニア人王国建国に参加します。
1941年に、ナチス・ドイツの傀儡国「クロアチア独立国」樹立宣言を行い、1945年に社会主義ユーゴスラビア連邦の構成共和国の一つとして発足します。
1991年に、ユーゴスラビアより独立宣言し、「クロアチア共和国」が誕生しました。
天気・気候
クロアチアの天気・気候は地域によって異なります。
内陸部の特徴は、雨が少なく、夏季、冬季、日中と朝晩の気温差が大きいです。また、夏は爽やかで過ごしやすいですが、冬は厳しい冷え込みがあります。
一方沿岸部は、夏は日差しが強く乾燥しています。冬は比較的温暖な気候で過ごしやすいですが、雨が多いのが特徴です。
クロアチアの治安・住みやすさ
クロアチアの治安や住みやすさをチェックしましょう。
治安はよい
中・東欧諸国のなかでクロアチアの治安は比較的安全といわれています。しかし、観光シーズンである夏季には、スリ被害が増加するため、注意が必要です。
住みやすさもよい
クロアチアの物価は、ドイツやフランスなどにくらべると安いといわれています。また、アドリア海沿岸エリアは、街並みがきれいで、観光業で経済が潤っており、住みやすい国といえるでしょう。
クロアチアの見どころ・観光
クロアチアにはさまざまな観光スポットや見どころがあります。チェックしましょう。
ドゥブロヴニク旧市街
クロアチアの代表的な観光スポットが「ドゥブロヴニク旧市街」。クロアチア南部に位置し、アドリア海に面しています。ここは、中世の貿易によって栄えた港町。
特徴的なのは、白壁とオレンジ色の屋根の街並みです。その美しい風景は「アドリア海の真珠」と評され、1979年には世界遺産として登録されました。また、この街並みがジブリ映画の『魔女の宅急便』や『紅の豚』のモデルとなったといわれています。
ディオクレティアヌス宮殿
クロアチア南部・スプリットにあるのが「ディオクレティアヌス宮殿」です。この宮殿は、3世紀に古代ローマのディオクレティアヌス帝が隠居するために建立。7世紀になると人々が住み始め、増築されていきます。
それが影響したのか、地下は古代ローマ、地上は中世の様式といったおもしろい組み合わせの建造物になっているのが見どころです。
プリトヴィッツェ湖群国立公園
「プリトヴィッツェ湖群国立公園」は、ボスニアヘルツェゴビナの国境の近くにある観光スポットです。
敷地内には16の湖と92の滝が点在し、それらの水辺はエメラルドグリーンの美しい光景が広がって、幻想的な雰囲気。どの季節に訪れても絵になります。
海のオルガン
「海のオルガン」は、アドリア海沿岸の街、ザドルにある白い階段です。なぜ階段が観光スポットなのかというと、階段の下に埋められた管の中を海水が通ることで、幻想的な音色が奏でられるからです。
夜にはライトアップされ、さらに幻想的な空間をもたらします。
ブラチ島
世界一美しいビーチがあるといわれる島がクロアチアにはあります。それがブラチ島です。ブラチ島から一望できる海は透明度が高く、ひときわ美しいと評判で、多くのヨーロッパ観光客が訪れます。
また、大理石の産地としても知られており、ホワイトハウスの建築にも、ブラチ島の大理石が使われています。
クロアチアの特徴・有名なもの
クロアチアには観光スポット以外にも特徴や有名なものがたくさんあります。どんなものがあるのか見てみましょう。
マルコポーロ
大冒険家で、『東方見聞録』を記したマルコポーロ。彼が生まれたのはクロアチアであるといわれています。
クロアチアにあるコルチュラ島の旧市街には、「マルコ・ポーロの生家」だと伝わる家があり、観光名所となっているのだそうです。
ネクタイ発祥の地
クロアチアは、ネクタイ発祥の地とされています。そのはじまりは、17世紀。戦場に赴く男の人に、女の人が無事を祈り赤いスカーフを首に巻きつけて戦地に送り出したことから。
ちなみに、ヨーロッパの国々でネクタイのことを「クラヴァット」と言います。この言葉は、クロアチア人を意味する「クロアト」に由来するそうです。
リツィタル
クロアチアのお土産には、ラベンダーを使った商品やイチヂクを使った食べ物などがありますが、なかでも代表的なものが「リツィタル」というジンジャークッキーです。かわいらしいハート型をしており、クリスマスツリーの飾りとしても親しまれています。
クロアチアの人たちはフレンドリー
フレンドリーな性格の人が多いのが、クロアチアの人々の特徴のひとつ。観光していると、挨拶をかわしてくれることもあるようです。
また、いたるところにカフェがあり、コーヒー片手におしゃべりを楽しむ人も多いのだとか。そのため、おしゃべりが好きな人も多いといわれています。
人気スポーツはサッカー
クロアチアで人気のあるスポーツはサッカーです。FIFAワールドカップで、2018年には準優勝、2022年には3位という好成績を修めていることから、日本でも有名ですね。
サッカーのほかに、ハンドボールや水球も人気があり、これらのスポーツは国技となっています。
美しい街並みや絶景が広がる「クロアチア」
クロアチアは、世界遺産に登録されている建造物や自然がたくさんあり、美しい街並みや絶景を堪能することができます。この記事で興味が出たら、本やインターネットでさらに調べてみるのもいいですね。
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文・構成/HugKum編集部