Q:話を聞くのが苦手です。
息子はとても友好的で、いつもニコニコしていて機嫌がいいです。お友だちと遊んだり、話したりすることは好きですが、人の話を聞くことが苦手で、最後まで聞くことができません。話の途中で何かピンと来るものがあると、「~と言えばね!」と、自分の知っていることをバーッと話してしまいます。
私が一緒にいるときは、「まず友だちの話を最後まで聞いてみようね」と声かけできますが、そうでないときは糸の切れた凧のようになってしまいます。小学生になり、どうなっていくのかなと、とても心配しています。(雪のお宿さん)
A:注意を向けてから話すのがポイント。最後まで聞けたらほめましょう。
お手紙を読む限り、息子さんはしっかりとコミュニケーションが取れているなと感じます。相手の話を受けて返している、これは相手の話を想像しながら聞いている証拠。途中で口を挟んでしまうのは、考えながら聞いているために、話の先が読めてしまうから。それより、友だちとニコニコしながらお話しできるのは素晴らしいことだと思いますよ。
まだ1年生ですから、話を聞くのが苦手な子がいて当たり前。小学生になり、ようやくこれから練習していく段階なのです。
話し手の工夫として、1年生の先生が子どもたちにちゃんと聞いてもらいたいときには、何かしらのアイテムを使ったりしています。例えば、ぬいぐるみやパペットを持って話すなど、視覚的に引きつけるものを利用して話を聞いてもらうのです。ぬいぐるみを持って「今から話すよ」と声をかけると、顔をぱっと向けてくれるんですよ。
大勢の子に聞いてもらいたいときは、「今から話すよ」と言いながら、鈴を鳴らしたり、手をぱんぱんと叩いたりすることもあります。
このように、五感のいずれかを刺激することで、「あなた(たち)に話すよ」と感覚的に伝えることができるのです。
アイテムを使う方法は、家庭でも実践できると思いますが、やはり、親子で向き合う形がいいのかなと思います。子どもの両手をとり「今から話すね」と前置きして話すのがポイントです。手を握ることでお家の人の温もりが伝わりますし、体が向き合うため注意を100%引きつけることにもなりますよね。
「○○するよ」「終わったらこうしようね」といったように、内容は簡潔にまとめて話すこと。そして、最後まで聞くことができたらほめましょう。「最後まで聞けたね。ありがとう」で締めるような話し方を心がけてみてくださいね。
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私がお答えしました
イラスト/かまたいくよ
構成/天辰陽子
1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子ども達各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。