鶏胸肉は冷凍の効果を実感しやすい食材で、数多くの冷凍方法があります。下味冷凍や、冷凍肉をボイルチキンに仕上げる方法など、一度試してみるとやめられないものばかり。毎日の料理に取り入れやすい方法がそろっています。
鶏胸肉の冷凍について
最初に、胸肉を冷凍するときのコツを確認します。
平にして冷凍する
冷凍する際は、保存袋に入れて薄く平らにするのがコツです。温度の低下が素早く、解凍も均一に進みますよ。
また、冷凍庫に入れる際にはステンレスのバットを使うと、温度の低下を早め、液漏れ防止の効果もあるので安心です。
解凍方法
冷凍した胸肉は、解凍する必要がある場合と、解凍せずに加熱料理に進める場合の2通りがあります。それぞれの手順をよく確認してから進んでください。
解凍する場合は、冷凍用袋のままで自然解凍、流水解凍、または電子レンジの解凍モードを使うのがおすすめです。どれも半解凍で次に進めます。
解凍せずにそのまま加熱調理に進む場合は、冷凍用袋の素材に要注意。耐熱性のあるものを選んでください。フリーザーバッグの中には冷凍ができても、耐熱性がない場合があるので要チェック。
冷凍期間は
冷凍したものは、なるべく1か月をめどに食べ切るようにします。
基本の下味冷凍【鶏胸肉の照り焼きチキン】
調味料と一緒に冷凍して、照り焼きに仕上げるまでをみていきます。下味冷凍は細胞膜が壊れるため隙間ができ、よく味がなじみます。パサパサ感もありません。
材料
(2人分)
鶏胸肉 400g
【A】
しょうゆ 大さじ2
酒 大さじ2
みりん 大さじ2
酢 大さじ1
砂糖 大さじ1/2
冷凍方法
【1】鶏胸肉をカットします。仕上がりをイメージしながら、食べやすい大きさになるよう幅2〜3cmで。
【2】フリーザーバッグに【A】を入れて混ぜ合わせ、【1】の鶏胸肉を入れてよくもみ込みます。
【3】冷凍庫に入れて1晩経てば、冷凍完了です。
解凍方法
味付け肉の調理は解凍してから進めます。塊をほぐせるくらいの半解凍になったら、次の工程に進んでください。
・自然解凍
袋のまま冷蔵庫に移動し、3〜5時間おいてください。
・流水解凍
袋のまま流水に当てて、5分程度で半解凍ができます。
・電子レンジで解凍
袋のまま耐熱皿にのせ、電子レンジの解凍モードを使用します。
調理方法
フライパンで照り焼きに仕上げていきます。
・材料
半解凍した下味冷凍肉 1袋
油 小さじ1
・作り方
【1】フライパンに油をひいて、温めます。鶏胸肉を取り出し、汁気をかるくきってから、皮目を下にして並べ入れます。
最初は半解凍のため、重なっている部分もあります。溶けてきたらまんべんなく広げてください。
【2】かるく焼き目がつくまで4分ほど焼き、裏返します。フタをして弱火にし、2分ほど蒸し焼きにしてください。
汁気が出るため、焦げる心配はありません。
【3】最後に、タレを全体にからめて仕上げます。ここは焦げないよう、火加減に気をつけてください。
鶏胸肉【そのまま冷凍】2種
鶏胸肉の冷凍テクニックの中には、冷凍のままで加熱調理をしたり、スーパーで買ったトレイのままで冷凍したり、「そのままでOK」と謳われるものが多くみられます。どんな方法なのでしょうか。2つの方法をレポートします。
そのまま茹でてOK! 解凍なしのボイルチキン
冷凍した胸肉を、解凍せずにそのまま加熱して作るボイルチキンを作ってみました。
・準備のポイント
冷凍する際に使う袋には、加熱調理に使用できる耐熱性のビニール袋を使ってください。湯煎NGのものは、使えません。
・下味冷凍用の材料
(2人分)
鶏胸肉 400g
ねぎ 1/2本分
【A】
サラダ油 大さじ1
塩 小さじ1/3
こしょう 少々
・冷凍方法
【1】ねぎを粗いみじん切りにカットします。
【2】耐熱性のビニール袋に、鶏胸肉を切らないまま入れ、【1】のねぎ、【A】を加えてよくもみ込みます。
【3】冷凍完了後はこのまま茹でる工程に進むため、口をしっかりと結んでください。冷凍庫で1晩冷凍すると、完了です。
・そのまま茹でて調理する
【1】凍ったままの鶏胸肉を、ビニール袋のまま沸騰したお湯で20分間茹でます。途中で上下を返してください。
【2】時間が経過したら取り上げて、切れ目を入れて確認します。中心部まで加熱できているでしょうか。不十分なら、時間を追加して茹でてください。
火の通りが悪い場合は、10分間追加して茹でます。ビニール袋は、新しいものに替え、おいしいチキンスープを逃さないように。
薄切りにしてサラダに添えたり、こま切れにして和え物に使ったり、さまざまな使い道があります。
トレイのまま冷凍OKのボイルチキン
買ってきたまま冷凍する方法も注目です。電子レンジでボイルチキンに仕上げる方法をみてみましょう。
・冷凍鶏胸肉の用意
400g〜500gの鶏胸肉を用意して、買ってきたパックのまま冷凍しました。カチカチです。
トレイからはがれない場合は、流水をかけてください。冷凍シートも、この時に取り除きます。
・解凍用の材料
水 2カップ
塩 大さじ1/2
砂糖 大さじ1/2
にんにく 1片
しょうが 1片
・加熱方法
【1】にんにくとしょうがをすりおろします。
【2】口の広い耐熱容器に水、塩、砂糖を入れ、袋から取り出した冷凍の鶏胸肉と【1】のにんにく、しょうがを入れます。
【3】ふんわりとラップをして、電子レンジ600wで10分加熱してください。
【4】鶏胸肉を裏返し、再びラップをふんわりとかけ、電子レンジ600wで3分加熱します。
切れ目を入れて、中央部の様子を確かめてください。火の通りが悪ければ、2分ずつ追加して火を通します。
【5】取り出したボウルに、新しいラップをぴっちりとかけ直し、そのまま1時間ほど置いて冷ましてください。
冷えてから茹で鶏として、使います。
冷凍テクニックを使うと、鶏胸肉を使う機会が増えるかも
とっても便利な鶏胸肉の冷凍テクニックを3つご紹介しました。それぞれに長所がありますから、場面別で使い分けてください。どれもふんわりと仕上がって、おいしいものばかりです。食卓に胸肉が登場する機会が増えるかもしれませんね。
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構成・文・写真(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)